1話
始めまして、前回読んでてくれた方がいらっしゃったら、お久しぶりです。
ちょっと色々ありまして、初めから修正していきつつ続きを書く予定です。
のんびり書く予定ですので、宜しくお願い致します。
世界は広いと言うけれど、これは広すぎたよ。空には2つ2つ太陽が輝いている。世の中にはまだまだ知らない事がたくさんあるんだなぁ…。
「お願いします。どうか、私を助けてください!」
私、神月夕夜は襲ってきた化物共を鮮やかな手つきで倒した、イケメンのお兄さんと美人のお姉さんに土下座しています。倒された後は灰になって消えた。
「無理。面倒くさい。あと、俺の女に近付くなよ。」
まぁ、でも…即座に拒否られたんだけど…イケメンの凄みってわからんし、怖いなぁ…。
何故私がこんな意味の分からない状態になっているかというと、遡ること数時間前…
事の発端は、ケーキを買った後に起こった。
本日は、記念すべき結婚記念日だ。…学校帰りにケーキを買いルンルンで道を歩いていた時だ。歩いていたら、突如、地面に穴が空いて落ちてしまいました。
いや、いきなりだったよね。叫びなから落ちたよ。絶叫系怖いのに良く我慢したよね…私。まぁ、叫んだけど。しかも、気絶してたみたいで起きたらびっくり周りは全然知らない所だった。
しかもなんか朝だった。おかしいな、ケーキ買ったの夕方なんだけど、しかも周りは見た事ない景色だった。 太陽あったけど… しかも、2つも…え?い、いや、気のせい!
あ、勿論! ケーキは見事につぶれてました。泣いた。
街中に居たのに、気づいたら森なんだから、ゆ、誘拐!? い、いやもしや、ギリ田舎なのでは? 記憶無いけど…寝てて、駅員さんに、放りだされた…とか?
「も、もしや…い、いや。まだだ!」
ある可能性が一瞬頭をよぎるが、ありえない! だって、死んでないし! あそこって死んだら行くんでしょう!? 私の友達が言ってたし! うん! 多分、そう思い鞄を持っていた私は携帯を取り出して確認したら電波なかった。終わった…。詰んだ。人類の最先端の携帯様が反応しない…。
「で、でもなぁ。ファンタジーな事がそうそう、身近に起きたら大変だし…。」
でも、なぁ。実はさっきから何となく私の知ってる“世界”じゃないとは思ってる。例えば! 上にある太陽って実は、色違いが隠れてたの!? しかも2つあるんだけど?? 目の錯覚かなぁ。」
ガサ…
あーそれにしても、私さぁ。確かケーキ買って商店街出たはずなんだけど、間違ってもこんな森が生い茂ってないはずなんだけどなぁ…いや、ほんと何なのここ? 歩いても歩いても道ってお言うか、人に合わない…出ない。え、マジここどこ?
そう1人で、思っているとガサ、ガサガサっと近くの木々が揺れた。
「何か。さっきから視線を感じる。てか、何かガサガサって…え? あ、やば」
嫌な予感がした。ガサリ…、音がしたその瞬間振り向いた。あー死んだ。熊のような大きな化物が現れた。熊の様なって言うのは、熊っぽかったからだよ? 勘違いしたらだめだよ? だって、体の色が赤黒くて、目が紫色だし、瞳孔開きっぱなしだし…。それに、体からは生ものの腐った匂いがする。
「私、健全な女子学生なんだけど!?」
熊の様な化物。その化物が、私を見て笑った気がした。好物にありつけると思ったかのように。こっちに来てる。のに…あ、やばい、これ詰んだ。 突進してきたので、何とか体を捻り一度目はまぐれで避ける。その際に鞄もポケットに入っていた携帯も落とした。
「ぁっ…。」
いや、これは死んだな。まず、怖すぎて足動かない。
グ…ぐンぐギュ…ぐ…
不気味な音が化物から聞こえた。え、お腹の音…エグイよ。ふと、視線が潰れたケーキに行き熊の化物が食べ始める。
ぐちゃぐちゃ…グチャ、ガリ…ンぼぎン
「お、おう、私の携帯事。」
近くにあった、鞄と携帯も一緒に食べられる。う、噓だろ。雑食すぎない!? でも、チャンスか夢中になってる隙に、逃げなきゃ! 逃げ…どこに?
「い、いや、取り敢えず、逃げ…っ!?」
走ろうとした瞬間、熊の化物と目が合う。あ、やっば…。なんか、走馬燈みたいなものが流れてる。最後、食われそうになってる。のに、スローモーションだ。確定だなぁ。死んだ。まぁ、でも…死にたくないから、頑張れ私!
こんなん考えてる暇があるなら、逃げろ! って言って震える足を動かして走るが、恐怖で走るのが遅くなる。
あっ! 食われる。っと思った瞬間金髪の美人さんが熊のような化物の腕を叩き切った。
「サルクス。こいつがこの辺を荒らしてる魔獣かな?」
武器を構えなおしながら化物に突っ込んでいく、美人さんの問いに即座に答える声がした。
「正解。そいつだ。この辺を荒らしてる魔獣だ。さっさと帰って寝たい。」
声の方を見るとこちらも美形の男の人が杖を振り魔獣を束縛していくのは、細身の女の人。鮮やかに、正確に手足を切り落とし動きを封じていく。
そして、サルクスと呼ばれた男の人が大きな火の柱を地面から熊の怪物に向かって撃つ。最後に女の人が熊の怪物を真っ二つにして消えた。
「お疲れさま。サルクスありがとう。助かったわ。」
「どういたしまして。さぁ、帰ろうエルダ。俺はもう眠いしエルダと一緒に寝たい。転送魔法を使おう。ね。」
サルクスと呼ばれた男の人は、甘えた声を出しながら美人さんに言い寄る。うっわぁ。あざといな。そう言えば、私の友達も猫被ってたなぁ。声かけずら! てか、絶対あの人私の事分かってるよね? 私をお姉さんから見えない様にしてるもんね!? しかも、なんか、話しかけんな雰囲気だしてるもんね!? わかるよ! わかんないけど!
でも、これで、私は声かけなかったら、人に会う事がない…よね!? 今声を掛けなきゃ明日の私が死ぬ。でも、さっきから、声かけるそぶり見せると、男の人めっちゃガン飛ばしてくるんだよね。でも、死にたくない!
「あの! お姉さんにお兄さん聞きたいことがあります。…って、お願いだからお兄さんガン飛ばさないで。怖いし、転送?する前に、ここはどこですが? さっきの化物が、何か教えてください。後! お願いします。」
「煩い。お前が馬鹿なのは分かった。だから、お前に教えることは一切ない。俺達はこれから戻って寝るんだ。勝手に帰れ。じゃあな。」
言い寄る隙も無く、私を無視して、お兄さんは”転送魔法”を唱える。お、おお! 魔法陣? なんか見た事あるなぁ。その魔法陣がお姉さんとお兄さんの足元を照らす。って、感動してる場合じゃない!
「待って、待って。そこを何とか、ここはどこですか! 本気で、私が居た世界とは違うので教えてください。お願いします。…っておい!」
なんとか答えが知りたくて、諦めずに、口を開けて言葉を紡いだのに…。お兄さん達は消えて、もうそこには誰も居ない。
え、うっそ、マジ? 置いてく? え、私襲われたばっかりなんだけど?? か弱いんだけど!? ねぇ!
「うっそう。置いてかれた…」
あー。仕方ない。歩いて今日は野宿かぁ。なれるかなぁ。てか、この森? 大丈夫!? 盗賊とかいないよね?? 嫌なんだけど…。
「あー。それにしてもここどこだよぉ〜」
絶っっっ対! ここに飛ばした奴は見つけたらぜってぇ、一発ぶん殴ってやる!
「でも、まぁ殴るにしてもまずは、ここがどこか知る必要があるよなぁ。」
人に会って、言葉が通じて話せたからなのか、心に余裕ができた。お陰で気持ちな少し楽になった。怖かったけど。あーあ、人里ないかなぁ~。っていうか、大分歩いたんだけど。
「にしても、全然森から抜けれないんだけど…はぁ。っと、言ってたら、村あった!」
森、抜けた。わーい! 村だぁ〜!! るんるんで入ると意外と賑わっていた。お金とかないんだけど、どうしよう。
「あー。言葉は通じるけど、何にも無いし。どうしたものか…。」
マジで、どうしたものか。ふと歓声の声が聞こた。声のする方に顔を向けると、男女のペアが色々な人に感謝されていた。…ってさっきのお兄さんとお姉さんだ! と思った瞬間2人と目が合うと、あからさまに嫌な顔をするお兄さんとは対照的にお姉さんは申し訳なさそうだ。お兄さんとすっごく嫌な顔された。お兄さんはひでぇ。
「お兄さんとお姉さんだ。先ほどは、ありがとうございました。お礼も言えず申し訳ございません。」
「お礼はいらないわ。それよりさっきごめんなさいね。私の連れが、いきなり転送魔法で貴方の事を置いて行って。事情も聞けなかったわ。あ、私は、エルダ・クロノス。よろしくね。で、この人はサルクス・リロットよ。」
「よろしくお願いします。エルダさんにサルクスさん。私は"ユウヤ"と言います。どうぞよろしくお願いします。」
なんか言いにくいな自分の名前。
「無理。めんどくさい。俺らに近づくなよ。」
うそでしょう? 挨拶しただけで、ゴミ見る目で私の事見る??
「サルクス! 理由も聞かずに置いていたのは私達なのよ!」
「はぁ? 俺らには関係なかったし、絶対面倒くさい事になるから、辞めよう。」
「サルクス!」
対応の差が凄すぎて笑ってしまう。
「ふっあははは。取り敢えず、私の話聞いてくれますか?」
じゃないと、何にもわからない。今ここで置いて行かれたら、多分もうチャンスがない…気がする。私の勘がそう言ってる。
「そのつもりよ。」
「…っち。お人好しが…」
エルダさんは優しいくて人がいいんだ。多分、いつもサルクスさんが迷惑だと思いながら協力するんだろうなぁ。
「ユウヤ、取り敢えず。私たちが泊まっている部屋があるから行きましょう。」
エルダさんに手を引かれ2人が泊まっているという宿に連れて行ってもらった。
最後までお読みいただきありがとうございます。