10話
お久しぶりです。お待たせしました!
続きです!
「まおう…? って何?」
あの、ファンタジーの世界では定番中の定番のあの魔王ですか!?
「魔王とはその名の通り、魔界の王じゃ。」
「魔界の王様ねぇ… ぇ、え!? ま、魔界!? 魔界って何!?」
驚きすぎて、カップ落としそうだったんだけど!? 何? 魔のつく種族でも住んでんの!?
「ん? 魔族や悪魔が住んでいる世界に決まっておるじゃろ。」
「…へ、へぇ。」
その通りだったぁ…。あーだから、だから…。
『正解。その通り。さっすがぁ。俺の可愛い子』
「勝手に私の心読まないで欲しいんだけど…。てか、魔王様って人の姿なんだね。って事は他の魔族も?」
『まぁ、騙しやすいしな。なぁ。精霊?』
問われてリースは紅茶を飲みながら小さく頷く。
「じゃな。動物でも可愛がられるし警戒心も薄いが…。やはり、圧倒的人の形をして言葉を喋る方が相手の懐に入りやすいのぉ。」
エグイ…。ホラーゲームとかで、道に迷ったりして出会ったら、仲良くなって殺されるパターンだ。やだなぁ…。笑って、私の隣に腰掛けるロサを感じながら目の前の戦闘に目を向ける。
「分身とか出来る系なんだ。」
「あっははは…分身とはちょっと違うなぁ。魂を分けるだけだ。」
「へぇ。」
魂を分けてるってなぁーに? 分身じゃないって事は、私の隣にいるロサも本体って事? もう、やだぁ。新情報沢山出さないで! 驚いて一言でしか返せなかったんだけど。もう、いいや。どうせ、今の私の心の中もロサにバレてんだろうなぁ。現に隣で笑ってるし! あーもぉ…。
『かわぁーいいなぁ。』
「声に出さないでよ。はぁ…。私の”魔王”のイメージって、羽とかツノとか出てるものかと思ってた。なんか、こう。人外のイメージだった。私の世界のアニメとか漫画のイメージは人よりが多いし」
言いながら目の前の戦闘を見る。未だに、2対1の状態で、いつの間にか出したエルダさんの光輝く大剣を見て不敵に笑うロサに剣を地面に突き刺すと同時に地面が割れ、8本の光の輝きがロサを襲う。それを見てから回避しようとするが、何故か動かない。そのまま地面から離れない…いや、離れられないのだろうか。足が地面のめり込む。上から押さつけられているようだ。
そのまま光の輝きがロサに向かい襲い掛かり直撃した。さらに、頭上から大きな水の塊が襲い掛かる。そのまま、地面が崩れて大きな穴が開き水が流れ込んだのと同時に、空から雷が落ち、穴に向かって雷鳴が鳴り響く。なんか、凄い事しか分からないんだけど…。何なのこれ…。
「おお…。向こうのロサは…その大丈夫?」
結構、えげつねぇ攻撃するね。サルクスさんとエルダさん。なのに、隣のロサは余裕で観戦してる。私が最後に食べようと思って取っておいたクッキーサンドを美味そうに食べながら…。
『へーき。へーき。あの程度じゃ。死なねえから。』
そう言った瞬間、声が木霊する。
『爆炎』
ロサの声が聞こえた瞬間、サルクスさんの頭上に真っ赤な赤い球が現れると下に向かって赤い光線が一直線地面に突き刺さり周囲を爆発と炎が上がり、同時に起きた爆風で辺り一面吹っ飛ばす。
「えげぇ…。なんか花畑吹っ飛んでない!?」
『あー。弱ぇな。俺』
アレで、弱いって…さぁ。当たり一面吹っ飛ばして、クレーターだらけですが!? てか、ねぇ、何なの!? それでも止まる事をしない目の前で行われる戦闘を見る。
「氷河」
そう言い放った刹那、世界が凍った。
「え?」
私の目の前の全てが凍った。世界が停止した…。まるで、時間が…止まった?
『へぇ? すっげぇ魔力量だな。…俺止まってんじゃん。』
あははは。って笑ってる場合なの? そうだね~なんて言える感じではないのですが!?
「天罰」
氷の上に十字架の様な光りが何十本も現れ囲うように出現した。なんか、あー言うのって見た事ある気がする。アニメとかで…。そのまま、手を下に降ろすと光が氷の中に入るロサに向かって雨の様に降り注ぐ。
その姿を見ながら、多分無事なんだろうが、ほんの少しだけ心配になる。紅茶を飲みながら横目で隣のロサを見ると小さく溜息を吐きながら一言。
『あー。うん。飽きた。』
「ロサ」
『いい加減話をするか…。夕夜』
「ん?」
『人数分の紅茶の準備しようか。』
そう笑って私に立つように促す。凄いなぁ…多分本気出…はきっと出してないんだろうなぁ。サルクスさんを魔王って知りながらも、全然恐怖とか感じてない、寧ろ楽しそうに…いや、愉しそうに相手してるし…。これで何割ぐらいの力出して戦ってんの??
「はぁー。」
『どうかしか? 残りはリースとやるから、夕夜は休むか?』
「気疲れとかかの? 我とロサで残りの準備をするぞ?」
心配そうな声で言われ、平気だと伝え準備を進める。…なんやかんやで2人共結構仲良くなってますね!? 可愛いからいいけど!
「大丈夫だよ。って、そろそろ、向こうも終わる頃?」
『あーだなぁ。へぇ? すげぇな。呪文かぁ。懐かしいなぁ…。』
「へ? 呪文?」
そう言われて、2人の方に目を向けると、エルダさんが剣でロサに切りかかり、その後ろでサルクスさんが手を前に翳して何かを唱えている? ああ、あれが呪文ってのかな? 全然遠くて聞こえないけど…。少し見ていると、魔法陣がサルクスさんを中心に展開し頭上にも3つ程浮かび上がる。そのままいつの間にか真っ暗な空に輝く光…?
「星?」
「うーむ。あの魔法は結構ヤバい魔法じゃな。」
「…マジ?」
『っははははは! マジかぁ。すっげぇ。ひっさしぶりに見たなぁ。あの魔法』
え? なんか隣でいきなり爆笑し始めたんだけど?? え? 何? 何 え? ヤバいの? って事は私達もヤバいのは!? 一人何も分からない私を見てロサが楽しそうに口を開く。
『いやー。あの魔法威力がすっごいんだけど、制御するのにすっげぇ神経使うんだよなぁ。あの威力だと、爆発と爆風で夕夜50回は死ぬな。』
「え、ぇ…やだぁ~!」
何怖い事言ってんの!? 死なないとは言え痛いのは痛いんでしょう!? え? いやなんだけど!?
てか、50回も死ぬ威力ってもはや恐怖なんだけど!? ねぇ!?
『あはは、だよなぁ。まぁ、もういいか。停止』
飽きたし。そう言葉と共にたった一言いうだけで、私とロサ以外の全ての時間が止まった。そしていつの間にか、1人に戻ている。私の隣にいたロサは居なくなってる。
「えっぐ…。」
げぇーっと私が言うとそうか? っと楽しそうに見ながら指でサルクスさんが出している魔法陣を捕らえながら再度口を開く。遠目でしか見えなかったけど…止まっている世界では私とロサの声しか聞こえないし…。
『消滅』
言葉を紡いだ瞬間、サルクスさんの周りにあった魔法陣が全て消え去っり、消滅した。初めから何も無かったかのように…。
「な…っ!」
驚くサルクスさんとエルダさんを余所に、ロサは笑って口を開く。そりゃ驚くよね…魔法完成まじか…多分! を一瞬で消した相手が笑ってるんだから…。
『さぁって。話をしようか。』
そう言う顔は、出会った中で一番綺麗で恐ろしかった。…実は相当怒ってるのかな。
今回で取り敢えず決着です。
次は話し合ったり…します!




