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エッセイまとめ

明け方、仄暗い部屋の中で見る心霊動画が最高にイイ季節になった

作者: よもぎ

恐怖とじめっとした空気は最高のマリアージュをすると思う。

しかし暑すぎてもじめじめし過ぎていても問題で、だから梅雨入りしてんだかしてないんだか半端な、今の時期こそが最高に相応しいと個人的には思っている。

もちろん真夏の夜に見る心霊動画は最高に楽しい。

静かに、しかし狂気的にしつこく残る暑さを強制的にクーラーで冷やしながら、麦茶を片手に見る心霊動画。よくないわけがない。


しかしながら、この時期の明け方の空気感も捨てがたいのだ。


夜に見るにはまだ湿度も熱気も足りない。

かといって昼間に見るのは興ざめというもの。

故に、明けてはいても完全に朝ではない半端な時間帯、じめりとした空気が仄かに感じられる時間帯に見るのだ。



モニターの中、見ている動画は基本的に夜から深夜に撮影されたもの。

静かな中で聞こえる、聞こえるはずのない音。

この微かな音を妨害する外からの音は明け方故に少ない。

やかましいセミの音さえもない。

己の息遣いと、動画の音声だけが聞こえるのかと言えばそうではない。

仄かに町が目覚めゆき、人の気配がする。

夜、深夜よりも少しだけ活発なようで、けれど朝、昼よりも決して騒がしくない。


そんな時間帯に見る怖いものは格別だ。



私は冬にホラーを見る時は必ず夜に見る。

冷えすぎた空気と静寂が心地いいからだ。

秋も夜にホラーを見る。

熱気を残しながらも熱された空気とりんりんと鳴く虫の音が心地いいからだ。


しかし春とも夏とも言えぬこの半端な季節だけはわざわざ休日に早起きしてまでして明け方を選ぶ。


心霊動画、ホラーは、季節と時間を選ぶ。

一番おいしいと感じられる瞬間に食べる――視聴しなくてはいけない。

それが作り手となる方々への最高のエールだと思う。



ただ部屋を暗くしただけの夜に見るのであれば、別にそれは心霊動画でなくても面白い。

また、エンタメ色の濃い心霊動画も別段どの季節のどの時間帯でも面白い。

それは恐怖を煽られることもなく、また雰囲気がどのようであれ受け入れられる、楽しめる動画であるからだ。

わんちゃんネコチャンの動画はいつ見てもわんちゃんネコチャンは可愛いままだと思う。そういうことなのだ。

しかし心霊動画には適切な時間帯が存在する。私にとっては。



具体的に言えば、オ〇マガトキFILMなどは、必ず一番怖いと思える時間帯に見る。

恐怖に全振りした動画を見るにあたって、受け取り手であるこちらの対応で、その恐怖を薄れさせるのは申し訳ない。

最高のタイミングで最高に楽しんで視聴したいのだ。


逆に、時間帯を選ばないのは元々明るい、バラエティ色の濃い人たちの心霊動画だ。例を出せばフィ〇シャーズである。

彼らの動画はいくら場所が怖かろうとも元々の明るい色が影響してバラエティの一環として視聴してしまう。

そもそも本格的、いや、専門的に扱っているチャンネルとは空気感が違うのは致し方ないことである。




例を出したことで分かってもらえるだろうか?

粘り付くような恐怖を感じられる時間帯がどの季節にもあって、その粘つきを最大限に感じたいという感情を。


心霊・オカルト動画には賞味に適した時間帯がある。

皆さまにも、最も己に適した時間帯というものを探ってもらえればと思う。

怖がりだけど視聴はしたいという方にとってはさんさんと太陽が輝く明るい昼間が適した時間帯だろう。

そういうものでいいのだ。楽しめればそれで。

しかし、時間が空いたからという適当な理由でインスタントに消費していいカテゴリではないと私は思っているので、一番「おいしい」状態で召していただきたいのだ。



皆さまが「おいしい」心霊を楽しむ時間帯を見つけられることを祈って。

でも正直オ〇マガトキは真夏のセミがミンミン鳴いてる時間帯でも十分怖い

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