本日の依頼は墓地の掃除です
翌朝目を覚ましたときには、すでにティビアは起きていた。
『おはよう、アラン』
「あぁ、おはよう」
さっさと朝食を済ませたあと、冒険者ギルドに向かう。早めに仕事を見つけておかないと、生活に困ってしまうからだ。
「すみません、何か僕でも出来る簡単な依頼とかはきてませんか?」
受付のお姉さんに聞いてみる。
「では、墓地の掃除などはいかがでしょう? 墓地は定期的に掃除をしないと、夜にゾンビを生み出しますから」
「その依頼って、かなり難しく無いですか? ゾンビがいるんですよね……」
ゾンビは下から2番目に強い魔物の一つだ。
「ええ、昼間は大丈夫ですよ。夜になるとゾンビが生まれ始め、最悪大量発生してこの街を滅ぼしますが、それでも夜の間にしか起きません。ゾンビは日の光にとても弱いので」
「じゃあ受けます」
「では、地図をお渡ししますね」
受付の人が奥に行ってしまう。
『ねえアラン。奇遇じゃ無い? 死者を操れるって分かった次の日に、死者だらけのところに行けるなんて』
「うん。とても奇遇で、何か大ごとに巻き込まれそうな予感しかしないよ」
「お待たせしました、こちらの東の墓地になります。夕方になったらすぐに帰って来ることをお勧めいたします。では、気をつけて」
笑顔で送り出された。こういう時こそ大きな事件に巻き込まれるのだ。
「本当に嫌な予感しかしない……」
呟きながら、アランとティビアは墓地へ向かった。
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