レベル2
今日は、宿屋の娘であるリリーと、鍛冶屋の息子であるダン、そして僕とで
遊ぶ事になる。
「今日は何して遊ぶ?」
「リリー、今日は釣りでもしょー」
「・・・・・」
「アルトは何がいい?」
「俺を無視するなー!」
「何でもいい」
「・・・・」
「じゃあ冒険者ゴッコにしましょうか?」
「リリー、又かよ前も冒険者ゴッコだったろ」
「良いじゃない! アルトも良い?」
「ああ、良いよ」
「ちぇ、アルトはリリーに甘いからな〜」
「ダン! 何時迄もボヤくな! 男の子でしょ!」
「其々用意して、集合するわ」
「〈〈ok〜〉〉」
間も無く準備を済ませて宿屋の裏に集まった。
「ダン、遅いわよ」
「はは、ゴメン〜」
「そろったわね、それじゃあ行くわよ」
「〈〈お〜〜〜〉〉」
ぞろぞろと村を出て、何時もの場所を目指して程なく到着した。
「さー、2人とも冒険者らしく森を目指すわよね!?」
「〈〈!!〉〉」
「リリー!!、聞いてないぞ、危ないじゃ無いか!!」
「グタグタ言わない!!」
「アルト、ダン、行くわよ」
「あ〜あ、怒られても知らないぞ!!」
「まあ、アルトも居るし安心か?」
「其れにしても、特に何も出ないな其れなりの距離を歩いたと思うけど」
「そうね、仕方ない薬草でも見付けて帰りましょうか」
「リリー、彼処其れなりの量が生えてるよ」
「え〜何処?」
「ほら彼処だよ」
「あ〜、本当だ!、流石アルトね!!」
「ダンも見習い為さいよね!!」
「か〜、いちいち五月蝿いよ!!」
「サッサと回収して帰ろうぜ、アルト!!」
「2人とも手分けして回収するわよ」
「〈〈ok〉〉」
リリーとダンは、此処ぞ秤先を争って向かって行った。
僕もうかうかして居られない、怠けて居ると後が五月蝿い。〔リリーが〕
そんな、2人の後を追って僕も駆け出した。
「ガサガサ」
「アルト、ダン、呼んだ?」
「え〜、俺は呼ないぞ!!」
「僕も呼ばないよ」
「??」
「おかしいわね、確かに呼んだと思ったのに?」
リリーは首を可愛く傾けながら作業に戻って行くが、僕も確かに誰かが呼んだ
気がする。僕だけが聴こえた訳じゃ無い・・!?
「リリー、ダン!!」
「直ぐに、此処を・・!!」
「ガサガサ」
僕が声をかける寄りも早くに其れは現れた。
ゴブリン3匹、粗末な布を腰に巻き、手にボロの短剣を持っている。
呆気に取られる2人を尻目に駆けだす。
ゴブリンは、2人に注意が向いて居るスキに、横を駆け抜け斬り付ける。
鈍い手応えで手前に居たゴブリンを倒す。
次も同じ様に斬り付けた。
流石に3匹目は此方に気が付くが、僕はお構い無しに短剣を振り抜いた。
受け流そうとするゴブリンだったが、其れよりも早く
剣がゴブリンの頭上をとらえた。
ゴブリンが、死んで居るのを確認して2人を見ると
これでもかと目を開いて見て居た。
「ど、どうしたの2人とも・・」
アルトが強いとは思って居たけど此処まで凄いとはね・・。
「うん・・〈〈ダイジョブ!!〉〉」
「そう? ちょっと待ってね」
アルトは、2人に声をかけて、ゴブリンに剣を突き刺し魔石を
取り出しにかかった。
この世界、【アルニファール】には魔石があり。
冒険者は、魔物の魔石と部位などを、取り引きする事で成り立っていた。
アルトは、素早く剣で魔石を取り出して2人に声をかけた。
本来なら、ゴブリンの耳をギルドに持ち込むと、少しばかりの報償などでる。
しかし、ギルドに登録はして居ない為に、その行為は無駄になる。
又ゴブリンの部位に至っては、価値がない為、ゴブリンからは魔石を
取り出すだけで終わった。
「さて、此れからどうする?」
「そうね。ちょっと早いけど帰ろっか?」
「だな、リリー提案に賛成だわ」
「そうだね、此処に居たら、ゴブリンに襲われないし」
意見が一致した事で、今日は村へと帰る、問題も無く村に帰り解散と為った。
家に入り、保存して置いた食事を机に並べて夕食を楽しむ。
その後、皆で集めた薬草を取り出して、日課&小銭稼ぎである薬を作り始める。
ゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリ
ゴリゴリゴリゴリゴリゴリ
ゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリ
ゴリゴリゴリゴリゴリゴリ
「ふー。こんなもんか?」
【回復薬】品質 低
出来た【回復薬】20個ほど、集めた時間を考えると
まずまずの成果と考える。
早速【回復薬】をネルさんの店に納品する。
大した額には成らないが、生活をしていくには文句は言えない。
今日も色々あったが、ネルさんとの会話も程々に家に帰って休みについた。