レベル3
日が登り始め、今日も変わらない一日が始まる。
「ねね、今日は何して遊ぶ?」
「そうだな、やっぱ冒険者ゴッコか?」
「え〜〜 前も、冒険者ゴッコだったじゃないの?」
「じゃあ、リリーは何がいいんだ?」
「そうね〜、久しぶりに、釣り何てどうかしら?」
「・・・・」
「アルトが獲った魚を食べたいわ!」
「リリーは渋いな〜。アルトもそう思わないか?」
「はは、僕も久しぶりに魚を食べたいよ。」
「何だよ、アルトもリリーの肩を持つのかよ・・。」
「決まりね!!いくわよ。」
ゾロゾロと、近場の川辺に向かい、サッサと準備を整えてアルトと
ダンは釣りを始めた。
リリーは、そんな2人をみながらも、焚き木の準備に取り掛かった。
今日は、久しぶりに晴れて、ポカポカ陽気になった。
僕は、今まで溜まった気持ちを込めて竿を振る。
竿を持ちながらダンを探すと、少し離れた場所で、何やら
独り言を言いながら、餌をつけて居る姿がみえた。
リリーは、枝を拾いながらチラチラ此方を視ては、目が逢うと
手を振ってくる。
水面をみながらも、そんな二人をみて苦笑する。
あたりは、未だに来ないが前世でも釣りをして居た。
そんな記憶も、遠〜い昔の其として楽しむ事にする。
程なく、ピクピクとあたりが来るが、此処は焦らない。
確りと仕掛けに食い付くまでの辛抱だ!!
焦る気持ちを抑え、糸が大きく沈み込んだ瞬間に、竿をあわせて手繰り寄せる。
ピシャと、水面上を魚が跳ねるが、御構い無しでいっきにごぼう抜き。
少しばかり呆気ないが、初物が釣れた。
満足顔で居ると、リリーが駆け寄って魚を引っ手繰って行った。
ボーゼンと立ち竦むのを他所に、リリーは手際良く枯れ技に火を付けて
魚をあぶり出した。
離れて居たダンは、その光景を視て居たのか、腹を抱えて笑い転げている。
僕は苦笑するも、気持ちを切り替えて竿をふる。
「ポチャポチャッ」
同じように水面を視ていると、ダンが魚を釣り上げたみたいだ。
又もや、リリーが素早く駆け寄り魚を回収して行くのが見えた。
こんな、日も悪くないなと、思って居ると。
早くもあたりがきた。
その後、何度も釣り上げる事になり、キリの良いところで
終わらせ、焼き魚を3人で手分けして平らげる。
焚き木を砂で消し終え、リリー、ダン、アルト3人は
久し振りの焼き魚で、ご満悦の笑みを浮かべる事になり、1日を終えた。