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「桜さん、ごめん。

起こしちゃった?」


「……ぅ。」


「心配しないで。

綺麗だなと思って眺めてたの。」


「嘘!

昨日、桜寝起きで顔浮腫んでるし、お風呂入れてないから臭いし。」


「お風呂は、その怪我じゃ仕方ないよ。

それに僕のこと警戒しててお風呂どころじゃなかったじゃん。」


「桜、お風呂入る!

借りてもいい?」


「いいよ。

でも待って。


包帯外して、テープで傷全体を覆おう。

テープが剥がれやすくなって、引きつれちゃったりすると大変だ。


ゆっくり剥がすからね。」


「うん。」



「うーん、これでいいと思うけど、きっちり縫ってる訳じゃないから、気をつけてね。

こんなに深い傷だと深い場所もちゃんと繋がるように深くまで針を刺して縫うか、一度皮膚の中で縫合するんだけど、今はそれも出来ないから。」


「うん。」


「タオル出すから使っていいよ。

あと洗濯機も使っていいから。

洗剤はその辺にあるよ。


化粧水はメンズ用のだけど洗面所に出てるから。」


「ありがとう。」


「桜さんがお風呂に入ってる間に化粧水とロキソニン買ってくるよ。

随分腫れてるけど、痛くない?」


「痛い。」


「炎症止めってどうやったら貰えるんだろうな?

抗生剤だもんな。」


「大丈夫。

我慢するから。」


「まじめに言うけど、病院だけは行っておいた方がいいと思う。

化膿したら大変だ。

抗生剤が要るんだ。」


「でも、ここの住所特定されたくない。」


「じゃあ、県外の病院に行こうよ。

新幹線で。」


「……、ぅん。」


「住民票あるなら、使えるな。

全額負担なら身分証明のみで治療が受けられる病院もある。


何か聞かれたら、近くの大学に通っていて住民票を地元から移してないと言うんだ。

そして、保険証は紛失して父親の会社で再発行中。

これで、暫くその病院に通うことができる。」


「わかった。」


「だけど何度も通って顔を覚えられるより、なるべく陰を薄くしといた方がいい。

できる限り長めの日数分、抗生剤は貰おう。


なんて言えばいいかな?

この傷で通うのは病院の待ち時間が辛いので家で寝てたいでいいか。

苦しいけどもうなんでもいいや。」


「うん。」


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