レベル1
ここは、有る森の中・・・・
凄まじい罵声と轟音が鳴り響いく、余りの怖さに膝を抱えて荷台の片隅で震えて
いる。
しばらく為ると、騒ぎが収まり森の静けさを取り戻す。
商隊として、国や街を旅する何処にでも居る一団。
度々、盗賊や山賊に狙われる事もある。
そんな、日々の出来事に過ぎないが、静まり返ったまま何時迄も人の気配は
しない。
余りに、耐えかねたアルトは、親の言いつけを無視して荷台の上から降りて辺りを
見渡す。
其処には、矢に射たれて倒れて居た父が居た・・・。
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あの出来事から、10日たち宿屋のベットに横になっている。
運良く、近くの村人に助けられて、現在に至った訳だが放心状態の僕は、村人にただ
返事を繰り返すばかりで後先を考えていなかった。
商隊の生き残りはただ一人、ほとんどの荷物を売り払い、魔法の袋と金貨が手元に残
った。
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其れから、更に10年の歳月が流れてある街の近くに有る森の中、せっせと薬草を集
め周っている。
生活は苦しく無いが、何もしないで居るほど苦しい事はない、暇があれば薬草を集
めて【錬金術】でポーションを作っている。
更に住み込みで、鍛冶屋のサーシャさんの家でお世話になっていて、理由を付けて
手伝い【鍛冶屋】スキルも手にいれている。
所で話は変わるが、俺は転生者で日本人だったらしい、世にゆう〔テンプレ〕って
やつだ。
ちなみにステータスは次のようになっている。
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アルト
レベル 1
加護 ------
称号 ------
種族 人族
年齢 14
職業 鍛冶屋(見習い)
出身 ロードスター
ジョブ ------
DP 12 〔ディスカバリーポイント、0になって致命傷を受けると死ぬょ〕
GP 3 〔グレートポイント、0になると魔法の類いが使えなくなるょ〕
体力 18
腕力 13
器用 6
敏捷 8
魔力 5
知力 9
運 20
アクティブスキル
【錬金術】 レベル 1
【鍛冶屋】 レベル 1
パッシブスキル
【鑑定】 レベル 1
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日が沈み始めたので町に帰る事にする。
辺りを警戒しながら草を掻き分けて進むと、ホーンラビットが1匹で草を食べ
ていた。
普段は、三位一体で行動する魔物だが、1匹なら何とか戦えると思い剣を片手に
走り出す。
直ぐに、ホーンラビットは此方に気付き動き出した。
俺は構わず剣を振り下ろす。
あっさり交わされてしまい、先制攻撃のメリットは無くなり多少傷っくが、
次々と剣を振り下ろす。
中々致命傷を与える事が出来ないが、小さな傷を重ねる事でホーンラビット
の動きが散漫になり、程なくして仕留める事が出来た。
俺は、久しぶりの獲物で上機嫌で街に帰るが、街に入って程なく宿屋の娘であ
るリリーに捕まりあっさりと獲物を奪われてしまった。
リリーの言い分は、アルトは友達だよね。アルトの物は、私の物と言い
サッサと自分の家に帰って行った。
唖然としながらも、そんなリリーの後ろ姿を見詰める事しか出来なかった。
普段と変わり無い平常運転だ。