レベル16
バカが居る。
何処にもいそうだ。
在り来たりではあるが、鬱陶しいの一言に尽きる。
バカは死ななければ治らない。
眼前での出来事は、冒険者がオーガと殺りあっている風景だ。
無謀にも程がある。
今もオーガから振り降ろされた一撃で、数人が吹き飛んでいた。
満身創痍の一言に尽きる。
其れに比べ、オーガは所々傷を負っては居るが、気力と体力は
尽きそうに無い。
迷って仕舞う、助けに入るか見捨てるか、俺が助けに入っても
逃げ出す機会を少し見出す程度だろう。
あのパーティは、未だやり合う積もりらしい、何処からあの自信が
来て居るのか?
オーガを少しでも知って居ると、とてもじゃないが殺り合う気に
慣れない。
力と体力は人間の其れとは違う。
上級の冒険者であれば、話は変わって来るのだが、冷たいと言われて
仕舞うかもしれないが、今の俺では観て居る他ない。
しばらく為ると、静かになった。
戦闘が終わりオーガの勝利みたいだ。
倒した冒険者を食べ始めた。
とてもじゃないが、観て居られないのでここ位らで退散する。
南無妙法蓮華経?南無妙法蓮華経?
南無阿弥陀仏?南無阿弥陀仏?
此方に気付いて居るかもしれ無いが、興味がない様子。
サッサと退散するのが良い。
▱▱▱▱▱▱▱▱
今日は村から1城ほど歩いて〔1城は1週間程です〕
【ロッサムール高原】来ている。
目的は、来来草と凛凛草を手に入れるためだ。
来来草は香辛料になり。
凛凛草は香水になる。
日用品の為、それなりに需要がある。
いま又、来来草を見付けた。
少し眠たくなって来た・・。
いや、目が覚める思いでやらなくては仕事だ・・。
普段の生活とは言っても、毎日だとルーチンワークに成りがちで
モチベーションが上がらない・・・・。
愚痴を言っても、改善為れるわけでも無いがな。
そろそろ腹が減ってきたので、食事にする。
以前倒したドバッローの肉を焼いて作った。
ま〜あ、塩と香辛料のサッパリした味になった。
肉は鯨の肉に近いて・・。〔余りうまくない〕
村の近くでは、滅多に取れない野菜〔草〕を交互に絡めて
口に運ぶ。
「ザッ〜〜」 「ザッ〜〜」 「ザッ〜〜」
最近は風もキツく成り、暑い時期が終ろうとしている。
立ち草が生え並ぶ一帯の一ヶ所だけにある礎、ここから観える
景色が草を波打つ。
古き良き時代も今は遠い昔、礎に刻まれた跡だけが今に伝える
魂か。
時代を創る、其の為に古き時代を壊す。
創生と破壊の終焉は・・・・。
・・・・食欲が萎えてきた、程々に作業を再開する。
気分を替えて鼻歌交じりに再開だ。
来来草を摘んで。
「サグッッッッ」〔緑狼を狩る〜♪〕
凛凛草を摘んで。
「クィィシュュュ」〔茶狼を狩る〜♪〕
来来草を摘んで。
「キャンン」〔銀狼を狩る〜♪お?〕
凛凛草を摘んで。
「ビィィギャ」〔ゴブリンを狩る〜♪ん?〕
悶悶草を摘んで。〔おぉぉ〜♪♪!?〕
「ブビュュッッ」〔オークを狩る〜♪〕
うん、充実した。
更にアルトの鼻歌交じりは、風に揺られては
消えては草原を波打ち響き渡る。
「ピューー」 「ピューー」 「ピューー」
「ピューー」 「ピューー」
「ピューー」