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ワールドリベレイター〜それぞれの物語〜  作者: 炎真(souta)
東京編
2/2

日常に戦いは付き物。

色々ややこしいかもです。


世界=能力の事です。


そういう事でどうぞ。


2031年7月27日午後、戦闘科部署内。


現在部署内では、とんでもない量の書類が至る所に積まれ、戦闘科で働く生徒達は、バタバタと書類仕事をこなしていた。


そんな中、俺の目の前の机に堂々と足を置き、椅子にもたれ寝こけている奴が一人。


「おい壊斗。何寝てんだ、書類を進めろ」


「んぁ?そんなめんどくせぇ事誰がやるかよ、、お休み、、」


顔に雑誌を乗っけながら寝ているコイツの名前は破間 壊斗。


この防衛都市東京の中で最も強い、いわば最強の能力者なのだが、戦闘に出れば余計な物まで壊し、挙句この有様である。


「誰のせいでこんな書類を書く事になったと思ってやがる!良いから起きて仕事しやがれぇぇ!!」


俺は強引に壊斗の椅子を蹴り上げ倒した。


「いてぇな、、分かったよ、やりゃあいいんだろ?クソめんどくせぇ、、」


よいしょと、と立ち上がり、さっきまで足置き場になっていた机の上に、書類を広げ始めた。


「はぁ、、俺も続き書くか、、」


一度伸びをして椅子に座りなおした、直後だった。


ウィン!ウィン!


『インベーダー襲来、戦闘科の皆さんは直ちに戦闘準備を始めて下さい、繰り返します』


敵を知らせるサイレンが鳴り響いた。


「うっしゃぁぁ!!キタキタキタァ!ストレス発散してヤルゼェェ!!」


壊斗はそう叫ぶと、一目散に駆けて行った。


「ちょっ、おい!壊斗!ちっ、また勝手に行きやがって、、」


俺も急いで武器を持ち、壊斗の後を追った。


これが、この問題児とパートナーになってしまった運の無い男 時雨 皐月の残念な物語の始まりである。


× × ×


「はぁ、はぁ、、やっと、追いついた、、」


俺は呼吸を整えて戦況を確認する。


「、、はぁ、、またか!」


先に来ていた壊斗は、指令を受ける前に既にドンパチ敵とやり合っていた。


「、、良い加減にしてくれ、、また書類が増える、、」


破間壊斗、東京ランキング1位にして、戦闘科最強の問題児。


能力は「爆破」〈憤怒〉の二つ名を持つ解放者リベレイターであり、俺のパートナーでもある。


現在壊斗は敵めがけて無差別に爆発を起こし、拠点がそれは無残な姿へと変えられていた。


壊斗が戦闘に行くたびに拠点を修復し、戦闘科の部署には始末書等の書類が次々と増え、今では戦闘科にいる人全員で書類を片付ける羽目になっている。


正直言って、もう戦闘科から抜けたい。


いくら優秀な人材が集められ、優遇される立場だったとしても、今のままでは死んでしまう。主に精神が。


まぁ、こんな事言っている間も壊斗の爆破は続いているわけで、最強のアイツには誰も手出しができないので、もう放し飼い状態である。


もうやだ、誰か俺とパートナー代わってくれ、、


「はぁ、、まぁいいや、仕事しよう」


俺は、壊斗が残した雑魚インベーダーを愛銃“シュバルツ“で次々と撃ち落として行く。


他の生徒も集まり、援護射撃を送る。


こんな戦争が毎日毎日繰り返し起こっている。


世界一平和な国だった日本は変わってしまった。


あの日を境に、この日本は、壊れてしまった。


× × ×


2020年2月22日午前二時二十二分。


やつらはなんの前触れもなく突然現れ、日本を火の海に染めた。


当時の状況を一言で表すなら、それは“地獄”。


建物は倒壊し、地面は割れ、人々は次々と生き絶え肉片になる。


そんな地獄を俺は、俺達“眠りし神子達“(ロストチルドレン)は生き抜いた。


自分が何で生きているのか、どうやって生き抜いたのか、記憶が朧げで憶えていない。


だが俺達は、代わりに強力な能力を得た。


失われし記憶”(ロストメモリー)と言う、別世界の住人の記憶を。


これが、新世代の始まりである、、


× × ×


「疲れた、、」


あれから小一時間ほど雑魚の相手をし、壊れた建物の修復を手伝い今に至る。


まじ疲れた、、


空にあった夕日はもうちょっとで沈むというのに、俺の仕事は終わりが見えない。


「いや〜スッキリしたぜ!」


元凶である壊斗は笑顔を見せながら上機嫌に助手席に座っている。


「スッキリしたぜじゃねぇんだよ。お前の小遣いから労働費引いとくからな」


ウィンカーを上げながら壊斗に言うが、本人は飄々とした態度であしらってくる。


「へいへい。今日の晩飯どうする?」


「本当いい性格してるよお前、、」


そんな皮肉を垂れながら、行きつけの店へと車を走らせた。


俺とこいつの出会いは変だった。


戦闘科配属が決まった日、俺はテンションがかつてないほど上がっていた。


そりゃ当然だ。給料良いし労働も基本的に 戦闘以外に無いし、何よりマンションに住める。


そんな、優良物件に配属が決まったのだ、上がらない方がどうかしている。


そして初出勤という大事な日に、俺は飢え死にしそうになっている人物を見つけた。見つけてしまったのだ。


まぁ、案の定それが壊斗で、近くの定食屋へと連れて行き、チキン南蛮定食を奢った。


これが最初の出会いだったのだが、何とも奇妙な出会い方だ。


その時の俺はこんな問題児だと思ってなかったので、壊斗からパートナー申請をされた時快く受け入れてしまった。


こんな奴だと知っていれば、色々と手はあったものを、、まぁ、全ては後の祭りでなったものはしょうがないのだが。


そんなこんなで過去を振り返っていると、行きつけの店、俺がチキン南蛮定食を壊斗に奢った店へと到着した。


「う〜し、着いたぁ!早速行くか」


「はぁ、、五百円以内に納めろよ。今月厳しいんだからな」


はいはい、と言って壊斗は店の中へと入っていった。


俺は車を止めてから壊斗に続くように入店する。


「おばちゃんいつもの〜!」


「、、お前注文するのはぇよ」


店の入り口から向かって左にあるテーブル席へと腰掛け、注文をした。


しばらく待っていると、注文した品が届き、俺達は黙々と食べ始めた。


こういう日常が日々続いていけば良いと、常々思っているが。


現実は甘くなく、戦闘は唐突にやって来る。


ウィン!ウィン!


『インベーダー襲来!戦闘科の皆さんは、直ちに西ゲート前まで移動してください!市民の皆さんは、東シェルターまで、、』


「ふ〜、、食った食った。さてと、食後の運動だ!」


「ちょっ、待って、、俺まだ食い終わってな」

「行くぜ!!」


「お、おい!くそっ、、おばちゃんは早く逃げて下さい。はぁ、、何で今日はこんなについてねぇんだよ、、」


俺は食べかけのラーメンを置き、小銭を置いて店を出た。


既に外には壊斗の姿は無かった。


「あいつ走って行ったのかよ、、」


車に乗り込み、俺も後を追う為ギアを“Pegasus“に変えた。


ーーーーーー説明しよう。


この車は、特殊立体機動兵器という、簡単に言って仕舞えばトランスフォームして陸海空と用途に応じて形状を変化させることができる、対インベーダー用の車なのだ。


そして、今俺が入れたギアは、空中戦に特化したモード。通称Pegasus。


その名の通り、天馬のように空をかけるモードである。


他にも、海中戦を得意としたNeptuneや、陸戦を得意としたunicornがあるが、まぁ後々紹介して行くとしよう。


ーーーーーー話は戻り、、


車がガチャガチャと音を上げ形を変える。


「飛べ、Pegasus!!」


ブルルルルルル!!


エンジン音が高らかになり、Pegasusは空へと羽ばたいた。


× × ×


「、、やっと着いた」


俺はPegasusから降り戦況を把握する。


ゲート前では後方支援班が待機をしていた。


「先輩!」


「ん?ああ、お前か、、」


突然背後から声を掛けられた。


振り返ると、俺の後輩の玉置 稔が息を切らしながら走ってきた。


「なんだよお前、そんな息切らして。なんかあったのか?」


「はぁ、はぁ、、先輩大変です!レベル4のインベーダーがゲートを通過して来ました!」


ーーーーーー説明しよう


インベーダーには危険度に応じてレベルが設定されている。


下から1 2 3 4 5と上に上がっていくに連れ危険度は増していくのである。


ーーーーーー話は戻り、、


「レベル4か、、全員に急いで伝えて来い。今すぐ迎撃準備を開始しろと」


「はい!先輩は、、」


「俺は前線へ上がる。指揮権をお前に変更するから、頑張ってくれ。じゃっ」


「え!ちょっと、待って下さいよー!!」


俺はそれだけ伝えると、急いでPegasusに乗り込み、前線へと向かった。


前線へ到着した時には、すぐそこまでインベーダーが迫っていた。


「皐月、なんでお前がここにいんだよ」


「うるせぇよ。お前一人じゃ無理だろうから来てやったんだろうが。感謝しろ」


一人インベーダーの大群へと突っ込み、手当たり次第に爆破していた壊斗を引き摺り下ろし、作戦を立てようとしたが、「俺は好きなようにやりてぇんだよ!」とキレられ、再び壊斗は敵の中へと入っていった。


「くそっ、、しゃあねぇ、、」


俺は愛銃“シュバルツを背負い、“世界を発動”する。


「“世界的消失”《Lost World》」


刹那、全てが無に包まれていく。


「極力使いたくないんだが、、」


全てが無になった世界に、俺は“獲物”だけを現界させる。


「おお、来た来た。後は、、シュバルツ、頼んだぜ」


背負っていた愛銃をてきとうな所で構える。


スコープで覗く必要もない、必ず当たる世界。


外れるという概念を消去した世界。


それが、俺の、、“絶対的消失世界”《Absolute Lost World》、、


バン!バン!


次々と獲物を撃ち落としていく。


「後はあのデカブツだけだな、、」


あらかた雑魚を倒し、最後に残ったレベル4インベーダーに銃口を向ける。


「悪りぃな壊斗。こいつは俺が貰う!」


引き金を引こうとした瞬間、ものすごい爆音と共に、俺の世界は壊れた。


「なっ!」


「何お前だけ楽しんでんだゴラァァァァアア!!」


元に戻った世界で、空を見上げると、そこには爆風を利用し飛んでいる壊斗がいた。


「何してくれてんだよ。後ちょっとで終わったのに、、」


軽く舌打ちをしながら、俺はその場から離れる。


「じゃ、後任せたわ」


「へっ!最初からそのつもりダァァアアア!!」


壊斗は世界を発動させる。


無限に爆弾を奉納した世界を作る、最強で最恐の世界。


“無限的爆裂世界”《Unlimited Explosion World》


「オラァァァァァアアア!!」


無数に広がった爆弾は、レベル4インベーダーを包み込み、どでかい花火になりやがて跡形も無く消え去った。


「、、熱っ、、」


やり過ぎだ、、


壊斗の世界のせいで、インベーダーだけでなく、周りの防壁までもが粉々に砕け散り、もはや原形をとどめてはいなかった。


また始末書書かなきゃいけねぇのかよ、、嫌だ、休みたい、、


「いや〜爽快爽快♪」


当の本人は清々しい笑顔でこちらに歩いて来た。


「、、はぁ、、」


この後始末の事を考えると胃が痛くなる。


だが、これが俺の。


戦争の時代に生きている俺達の、日常なのである。


つまり、日常に戦いは付き物。




初めてバトル物に手を出してみました。


次話の投稿は未定です。


それでは次がある事を願ってさようなら。

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