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爆走腐男子くん番外編  作者: らんたお
1/6

こうして僕等は出会う…(栄との出会い編)

 やっと…やっと僕は……


「男子校デビュー!!」


 ひゃっほぉ~うな気持ちで雄たけびったのは不可抗力!!

 だってだって、念願の男子校だよ!? リアルBL学園なんだよ!? ふふふっ、とにやける顔が元に戻らないよ!!

 たまたま今は誰もいないからいいけど、誰かいたら確実に変人認定されたことだろうなぁ。まだ入学もしてないのに、それはさすがにキツイよね。


 本日は、入学説明会のためにBL学え……男子校に来たんだけど、やはりと言うべきか校内はとても静かだった。まぁそれもそうだろう。今日は休日だしねぇ。

 でもでも、校門前で生徒会長だって人に会ったんだよ!! 超イケメンだったよ!!

 キラキラした目で見つめていたら苦笑されてしまったけど、快活で面倒見の良さそうな人だった。

 お姉ちゃんなんて、僕の隣で出来る大人な雰囲気を醸し出しながら生徒会長さんと二言三言話してたけど、内心は絶対僕と同じ気持ちだったに間違いない!!


 その後体育館で説明を受けて、教科書やら鞄やら体操服やらを受け取った、んだけど……これがもう結構な重さで、僕もお姉ちゃんも四苦八苦することに。そこに颯爽と生徒会長さんが現れ、車まで荷物を運んでくれるってことになったのだ。

 イケメン生徒会長という、またとないネタ収しゅ……って、いやいやこれはトップシークレット!! つまり、お姉ちゃんの心のボルテージが上がっていたということですよ!!

 談笑しながらの移動中、物珍しさから辺りを見回していたら、いつの間にか二人が居なくなっていた。置いてきぼりとか酷いと一瞬思ったけど、逆に考えればこれから通うことになる学校のことを知るいい機会かもしれないと思い直すことにする。

 一人でぐるぐると校内を歩き回っているのだって、ひとえにそういうことだったわけで……け、決して迷子なわけじゃ、ないからね!?

 にしても、本当に広い。男子校なんだし、少子化の煽りで生徒数も減っているだろうにこの広大さ。維持費とか大変そう、とか現実的な感想を持ってしまう。


 なんだか、本当に迷子になりそうだなぁなんて思いながら歩いていると、曲り角で人とぶつかってしまった。前方不注意だったのは僕の方なので、すぐさま謝ったわけなんだけど、たった今ぶつかった人、なんだかとってもデカくて怖いです!!

 大きいから怖いっていうよりも、大きい上に顔が怖……いやでも、イケメン!! 目付きが悪いっていうか……いやでも、超イケメン!!

 本日二度目のイケメンとの出会いに、これはもうBでLな世界が展開する未来しか想像できなくなった!! やっぱり、この学校を選んでよかったと心の底から思う。


「お前も新入生か?」

「はい、そうです!」


 よろしくお願いしますって勢いよく頭を下げたら、目付きの悪いイケメンさんは、俺もだと仰られて……え、俺もって、何が? どう見ても年上にしか見えないのに……いや待てよ?

 何で彼は学ランを着ているんだろう? この学校、ブレザーなのに!!

 着崩した学ランからは、年季の入ったやつれ具合が所々見て取れる。おかしいな、なんでだろうと首を傾げていると。


「俺も新入生」

「嘘だ!! 15!?」


 とても15歳には見えないよぉ~!! 私服だったら、間違いなく大学生だと思っちゃうぐらい大人びてるのに!!

 まさかそんな僕の心の声が聞こえたわけではないだろうが、多分言われ慣れた言葉だったんだろう。不愉快そうに眉間に皺を寄せながらも、どこか諦めたような溜め息を吐いていた。

 しかしそれもすぐに引っ込み、上から下まで僕に視線を巡らせた後。


「お前も、中坊には見えない」


 って、たいっへん失礼なことぉ~!! 僕の場合、中坊に見えないってのは小学生にしか見えないって意味だってことぐらい知ってるよ!! 僕だって言われ慣れてるからね!!

 酷い酷い、初対面で酷いと言ったら、お前人のこと言えんのかよと呆れられた。不良な見た目して常識人な振る舞いとか、何それギャップ狙いかよ、萌えるよっと訴えたら、変なものを見るような目で見られる。


「なんだよ! オタクで悪いかぁ~!!」

「オタクってイメージじゃねぇぞお前。小動物のくせして、オタクって……お前こそギャップが激しいぞ」


 小動物ってなんだよ! 僕、リスじゃないから!! 僕を馬鹿にするな不良巨人と怒ったんだけど、お前がちっせぇだけだ、これが標準だと頭に手を乗せられ距離を取られる。

 くっそぉ~!! 手が届かないぃ~!!

 宙をかく僕の腕は、一向に彼にダメージを与えることが出来ず……体力的なダメージだけが、僕に溜まっていく。悔しいぃ~!!

 このリーチの差に、悔し涙を流させられたことは言うまでもない。


 その後、なんだかんだで仲良くなって、お互いに自己紹介したら、なんと僕等は同じクラスだったのだ!

 倉橋栄、それが彼の名前だった。

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