表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

テンプレートらしいから略します

作者: 月島 真昼



     (略)



 というわけで俺は勇者として異世界に召喚されたらしいのであった。

 ……なんかめちゃくちゃ紆余曲折あって異世界へ招かれたというのにテンプレートらしいからという非常に納得の行かない理由で省かれてしまった。



 てゆーかなんだ? いきなり化け物に囲まれてるじゃないか。状況を把握しようと俺はあたりを見渡す。白や赤、黒、銀といった多種多様な色を持つ異形の化け物共がこちらを伺っている。俺はなんだかスゲーところに来てしまったようだ。そんな中にひどくおかしな格好をした人間が居た。どうやら襲われそうになっていたらしい。俺はおい、大丈夫か? と彼に呼び掛けた。


「〃仝々〆〇$@*&#£⊃」


 ……訳のわからない言語で返事が帰ってきた。そうだよな。冷静に考えたら異世界だもんな。言葉が通じるわけないよな。


「まっ、やってやろうじゃねぇか」


 俺は俺と共に落ちてきたと思われる銀の槍に手を伸ばした。おそらく俺を呼び出した神の用意した武器だろう。柄を握る。握り心地は最高によかった。


「はぁっ!」



 俺は先頭の魔物目掛けてそれを叩きつけた。

 ガギィンと派手な音がしてそいつは装甲ごと叩き潰れ行動不能になった。


「まだまだぁっ!」


 俺は更に次の怪物目掛けて得物を振るっていった。




     ◇


 ……そいつは俺の前にいきなり現れた。目の前の空間が光っていきなりそいつが出てきたのだ。俺は思わず腰を抜かして尻餅をついた。そのさいにカランと荷物から愛用の金属バットが転がり落ちた。

 そいつのことを詳しく書く前に俺はひどく平凡で一般的な高校球児だということを説明しておこうと思う。服装? 当然学生服だ。


 そんな俺と対照的にそいつは……、なんて言えばいいんだろうか? ドラ〇エ3の勇者の服装を完コピしていた。宝玉のついた金色の冠に少しボロの青い服。屈強そうな脹ら脛が剥き出しになった黒いズボン。


 そいつはあたりを見渡してから尻餅をついている俺に話し掛けてきた。


「ピフペパ、ピフペパピ?」


 ……いや、わかんねーよ。電波すぎるだろ、こいつ。せめてコスプレまでにしとけよ。


「お前…… なんだよ……?」


 俺と裏腹に何かに納得したらしいロトの勇者(仮)は「ピ、パピプペ」と呟くように(と俺は感じた)言った。そしておもむろに俺の金属バットを拾いあげ、


 ガギィン!


 近場にあった車に向けて振り下ろした。

 俺、唖然。


「パピパピィ!」


 ……え、なにしてんのこいつ?

 次々に路上にあったり走ってたりする車に飛び掛かる。


 俺は目の前の惨劇というか地獄絵図に呆気に取られ、へしゃげていく金属バットを見ながらこう思った。



 (以下テンプレートらしいから略します by作者)






 見てるか クレオ



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] テンプレートをここまで上手く裏手に取った作品は初めて見ました。 感銘すると同時に腹がよじれましたよ。
2010/03/18 22:44 退会済み
管理
[良い点] 後半読んで(゜д゜)ポカーンってなりました 後、タイトルがいい! [気になる点] バットで槍は無いだろ!? ってセルフ突っ込みいれて笑ってました(ぉ [一言] ただの鈍器持って暴れる野蛮人…
[一言] 気分悪くしちゃいましたか? ごめんなさい。 召還モノの感想はテンプレなんで、略しました(゜ε゜;) ふざけて書いたのですか。面白いですね。 ご苦労様でした。
2009/12/01 20:48 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ