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VS-バーサス-  作者: こおろぎ
2/13

出会い

ヒュオオオ…


謎の男

「…」


リョウガを遠くから見つめる謎の男


謎の男

「フホッ…見つけたぁ新人ちゃん」


電柱にしがみつき

「ジュルルル」とよだれを垂らす


謎の男

「ずっと見張ってた甲斐があった

久々のカモだ

やっと狩れるっっ!!」


何も知らず歩き始めるリョウガ


謎の男

「きた!キタキタキタキタ!

そうだそのまま

気配を殺し、近くに寄って来たところを

一気に食う!!」


にたっと笑った瞬間


パァンッ


電柱を蹴り、勢いよくリョウガに飛びかかる


リョウガ

!!


気配に気づき、振り向くリョウガ


バキッ


同時に

謎の男を蹴り飛ばす謎の鉄仮面


ドゴォ

ゴシャァァ


鉄仮面

「ふぅ…やれやれ

嫌だねぇ、ああいうのは

少年、大丈夫か…ん?」


突然の出来事に呆然と立ち尽くすリョウガ


鉄仮面

「もしもーし?」


鉄仮面が手をかざして

ようやく我に帰るリョウガ


鉄仮面から距離を取る


鉄仮面

「はっはっはっ、元気そうだね

よかったよ」


リョウガ

「な、なにもんだあんた!?」


鉄仮面

「ぼく?ロトフさんでーす

「ナイト」やってまーす

以後お見知り置きを」


ロトフと名乗る陽気な鉄仮面


ロトフ

「君は…初めて見る顔だね

新顔かい?」


「そっかそっか

血気盛んなのはいいけど

こんな所うろついちゃ危ないよ」

「またさっきの奴みたいに襲われちゃうから」


リョウガ

「さっきの奴って…?」


ロトフ

「でも初めてなら色々ヤバそうだな

次狙われたら今度こそ命はない…」

「フゥム」


リョウガ

「おい」


リョウガの言葉を無視して色々

進めていくロトフ


ロトフ

「そうだ!少年!」


リョウガ

「?」


ロトフ

「この私がしばらく護衛しよう

その方が安全だ」


リョウガ

「!!」


ロトフ

「この辺はなにかと物騒だ

私について来たまえ」


リョウガ

「おい!」


ロトフ

「では行こうか少年」


リョウガ

「勝手に進めるな!!」


ロトフ

「大丈夫だって

ココのこと、色々教えてやるよ」


そう言ってバーまで案内するロトフ



-無人のバー-


リョウガ

「さっきの奴は?」


ロトフ

「追い剥ぎ

新入りの出現ポイントを抑え、待機

金品などを奪う盗賊じみた奴らだ」


「目的のためならいかなる手段もいとわない

抵抗する者は容赦なく殺される

これまで何人もの犠牲が出ている」


ロトフはお茶を飲み、続ける


ロトフ

「ここは競争が激しい世界でね

武力に長けた達人や千人に一人の逸材でも

生き残るのは至難

勝ち残るには相応のリスクがいる


進めば進むほど、激しさが増していき

やがてついていけなくなった多くが

ああいう道を選択するんだ」


リョウガ

「…」


ロトフ

「君はこの世界がどういう場所か

理解しているか?

自前知識も無しに来たんじゃないだろうね」


リョウガ

「…」


ロトフ

「察しの通り、ココはオシャレを競う場所だが

「オシャレ」で競うのではない

「武力」で競うんだ」


「相手を打ちまかし、ポイントを稼ぎ

服を作り、外の世界へ売りさばく」


「それがこの世界の決まりだ」


リョウガ

「受付はそんなこと説明しなかった」


ロトフ

「そんな事を話したら

何も知らない参加者は逃げていくからね

彼女は多くを伝えないよう

プログラムされている

君も噂でココに来たんだろう?

ルールは見なかったかい?」


リョウガ

「いや…誰でも参加できる施設だと聞いた

だから来たんだ」


ロトフ

「某掲示板だろ?最近建てられた

あそこしかココの情報を知る術はないからな

おかしいな…確か記載されているはずだが

まぁいいや、とにかくそういう場所だから

これからは君も常に周りを警戒して

勝負を挑まれても、まずは逃げる事

そして鍛える事だ いいね?」


リョウガ

「…」


ロトフ

「…」


沈黙が続く


ロトフ

「ところで君強くなりたくない?!」


ガタッ


ロトフ

「よかったらこのロトフさんがコーチしてやろうか!?」


詰め寄るロトフ


リョウガ

「もういい、この世界がどういう場所か

大体わかった あとは自分でなんとかする

ごちそうさま」


ロトフ

「ちょ、ちょっと!」


立ち去るリョウガ

回り込んで説得するロトフ


ロトフ

「つれないなぁ、わかってないよ

君が思ってるほどココは単純じゃない

そんな半端な知識でうろついたら

今度こそ命はない!甘い世界じゃないんだ!


ココでは外の世界のような常識もなければ

善も悪も関係ない!出会った者全て敵!」


「戦場なんだよ!?」

ロトフの必死な説得に引き気味になるリョウガ


ロトフ

「中々いないよ?俺みたいに

気さくに声かけてくれる奴なんか

今君はとても幸運なんだ!」


その後渋々ながら

ロトフとの修行に付き合うリョウガ

実戦での戦い方の基礎や立ち回り、構えを教わる

汗水垂らしながらも

ときに厳しくときに甘く

激しいトレーニングは続いた


そして数日後


リョウガ

「はっ…はっ…」


シュッ!シュッ!


ロトフ

「中々いい動きになって来たじゃないか!少年!」


リョウガはゼェゼェと息を切らす


ロトフ

「少年、しばらく私はココを離れなくては

いけなくなった」


リョウガ

「?」


ロトフ

「新しい仕事が入ってな

どうも激しい戦いになるらしい

詳しくは何も聞いてないが」


リョウガ

「外の世界か?」


ロトフ

「あぁ、すまんがあとは一人でなんとかやっててくれ」


リョウガ

「…」


ロトフ

「いいか少年!」


バンっと机を叩かれ

ビクッとなるリョウガ


ロトフ

「ココは競争が激しい!

実力を上げる分だけより厳しさは増す!

だが君には素質がある!

絶対に鍛錬を怠らないようにな!


いつ会えるかわからんが

次再開したとき、君は今より

もっと腕をあげているはずだ


強くなりたいなら

私に会うことを目標にしてもいいんだぞ?」コホンッ


リョウガ

「別に強くなりたいわけじゃ」


ロトフ

「認識が甘いぞ少年!」


再び机を叩かれてビビるリョウガ


ロトフ

「見返したいんだろう?その(カムイ)を!」


リョウガ

「!!」


特訓の中でロトフはリョウガから色々聞いていた

カムイのことも


ロトフ

「前も言ったがココは戦場だ

強くならないと生き残れない

オシャレを極めるには

強くなる事が第一目標だ!


その子を見返したいなら

オシャレの頂点に立ちたいなら

戦って勝つ事が重要なんだっっ!


わかったかい!?」


リョウガ

「あ、あぁ…」


少し間を置く


リョウガ

「でも、まだよくわからない

俺は、オシャレの事を知りたかっただけだ

ココに参加すればオシャレの事がわかるんじゃないかって

戦いに来たわけじゃない…(あいつらを見返したくて)」


ロトフ

「…」

「こうは考えられないかい?

「わからないなら作ればいい」って

ココのルールで戦って、服を作って売ってを繰り返して

その服が世界にとってオシャレだと認識されたら

君独自のオシャレの完成だ」


リョウガ

「俺独自のオシャレ…?」


ロトフは頷く


ロトフ

「なに、心配はいらないさ

君には素質がある

私の目に狂いはない

きっと君ならこの世界を勝ち抜き

頂点へと辿り着くさ


みんなが君を崇めるだろう

その時、君は目一杯

下の者を見下せばいい、好きなだけ笑えばいい」


「(約束だ

私と会う時まで死ぬんじゃない

君なら必ず成し遂げられる

君は世界の頂点だ!)」


「(そろそろ時間だ

またな少年!)」


ロトフと別れ、特訓のため

ひとけのない絶壁に移動する


バサッ(荷物を置く)


リョウガ

「ロトフと別れてから妙に静かだ

こんなところにいたら

自分を見失いそうだな…」


リョウガ

「強くなる…カムイ…」


上を向き、考え込むリョウガ

その背後に忍び寄る影


ザッ


謎の男(ロトフに蹴り飛ばされた人)

「ようやく見つけたぜ、クソ野郎」


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