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青い月の下で  作者: 由起
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おしろい花②

ナオミが母と会うことで、母は中野里奈としての能力を存分に発揮し、ナオミは母と会うことで宮中のことを知ることが出来た。相乗効果だね、と王子も王も笑って言った。


ある日月の話になった。


「私がいた世界は黄色い月でもう少し大きいの。月は地球の1/4だし、これは通常の天体ではなかなか見られない大きさの衛星で…」

「お母様、月の大きさをどうして知ってるの?」

「…え…っと…どこから説明すればいいかしら…」


青い月しか知らないナオミにとって、黄色い大きい月というのは想像出来なかった。


王子との夕食後、ナオミは王子と少し庭を散歩したが、その時に青い月が満月であることに気付いた。


ふと母がこの世界に飛ばされたのがこの東棟そばの大木の幹であることを思い出し、行ってみた。


何かが揺らめいていた。

母から聞いていたバカ高いビル群…沢山の奇妙な格好をした人が歩き、長い箱のような電車というものが走っているのが見えた。


「ナオミ…あれは…」

「王子、近寄ってはいけません。あれはお母様がおられた世界です」


しばらく揺らめいていた世界はふぅっと消えた。


「あれが…義母上の世界なのか?」

「多分そうだと思います。お母様のお話通りでしたから」


ナオミは母から聞いた日本の話をした。王子は日本の話を聞き、魔法の夢の国のようだと嘆息した。


「ナオミ…この事は義母上にしない方がいいんじゃないか…」

「どうしてでしょう?」

「義母上が帰りたいと仰られたら…」

「その話をしたことがあるのですが、お母様は帰らないと仰いましたわ」

「しかし…大丈夫だろうか…」


王子は止めたが翌日ナオミは母にその話をした。


「懐かしい…」


次の満月の時に王妃は離宮へやって来た。

同じように揺らめいて日本の風景が現れた。


「…」


王妃は感無量で涙がほろほろとこぼれ落ちた。


『お父さん…お母さん』


この世界の言葉ではない言葉を王妃は発した。

近寄ろうとするその腕をナオミは掴んだ。


「…お母様?」


王妃はハッとした。帰りたい。でも…。


諦めていた世界が目の前に現れると、王妃は躊躇した。あらためて帰りたいという想いが現れた。しかし自分の横には我が子がいる…。


揺らめいていた世界は消えた。


王子は不在だった為、3日後にナオミは止められたにも関わらず王妃に喋ってしまったことを詫び、満月の時の話をした。


王子は渋い顔をした。


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