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転校したら、首位のチームに入れられました(ただし嫌われ者の集まりです)  作者: サエトミユウ
3章 ナンバー99は語る

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第58話 作戦決行 ①

 シャム・シェパード迎撃および捕獲作戦は、単純明快だ。

 獲物を、逃亡できそうな気にさせつつクロウのもとまで誘導し、クロウが捕まえ、ブレインから情報を抜き取る。シャム・シェパードのブレインにウイルスを注入してクロウが制御出来るようにするのが最善だ。

 防御壁が突破出来ず、シャム・シェパードが死亡するのが最悪の失敗、次点でシャム・シェパードに逃げられる。

「生きていればどうとでも処理できる。難易度は上がるがな」

 と、クロウが言い切った。


 さっそくアッシュに通話が入った。

 震え、心細そうなシャム・シェパードの声。

 アッシュは、この声を聴くのも最後か、演技でない〝彼女〟はどんな声なのだろうと考え、思わず微笑む。

「もちろん、いつでもいいよ。こっちはいつでも君の問題を受け止める準備が出来ている」

 アッシュは優しげで包容力のある声でシャム・シェパードに返した。


 事件後、放課後の課外活動は禁止になりすぐに帰宅するよう命令が出ていた。いや、アッシュがそう指示した。

 調査官を使い、見回りをさせ、校舎に残っている生徒を帰宅させている。

 教官も、生徒がいないため早々に帰宅して学園にはほとんど人がいない。監視モニターには、アッシュたちの姿が映らないようにクロウが処理していた。


『――こちらナンバー9。ターゲットがA地点玄関を通過したことを確認。玄関を封鎖する』

 物陰に潜んでいたリバーが、登校してきたシャム・シェパードを見て専用回線で伝えると、扉を閉め、鍵をかける。

『こちらナンバー29。ターゲットがB地点廊下を通過したことを確認。進入禁止のテープで塞ぐ』

 廊下の曲がり角に潜んでいたキースが『進入禁止』と書かれたテープを廊下の壁から反対側の壁に横切るように貼る。

『こちらナンバー19。ターゲットがC地点教室に入るのを確認。こちら側も塞ぐわ』

 キースとは反対方向の廊下に潜んでいたジェシカが、荷物を積み、さらにテープを張り巡らせた。


 これで、他の一般人の進入を防ぎ、かつ逃走を誘導できる。

 窓のガラスをぶち破って逃走されるとおしまいだが、そこは、リバー、キース、ジェシカが防ぐ。最終的には睨み合いの末、身体能力に問題があると思わせているクロウを人質にとって逃走手段を確保する、という方向へ誘導しなくてはならない。

 ジェシカは本ッ当に嫌だったのだが、クロウがそれがベストだと言って聞かなかったので折れたのだった。


 気を揉みながら待機していると、いつの間にかアッシュが現れ、ジェシカの頭をポンと叩いた。

「俺も嫌だから気持ちはわかるよ。……だから、ベストを尽くそう」

 この場合のベストは、出来る限りクロウの思い描く通りに誘導すること。

「…………ラジャー」

 しぶしぶと言った感じで返すジェシカを見て声を立てず笑うと、アッシュは教室へ入っていった。


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