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天才と脳筋は紙一重  作者: たんすちゃん
《第一章》-邂逅編-
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2.何事にも準備は必要!

 本来、ルナが触れたことによって砕けた水晶は、水晶から発せられる光の色で得意な傾向の属性、光の強さで魔力の高さがわかる。

 水晶が砕け散ることは普通はありえないのだが、稀に水晶が特殊な反応を示すことがある。

 その反応は様々で、過去に存在した例では、水晶から黒い液体が出てきたり、不思議な色に光ったりなど、人によって異なるため、色々試して見なければどういった属性なのかが不明なのだ。


 そしてそれは世間では固有魔力と呼ばれている。固有魔力とは、元素の五属性である火、水、自然、光、闇のどれにも属さず、全く同じものが存在しない個人だけが持つ魔力のことで、水晶が砕け散るという異例の反応を示したルナにも、その固有魔力があるとスエズは考えていた。

 そしてスエズはそれをふまえて、まずはルナの魔力の属性を調べてみることにした。


「まずは基礎魔法とそのクラス1(シングル)を覚えてもらうぞ」

 スエズから漠然と告げられた修行内容に、ルナの頭にはハテナが浮かんでいた。


「基礎魔法? クラス?」

 基礎魔法とは、魔法において一番威力が低く、その代わり詠唱や思考量、魔力消費が少ない、魔法を使う者は誰もが最初に覚える初級魔法である。魔法には初級、中級、上級、最上級、超級がある。

 クラスは魔法の等級であり、どの魔法にもクラスが存在しており、10段階まである。クラスが高くなるほど威力があがるが、習得するのは熟練の魔術士でも非常に難しい。


「……と、いった感じじゃな」

 スエズが一通り説明を終え、ルナを見ると……。


「――はぇ?」

 どうやらルナの脳の処理能力が限界を迎えたようで、ルナはプスプスと音を立ててパンクしていた。


(なに言ってるかぜんぜんわかんないよ~……)


 ルナはどうやら勉強が苦手なようだった。それもそうである。ルナは今までずっとスエズと共にこの家で暮らしてきたため、学校に通ったことも、他人と話したことすらもないのだ。

 そんなルナを見て呆れた様子のスエズは、


「やれやれ、とにかくまずは実践してみるかの……、よく見ておるんじゃぞ」

そう言うと30メートルほど先の的へ向かって、右手の平を突き出し完全詠唱での呪文を唱えた。


「『――熱き火よ、火球となりて!』クラス1(シングル)【ファイアボール】!」

 するとスエズの右手から、頭くらいの大きさの、真っ赤に燃え盛る火の玉がまっすぐ飛んでいき、そのまま的に命中した。


「すごっ!? 手から火が出たよ!? それにあんなに遠い的に当たるなんて! 私も使えるようになりたい!!」

 実際に初めて見る魔法にルナは大興奮である。

 ルナは難しいことは苦手だが、興味のあるものに対する向上心は凄まじいものがある。ウキウキした顔で早く自分もやりたいといった様子のルナを見て、スエズは指をさす。


「次はお前さんがやってみる番じゃぞ。そうじゃな……的はもう少し近いほうがいいじゃろう」

 的を先程よりも15メートル程近くに置き、スエズは説明を続ける。


「まず集中し、体内の魔力を全身に巡らせるイメージをするんじゃ。そして燃え盛る火を想像し、魔力の流れを手に集中させ、外へ放出するのじゃ!」

「むむむむ……」

 ルナはスエズの指示をしっかりと聞きながら的の方へ向き、的を凝視し右手を構え、集中する。

 そして……。


(体内の魔力を全身に……火を想像……。それでそれで、魔力を手に集中……! そしたら……)

「外へっ……放出! 【ファイアボール】!」



ドオオオオオオオオオオオオン!!!



 大爆発した。


_

_

_


けほけほっ…


「なんで……あんなことに」

 まっ黒焦げになったルナが身体についたススや舞い散った葉を落としながらそう呟くと、同じく巻き添えを食らってまっ黒焦げでアフロになったスエズが反応する。


「恐らく魔力のコントロールに失敗したか、火属性の魔法が向いてない体質なのやもしれん……。驚いて腰が抜けてしもうたわ……」

 終始じっと横から観察していたスエズは、腰を気にしつつも冷静にそう分析する。

 それにしても爆発でアフロとは、またしても古いスエズ……もういい歳だからだろうか?



「すまんが、わしはちと腰がきつくての……。訓練メニューは考えておくから、今日のところはしばらく一人で鍛えていておくれ」

 今ので腰を悪くしてしまった様子のスエズは一旦切り上げることにして、家で訓練メニューを考えることをルナに告げる。


「ごめんなさいおじいちゃん……私が失敗したせいで腰悪くしちゃって……」

 ルナはしょんぼりとした表情で謝罪を述べるが、スエズは気にした様子もなく、ルナの頭を撫でる。


「良いんじゃよ。わしはお前さんの成長が見れるだけで幸せなんじゃ。素直に育ってくれてなによりだわい」

 スエズはそう言うとおもむろに立ち上がり、腰を気遣いながら家へ戻って行った。


(行っちゃった……おじいちゃんには悪いことしたなぁ……。次見てもらう時はもう失敗しないようにしないと!)

 ルナは心の中で反省しつつ、次こそ成功させてスエズに成長したところを見せようと決心し、魔法の特訓を再開するのであった。


_


ドォォォォォン……


ドゴォォォォォン……!


「やれやれ、怪我しなければ良いが……」

 そしてルナが決心している一方では、遠くから聞こえてくる、ルナが何度も爆発する音を聞きながら、一人物思いに耽るスエズだった。


_

_

_


 それから1週間が経った頃、ルナは今日も今日とて魔法の訓練をしていた。

 毎日熱心に欠かすこと無く訓練を続けているのは、元々魔法に憧れがあったのもあるが、なによりスエズを巻き込んで怪我をさせてしまったことを気にしているようだった。

 だが、そんな想いも虚しくルナは未だに火魔法がうまく使えずにいた。


「最近ずっと火魔法の練習してるけど……何度やってもうまくいかないなぁ。撃つ直前に手は暖かくなるんだけど……なにか間違ってるのかな? それとも、やっぱり才能ないのかな……」

 失敗に失敗を重ね続けた結果、ルナの気持ちはだんだんと落ち込み気味になってきていた。

 しかし諦めきれないルナは、今日はいつもとは少し変わったやり方を試してみることにした。


「そうだ! 魔法が出ないならそのへんの石を……」

 そう言うと足元に落ちていた小石を拾いあげ、握りしめた。そしてルナは石を握る手に意識を集中させ始める。


「これでこのまま魔力を流し込んで……!」

 次の瞬間、ごおっ! という音と共に、握っていた小石が突然炎を纏い、燃え始めた。ルナの狙いはこれだったのである。しかしただの思いつきが一発で成功するとは思ってもみなかったルナは、自分でやったことにも関わらず、大きく驚愕していた。


「わあっ!? ほんとに燃えた! おっとと……あれ? 意外と熱くない……?」

 驚いたルナは危うく炎を纏った小石を落としかけるが、持っていても問題ないことに気づき、しっかり握りなおす。


「よし、それじゃあ次! あとはこの石を……そいっ!」

 びゅんっという風を切る音と共に、炎を纏った小石は勢いよく飛んでいき、速すぎて一見ただのファイアボールにしか見えない小石は的をガツンと直撃して、的は燃えた後チリチリと灰になった。

 ルナは無意識にやってみせたが、これは付与魔法といい、使える者がそう多くない会得難度の高い魔法なのだが……。


「ぃやったぁ! おじいちゃんのとはちょっと違う気がするけど、今、火魔法使えたよね!」

 そんなことは知らないルナは今したことを火魔法だと思いこみ、無邪気にも喜ぶのだった。


…………。


「なんとこりゃたまげた……。まだ1週間程度だというのに、もうあんなに立派になって……」

 少し離れた木の陰から見ていたスエズは一人、娘の成長に感動し、嗚咽を漏らす。

 ルナが付与魔法を使ったことは距離もあってよく見えておらず、火魔法にしか見えていなかったようだ。ただ独特なフォームで魔法を放つなぁ、とは思っていたが。

 なぜスエズがこんなところにいるのかといえば、心配なのもあったが、新たな訓練を告げに来るためだった。


「おーいルナよ!」

 気持ちを切り替えたスエズがルナを呼ぶと、先程覚えた火魔法……と思い込んでいるだけで付与魔法によるただの物理攻撃……を試していたルナはすぐに気づき、スエズの元へと走っていく。


「聞いておどろけおじいちゃん! あのねあのね、ついさっきやっと火の魔法が使えたのです!」

 鼻をふんと鳴らし、自慢気に嬉しそうな顔をしながら、無い胸を張って報告するルナ。

 親バカを拗らせた……優しい親心を持つスエズはすでに知っていることでも褒めるところはしっかりと褒める。


「なんじゃと~!? とうとう使えるようになったのか! 努力の賜物じゃの~!」

 遠くから見ていたため、当然知っているのだが、可愛い娘のため大きくリアクションをしつつ、わしゃわしゃと頭を撫でるスエズ。実に役者である。

 そしてふとここにきた理由を思い出したスエズはルナの頭を撫でつつ、続けて口を開く。


「そうじゃ、それもふまえて新しい訓練をと思って来たんじゃ!」

 ニコニコしながらスエズは、新しい訓練とやらの説明を始めた。

 その内容とは、火魔法以外の属性を練習してみること。そして水晶を粉々にした謎の魔力を特定することの二つ。

 スエズはあの日、ルナの魔力によって水晶が砕けた時からずっとルナの固有魔力が気になっていて、ここ一週間の間それについて考えていた。

 勿論、ルナの成長を見るのが一番の楽しみではあるのだが。固有魔力は自分で力を自覚しなければ使いこなすことは出来ない。

 その結果スエズが辿り着いた答えは、『ルナ自身に魔法の訓練と一緒に固有の魔力を習得してもらう』ことであった。

 これならば愛娘の成長を見ながら、自分の探究心も満たせると考えたのだ。この老人、相変わらずの親バカっぷりである。


「他の魔法かぁ~。そういえば夢中で気づかなかったけど、まだ火魔法以外の魔法試してなかったかも……」

 この一週間の間、ルナはひたすら火魔法のみを練習していた。と言っても実際に成功したのは結局火魔法ではないのだが、この二人はまだそれを知る由もない。


「そういえばルナが水晶に触れた時、水晶が放っていた光はたしか水色じゃったの」

 スエズはふと一週間前のことを思い返しながらルナに確認する。


「眩しくてよく見えなかったけど、たぶんそんな感じだったかも!」

「ふむ。魔法の属性は、水晶の発する光の色で概ね把握できるんじゃ。水色ならばおそらくルナは、氷魔法が得意傾向なのかもしれんのう」

 水晶の色によって現在判明している属性は、赤や橙色が炎系、青や水色が水系、緑や茶色が自然系、白や黄色が光系、黒や紫色が闇系と言われている。

 それ以外の色や、特殊な水晶の挙動になった場合が例外……つまりは固有魔力の可能性が高いのだ。


「闇魔法とかはちょっと怖そうだし……、とりあえず次は氷魔法から練習するね?」

 光魔法や自然魔法と違い、闇魔法というのは名前だけでなんだか恐ろしい雰囲気がするため、ルナは一旦後回しにして、得意傾向な氷魔法から練習することにした。


「うむ、それがいいじゃろ。どれ、家に戻る前に初回だけ見ていこうかの」

 相変わらず腰を気にしながら、スエズは近くの切り株に座ってそう言った。


「よーし……。それじゃあ氷撃つぞ~!」

 はりきって詠唱を開始したルナは火魔法の時と同じように氷を想像し、魔力を身体に巡らせる。この感覚は一週間火魔法を練習している間に何度も繰り返し、すでに慣れたものである。

 そして今度は両手を前に突き出し、叫んだ――。


「ふぁいやあああああああ!」

 なぜか火魔法のような掛け声を。

 そして直後、ルナの周囲に二メートル程もある巨大な氷塊が無数に召喚され、そのまま前方へと連続で射出された。

 10秒ほどが経ったあと、自分で驚いた様子のルナが周りを見れば、先程まで前方にあった的は影も形もなく、それどころか的があった場所の後ろの森や、周囲の地面まで広範囲で凍結させてしまっていた。


「ほわぁ……びっくりした……!? 思ったよりすごいことになっちゃった……。ど……どうしよおじいちゃ――」

 喋りながらルナが後ろを振り向くと、スエズはひっくり返って白目を向いていた。



「おじいちゃぁんっ!?」


_

_

_


「やれやれ、驚きすぎて気絶してしもうた……。そんなことより!なんじゃさっきの魔法の威力は!?」

 ルナが強烈な魔法を放ってから一時間ほどが過ぎた頃、驚愕のあまり気絶してしまっていたスエズは目を覚まし、真っ先にルナへ問いただす。


「ご、ごめん……。前みたいに失敗したくなくて片手じゃなくて両手に魔力を集中してみたんだけど、まさかあんな威力の魔法が出るとは思わなくて……」

 恐る恐る申し訳無さそうに答えるルナ。しかしスエズは別にルナを叱るつもりではないらしかった。


「怒ってなどおらん、むしろその逆じゃ! あそこまで魔法の才能があるとは思わなんだ。……しかし、まだ魔法に触れ始めてから一週間程度だというのに、思っていたより成長が早くて最近は驚きの連続じゃの……」

「えへへ……。でもあっち一帯すごいことになっちゃってるし、今度から気をつけるね……」

 怒っていないと聞いて安心した様子のルナ。だが、ルナの言う通り、先程氷魔法を放った方向には森があったのだが、ルナの強大な威力の魔法による影響で凍てつく森になってしまっていた。

 そこに住んでいた動物達には気の毒だが、人がいない土地でよかったと言わざるを得ない。不幸中の幸いというやつである。


「そういえば氷魔法だというのに、なぜあの掛け声だったんじゃ?」

 あの掛け声、とはルナが魔法を撃つ直前に叫んだ『ふぁいやあああああああ!』のことだ。


「あ~……、夢中でつい出てきた言葉がアレだったんだよね……。あはは……」

 どうやらルナは火魔法の練習のしすぎで脳内が火に侵されているようであった……。


(無意識のようじゃが、すでに無詠唱まで使えるのか……それにあの火力……。全く末恐ろしい子じゃ……。だが、それでこそ我が娘!)

 ルナの返事を聞いて感心した様子のスエズ。無詠唱は発動する魔法の呪文やクラス、名を詠唱せずに放つ魔法のことで、先程ルナは魔法を放つ際に掛け声は口にしたが、魔法に関する詠唱ではないため、あれはあくまでただの掛け声で、魔法自体は無詠唱での発動になっていた。


 無詠唱はそこまで難しいことではないのだが、魔法に触れ始めたばかりの者がすぐ使えるものでもない。だが、必然的に魔法の精度や威力が落ちてしまうため、普通の魔術士は、よほど余裕がない時以外は短詠唱か普通の詠唱をするため、無詠唱はあまり使わないのだ。

 しかし、威力が大きく落ちるはずの無詠唱魔法にも関わらずあの威力、そこにスエズは注目し、感心していたのだった。


「……とりあえず、暫くは自主練じゃ。魔法の威力には気を付けるんじゃぞ。わしはまた腰の調子が悪くなってきたわい」

 そしてスエズはこの先どうなるのかに期待しつつ、良いものを見れたとルナに周囲への注意だけを促し、驚きの連続で腰の調子が芳しくないため、ゆっくりと家へ戻っていった。

 帰っていくスエズを見送りながら、ルナは一人どうするか考えていた。


「自主練かぁ、とりあえず山奥とかで威力の調整の練習でもしようかなぁ……」

 ルナは万が一、また威力を間違えても被害が少なく済むように、山奥籠りをすることにした。


_


 数日後、ルナはすっかり魔力のコントロールを物にしていた。相変わらずちゃんとした火魔法は撃てないままなのだが。

 どうやら付与は出来るのだが、放出するタイプの火魔法とは相性が悪いようで、使おうとするとどうしても爆発してしまうのだ。

 そして一番得意な属性はやはり氷らしく、風や土などの自然系や水魔法は次点で得意なようだ。

 しかしやはり火魔法は爆発してしまうため付与魔法でしか使えておらず、闇魔法は怖そうという非常に曖昧かつ適当な理由で触っていない。

 光魔法に関しては未だ触れてすらおらず、今のところは後回し。

 そんなルナは現在何をしているかといえば……。


「997……998……999……1000……、終わりっと!」

 ――なぜか筋トレをしていた。


「最近魔法ばっかりであんまり身体動かしてなかったしね!」

 ルナは頭より身体を動かすほうが好きなため、こうして定期的に運動をしている。幼い頃から続けている日課のため、小さく華奢に見える身体には秘めたる筋肉がしっかりとついていた。

 数メートルもあるトレントをあっさり持ち上げるほどの馬鹿力はこれによるものだ。


「魔法ってロマンはあるけど、頭使うから疲れちゃうんだよね~。氷魔法と火魔法は頭使わないんだけどなあ……」

 ルナの言う火魔法とは付与魔法のことなのだが、未だに火魔法と思い込んでいるままだった。

 ついでに、氷魔法と火魔法が頭を使わないと感じているのは、無詠唱で使っているからということに気づくのはまだまだあとになりそうである。

 そんなことを考えつつ、ルナは今日の特訓は何をするか悩んでいた。


「そういえばおじいちゃんが固有の魔力がどうとかって言ってたよね……。今日はそれを覚えてみようかな?」

 ――と言っても、固有魔力というのは未だ解明されていないものばかりで、魔法に触れ始めたばかりの者がすぐに覚えられるかと言われれば、誰もがNOと答えるだろう。

 ましてや物事は感覚派のルナはお世辞にも頭が良いとは言えないため、そうそううまくいくものでは無かった。


「っていうか、何からすればいいの~!?」

 少女、難題との長い長い戦いの開幕である。



「今日もあの子は山籠りか……、次はどんな成長をして帰ってくるかの~? さて……。わしはあの子のために例の物を取りにいくとしよう……。ふぉっふぉっ、喜んでくれるかのぉ」

 筋トレ少女が頭をひねらせている頃、親バカ老人は一人、娘の喜ぶ顔を想像しながら家を出て行った。

 一方では頭から煙を出しながら色々と頭を捻っていたルナは早速パンクし、固有魔力の訓練は幸先の悪いスタートを切っていた。


「やっぱり頭使うのって苦手だよぉ~!」

 少女の細い喚声が、晴天の山に鳴り響いた。


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