レベル8
バカが吠えている。
立ち尽くす先に、人集りが出来て城壁に向かって
罵声を浴びせ掛けていた。
此処は村かから離れた。
国の首都に当たる地域に成るが、今にも小競り合いが
起きようとしていた。
「馬鹿野郎〜!!」
「出て来い!!」
「助けて!!」
聞こえて来る内容は、様々である。
何故こうなったかは解らないが、最早手遅れの様相を
呈している。
情報が欲しいが、先程この地に着いたばかりで
全く検討が着かない。
道中何度か、キャラバン、商人などとすれ違い。
お互いに情報交換をして居た。
当然、国の内情なども交換の内に入る。
誰しも危険の在る場所になど、足を運びたいとは思わない。
例外は何処にもいるが、自分達では無い。
村から此処に来る為に、商人の護衛として来たが、肝心の商人は顔を
真っ青にさせていた。
内心で舌打ちして仕舞うが、そうも言って居られ無い感じだ。
満を持して声を掛けると、商人は消えそうな声で指示をだす。
来た道を引き返すみたいだ。
この状況では、其しかないと言った所か、荷馬車を方向転換し脱兎の如く
走り出した。
荷台から城門を見える位置に来て、目に飛び込んで来たのが、魔物の襲撃だ。
圧巻の様相を呈している。
来る途中は、全くと言って良いほど静けさを保って居ただけに
戦慄を禁じ得ない。
何処から来たのだろうか?
城壁からの反撃が始まると同時に、城門から騎馬隊と歩兵隊が飛び出して来た。
必死の巻き返しをみせ始めたが兎に角数が多い、街中では冒険者や人々が所々
戦っているのが見えた。
「出たぞ~!!」
「囲め~!!」
荷馬車から観て居ると、前方の方が騒がしい。
どうやら魔物が出たみたいだ。離れた位置だが準備を整える。
数は30程、オークとゴブリンだと伝わって来た。
雇い主に目配りをして、荷馬車から躍り出る。
駆け付けると、逃げ出した兵士と冒険者が入り乱れていた。
直様剣を片手に足元を斬り付けて、魔物の戦闘意欲を奪っていく。
横槍を入れる形になったが、お陰で瞬く間に片が尽き、俺は取る物も取り敢えず。
這々の体で、その場を後にした。
目立ち過ぎた。
兵士や冒険者は当然として、一般人にまで好奇の目でみられて仕舞った。
中身はおっさんだが、見た目は子供当たり前の結果ともいえた。
荷馬車に飛び乗り、程なく動き出した。
人々が逃げ出す進路は様々で、彼方此方で大小の戦闘が繰り広げられ
魔物や人が倒れている。
商人が手綱をひく荷馬車は辺りの事は目に映って居ない。
ドンドンきた道をひた走って居る。
ジョジョに魔物も減ってきた。
人も減ったが・・。
山は越えたと思いたい。
【シューベスター城】では直ぐさま引き返して、得る物が無かった。
山の麓が近付くに連れて、先程迄の戦火を思い
かの人々に、幸多からん事を想う。
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後に聞いた話では、【シューベスター城】は落ちて
王さまとお妃さまは亡くなり、姫君が比翔の翼と呼ばれる騎士団と
逃げ落ちたらしい。