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宇宙最強戦艦・マリア  作者: サタデーナイト・ノープラン
2/8

勝艦長登場!!



        一 am7:00 クジラ港 一


松本は幾つかの着替と歯磨きセットを手提げバッグに入れて、クジラ港に行くと、数十人ずつ並んだ列が幾つもあり、それぞれの列の先頭には、スーツ姿の男が1人ずつ立っていた。


松本は伊藤を見つけ、話しかけた。


松本「おはようございます。すいません、どこに並べばいいんでしょうか?」


伊藤「あ、おはようございます、松本さん。松本さんは素麺製造なので、私の列の最後尾に並んで下さい。」


伊藤はそう言うと、派遣社員の名簿一覧の松本の所に○をつけた。


松本は最後尾に並び全体を見渡すと、20代、30代の若者ばかりで、40代後半の自分が恥ずかしくなった。


松本「40過ぎて派遣社員なんて俺ぐらいだろうなあ。なんか恥ずかしいなあ。普通の40代の男なら、正社員で嫁や子供がいたりして家族の大黒柱で、お父さんて呼ばれてるんだろうなあ。」


松本は、仕事で嫌なことがあったり人間関係がうまくいかなくて、その度に職を転々としてきたことを悔やんだ。


松本『地球にはもう、俺を雇ってくれる会社なんてない。もう俺にはこの仕事しかないんだ、今まで嫌なことから逃げてきた罰だ。』


松本は自分にそう言い聞かせて並んでいると、伊藤が拡声器を持って話し始めた。


伊藤「おはようございます!!本日は皆さん、早朝からお疲れ様です!!もう少ししたら勝艦長が来るので、待ってて下さい。」


海の方を見ると、豪華客船のような船、戦艦、ちょっと昔風のタイタニックのような船、アニメの宇宙戦艦ヤマト、アンドロメダのような船が浮かんでいた。


「おお!!まさにヤマトだヤマト!!」


「わあ、タイタニック!!ステキ!!きっと船長はレオ様よ!!」


派遣社員の男達と、ちょっとお洒落な服を着た若い女達は興奮して、あちこちで叫んでいた。


若い女達の先頭にいるスーツ姿の女が拡声器で言った。


スーツ姿の女「お見合いパーティーに参加の皆さん、あちらが今回の船長・ディーン船長です。では前の人から順番にお乗り下さい。」


若い女達「カッコいい!!ステキ!!」


背の高い白人の男が、タイタニックに似た船の先端でこちらに向って敬礼をしていた。


松本と同じ列に並んでいる派遣社員の男達の会話が聞こえてきた。


「俺達は宇宙で素麺作りで、あっちはお見合いパーティかよ。」


「お見合いパーティの会場は、土星のリングメーカーのUFOだってよ。」


「セレブとかエリートの集まりがいる所だろ、結婚なんて、俺達は夢のまた夢だな。」


「まったくだ。」


松本『確かに。いつから俺の人生は狂ったんだろう、それにしても俺だけオッサンで、やっぱり恥ずかしい。物覚えも悪いしなあ、若い奴らに馬鹿にされるだろうなあ。』


タイタニック、ヤマト、アンドロメダに似た船は次々と人が乗船して海から空に向って飛び立っていき、ソフトクリームみたいなドリルがついた船が1隻だけ残った。


派遣社員達「なんか、船体の半分ぐらいドリルの船が残ってるんだけど、もしかしてあれがマリア?」


「たぶん・・・・マリアドリルが必殺技って伊藤が言っていたから、あのドリルがそうじゃないのか・・・・。」


松本『マリアドリル・・・・波動砲みたいなヤツって言っていたけど、あのドリルからレーザーみたいなのが出るんだろうか?』


派遣社員達がざわついていると、ソフトクリームのような船が動いてクジラ港のフェリー乗り場に着き、1人の男が下りて来た。


そして、胸元からピストルのようなレーザーガンを出して、派遣社員達に向けて叫んだ。


男「おはよう!!派遣社員及び戦闘隊員の諸君!!俺がこの宇宙最強戦艦マリアの艦長・勝だ!!俺の指示及び命令に従わない奴は、俺のこのエクスカリバーで殺す!!」


ズキューン!!ズキューン!!


そう言うと勝は、松本達の列めがけてレーザーガンを何発か放ち、その列の1mほど手前で土煙が幾つも上がった。


派遣社員達「うわああああ!!マジで撃ってきやがった!!」


「俺達、何もしてないのに!!しかもレーザーガンのことをエクスカリバーって、おかしいだろ!!」


「コイツ、狂ってやがる!!」


勝艦長「うるせえんだよ!!てめえら!!男が少々撃たれたぐらいで、わあわあ騒ぐな!!」


ズキューン!!ズキューン!!


さらに勝は、何発も松本達の並ぶ列めがけて、レーザーガンを放った。

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