気に入った子が悩みを抱えて居るようです。対応は?
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
三狐神様の場合 は男体化と深めのキスシーンがあります。
男体化してますが、一応、『ガールズラブのタグ付け』は行います。(男体化も入るそうなので)
中性的だから悩み所……(;-ω-)ウーン
苦手な方はご注意下さい。
精神的にも肉体的にもしんどい。何となく気怠い日々が続いていて、生活に張りがない気がする。という訳で恒例の神社巡りを開始する!!
梅香の君の場合
唐門を潜った瞬間に、気配が一変した。空気に溶け込む様に漂う甘い梅の香り。もう大分花弁を落としてしまい、木の枝先には緑が多く混じっている。これも大層な見物であると思う。散った爪紅が絨毯を作って、風が吹く度に模様を変える。やっぱり、綺麗だな。
鼻を軽く動かしながら本殿へと向かうと、花婿と花嫁が晴れやかな笑顔で写真を撮っていた。カメラマンの女性が一生懸命声を掛けて、最高の一枚を。そしてその後には、その女性に負けない笑顔の麗人がいらっしゃった。
鮮やかな黒。切れ長な双眸。涼やかな印象を与える外見に反し、内面は滅茶苦茶優しい。あと粋。さぞ女性にモテそうな……。いやモテてたんだよな……。梅香の君……。
彼はすすっと夫婦となる二人の顔をしげしげと見詰めた後、祝辞を。
「今日は晴れの日に此処を選んでくれて有難う。君達の未来が満ちたものでありますように」
それから視線を逸らし、私の元へ歩み寄って下さった。優しいの、だよな……。一見涼しくて、近寄り難い印象があるけれど、本当は凄く。
「ふふふ、いらっしゃい。お裾分け、して上げようね。沢山。君の凶が散って、新たな吉の芽が出しますように。明日が満ち足りたものになりますように」
「有難う御座います。貴方様に会えた事に、深き感謝を。どうかこれからも良しなに」
それからぽんぽんっと軽く頭を撫でた後、鳥居付近まで見送ってくれた。
鳥居を降りて数分後の事である。紅梅付きの枝が鞄に差し入れられていたのに気が付いたのは。流石、風流人……。
飆靡様の場合
はてさて、悪縁切り、厄祓いと一言で言っても、それをなさる神様はそれなりに居らっしゃる。荒ぶる気で全てを無に帰す御仁と、自らの不幸をきっかけに悪縁を断ち切る技を得た御仁。まぁ、結果が同じとは言え、扱う過程がまるで違う。
うん、何時もは少しばかり距離を置いている方に会いに行くのも一興だろう。ちょっかいと言うか、意地悪と言うか……何かしら、からかわれるのが目に見えている方に会いするのも、物好きだとは思うが。……境内、社に罪はない。
という訳で、次に訪れたのは大都会にも関わらず多くの木々が植えられた社。夏場でも日陰を作っており、涼しかった。ずっと植物達が光合成を繰り返して居るせいか、空気も済んでいる。社の雰囲気だけで見れば、一番と言っても過言ではない。それ程までに好きなのだ。この場所が。……御祭神が少しばかり悪戯好きな所に目を瞑れば最高である。
私が石畳に足を付けると、待っていたとばかりに桜の花弁が舞い落ちた。翳りを作っていた雲が裂けて、光芒が差す。おっ……今日は優しい……? 何時もは鳥の羽ばたきや、目眩しを使って驚かせにかかるのに。
石段を登って、生花が添えられた手水舎で手を清めて居ると、一人の男性が立っていた。黒の短髪。小生意気なつり目。何時もは小馬鹿にしたように、私の頬を抓って来るのに今日は静かに此方を見詰めている。
「お久しぶりです。飆靡様。今日は……慈悲を与えて下さるのですね……」
私が驚いた様に目を見開いて、小首を折ると、口を尖らせて眉間に皺を寄せた。
「元気ねー奴虐めて何が楽しんだよ。特別だぞ。今日だけ、と、く、べ、つ」
どうやら張り合いが無いものに蹴りを飛ばすのは信念に反するらしい。まぁ、神話を読み解けば優しい所もあるにはある。気に入った相手には頗る優しいのだ。このお方。だから憎めない。私も大概漫画に毒されているな……。
そうぼんやりと考えて居ると、手首を掴んで手水舎から引き離した。もう少し生け花を見ていたかったのだが……。落ち込んだ様に視線を逸らしていると、頭部に手が乗った。そのまま、くるりと鳥居の方へ回転させられる。
「……!!」
桜の花弁がヒラヒラと舞い散っていた。差し込む朝日が鳥居を照らし、神秘的な印象を与える。大都会なのに、幻想的。疲れさえ癒す程に美しい。とても……綺麗だった。
ぽかんと口を開けて眺めて居ると、ぶっきらぼうな言葉が降ってきた。
「……気に入ったのなら、もう少し此処に居れば良いだろ」
「あ、いえ……ちょっと本当に疲れて居るので……。帰って寝ます。他にも拠る予定が御座いますので」
「むぅ……」
貴方様なりに、一生懸命気を使って居るのが分かる。なんだかんだ言いながら、根っこは優しいのだ。だからこうしてしんどい時には頼る様にしている。憎めない。
「お気遣い、痛み入ります。何時もそうやって優しくして戴けると……精神的にも……」
「特別っつったろ。ふんっ」
三狐神様の場合
コツンと賽銭箱に小銭を入れて、手を合わせる。薄目を開けると、一人の美女がじっと此方を見詰めていた。ふっさりとした銀の長髪。緋色のつり目。指だけを出した状態で口元に手を当てる様は何か考えて居そうだった。
「お久しぶりです。三狐神様」
「うん。久しぶり」
それから何かを思い付いた様に手を打って、顏を輝かせた。長髪が縮んで短くなる。折れそうな細腕に筋肉が張り詰める。それは俗に言う、男体化だった。サービス精神旺盛。気に入った奴が喜ぶなら、喜んで性別を変える。そんな彼女?らしい気遣いだった。
男体化した三狐神様は僅かに口角を上げると、そっと私の顔を包み込む。そしてそのまま思い切り顔を近付けて、問答無用で唇を奪う。驚いて僅かに開かれた口腔に舌を差し入れて、吸い付いてくる。
昔から……そうなのだ。現れると必ず恋人めいた愛情表現をする。『どうせ連れて行けないなら、会える時に愛を示しておく』とは何時ぞやの言葉であったか。
今の行動に照れないかって? 照れるに決まってるでしょ!! 絶世の美人が距離感零でキスしてんだぞ!! 気絶しそうですわ!!
何時もよりも長めの口吸いを受けて、体温が上がるのを感じる。漸く離されたと思ったら、女性の姿に戻った三狐神様が舌なめずりをしていた。
「うん。やはりそれが良い。悩んで沈んだ顔よりも、そうやって照れていた方がずっと良い!!」
何だろう。この積極性。気になったら他の物に目もくれない。それは何処か、貴方様の父上に良く似ていた。
「あの……もう少し……穏やかな……。女性姿でもお話乗って戴けるだけで満足ですので……」
「え〜穏やかぁ〜? 今の気分じゃ物足りない。そんなんじゃ君の悩みは晴れない。多分。だったら男体化してでも塗りつぶさなきゃ。そして君はイチャつくなら男のが良いだろ〜?」
えぇ、お陰様で色々吹き飛びました……。
もう一人出したい。
とお伝えしたお方は、幻想奇譚でお出ししました。
あれに悪縁ばっつりと、桜吹雪の中でそっと包み込むシーン。あれを加えた物にしようかと。
ただ大部分が被ってしまっているので。
本日は少し考え中です。
仮名が決まってないのもあります。
九曜様は本当に出したかった。
不器用で無口ながらも、節々に気遣いが見えるスタイル。
前々から匂わせの登場をしておりましたが、漸く登場。(多分)
飆靡様。名前は本日、割とすんなり行きました。
文字を分解してみると、見えて来ると思います。
前は台詞だけな気が。幻想奇譚ですね。
外見は誰か様ととても似ている。血は争えません。
性格は平たく言えばツンデレ。
惚れた弱みで奥さんには優しいと思ってます。ずっとデレ。
ツンデレのツンは難しいので、こう言う時に出すのが良いのではと。弱っている人に蹴りは飛ばせないと思ってます。
気になった子に積極的に仕掛けるところも、誰か様と良く似ている。血は争えません。(二度目)
あと、笑った顔!! にやーっと笑う所!! あれもクリソツです!!