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帰りたかった未来  作者: 三條 凛花
本編
15/27

14.部屋との戦い(4)

 午後は片づけの続きを行うことにした。

 私はどうにも昼食後の時間帯が苦手だ。ついごろごろしたくなってしまう。でも、昼寝をすると、アラームを設定しておいてもすぐには目覚められず、暗くなるまで眠ってしまう。すると頭痛がしてきて、夜の時間もまた無駄にしてしまうのだ。

 だから、眠らないように過ごすために、午後には身体を動かす作業を入れることにしている。


 あの部屋との戦いなどは、午後の過ごし方にもってこいだ。私はまた顔周りのおくれ毛をすべて結わえるようにしておだんごにまとめ、マスクと眼鏡を装着した。

 部屋に行く前に、昨日、捨てるものとして用意したダンボールたちの分別を行っておいた。資源ごみの雑誌や本や紙類は、ビニールひもで束ねる。捨て方がわからなかったものは、母から分別についての冊子をもらって、一つひとつ仕分けをしていった。また、今後も出てきそうなごみ――たとえばCDなど――については、分別方法をノートにメモしておいた。



 床はひと通り片づいたので、次は箪笥の中身に着手する。どうしてここを選んだかというと、この時代の衣類に愛着がなく、おそらくほとんど捨てるので迷わずにすむだろう……という考えからだ。本格的な片づけには、スピード感が大切だ。やる気が保つ間に急いで終わらせなければいけないので、優先順位の高いところのほか、簡単そうなところから取り組むのもいい方法だ。


 物心ついたころからある、自分用の大きな箪笥は、幼児だった私が貼りつけたたくさんのキャラクターシールに彩られていた。この箪笥は処分すると決めている。畳む作業がどうしても苦手だからだ。クローゼットをきれいにして、服はすべてそこにかけるつもりだ。


 記憶が正しければ、クローゼットの中には衣装ケースがいくつも入っていて、確かその中にはおもちゃやら何やらを無造作に詰め込んでいるはずだ。そして、入り切らないものはすべてその上に積み上げている。それらをすっきりとさせて、最低限の収納だけを残すつもりでいる。


 6畳の部屋をぐるりと見渡してみる。ベッド、学習机、大きな本棚、箪笥、3段の収納ケースが隙間なく並んでいて、とても狭い。こうした家具類は最終的にはほとんど処分してしまおうと思っている。最終的にはベッドと小さなソファ、ローテーブル、そしてできればドレッサーの4つだけを置けるように改造したい。少しでも部屋を広くゆったりとさせつつ、くつろげるようにしたいからだ。

 ただ、買い替えが必要だから家族の反対が懸念事項だ。



 箪笥の中身は、やはり、ほとんど捨てた。この時代の流行りはわからないけれど、少なくとも高校入学以前に選んだ服が洒落たものではないことは確かだ。着たいとは思えなかったので、資源ごみ用のボックスにどんどん放っていった。


「何をしてるの!」


 祖母の怒声が響いた。

くり返し捨てるものは、ノートに分別方法をメモしておくと調べ直すときに楽になります。四国は東京と分別方法がかなり違うので、そのうち書いたメモを作り直そうと思っています。

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