第三話
疲れた☆
「あーあー。マイテース、マイテース。」
俺は軽くマイクの調子を確かめた後に異常なしのサインが出たので『建国宣言』を始める。
ここで建国宣言を始める理由はある。
一つ、国という組織で動いた方が国を相手にしてでも対等に話し合える。
二つ、他の組織から攻撃を受けても反撃ができる。
この二つである。
「これより建国宣言を始める!」
部屋の外から歓声が聞こえてくる。反論の意は無い様だ。
「我々はこれより最も近い国にコンタクトを試みる。それに備えここに建国することを再び宣言する!」
「そして、肝心な国名だが...『アロウ帝国』とする!そして、我々はこれより周辺諸国に外交を行うことをここに宣言する!」
すると先程よりも大きな歓声が聞こえてくる。同じ部屋にいる者たちも頷いている。
「では、これより出航する!」
こうして、俺は周辺の国へ外交を行いにゆくのであった
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現在-シヴァリウス王国‐王都上空
「ここが王都かな?」
俺が問うとそれに応じて外交官が答える。
「恐らくそうでしょうね。ここに来るまでに見たところよりも城壁が高く、そして厚い。」
俺はここまで聞いて納得したのだが、この外交官は止まらなかった。
「しかも大きい上に門の数がここが一番多いです。」
「な、成る程ね。」
ちなみにヘリは二機とも『UH-1Y』である。
武装は『ハイドラ』と『GAU-17/A』である。
「さてと、それじゃあ始めますか。」
俺はヘリに搭載した高出力スピーカーに繋いだマイクを手に取った。
「あーあー、聞こえるか。こちらはアロウ帝国だ。そちらの国と外交をしに来た。敵意はない。」
そしてしばらくすると下で弓矢を構えていた兵士たちが構えるのを止めた。
パイロットが今なら着陸が可能だと教えてくれたので着陸することにした。
(この国と外交がうまくいくと嬉しいのだが。)と霜月は心で願っていた。
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ヘリから降りると二人の異国の外交官と思われる者たちが出迎えてくれた。
その後、我々は会議室と思われる部屋に案内され、そこには三人の豪華な服装をした者がいた。
その服装から幹部レベルの役職のものであることが容易に連想できる。
「今回は突然押し掛けたにもかかわらず、こうして話し合いの場を設けていただけたことに感謝いたします。」
「いえ、お気になさらず。」
「私はアロウ帝国元首の霜月と申します。今回はよろしくお願いいたします。」
「私はシヴァリウス王国公王のシヴィルという。こちらこそよろしく。」
我々は席に座り話し合いを始める。
「まず我々はここ数か月の間に出来た新興国家でございます。位置はここから南に1500㎞ほど離れた場所に位置しております。」
「南というと...我が国の船では海流に阻まれ、調査ができなかった海域だ。」
「あなた方はその海域を突破し、ここに来たと?」
「えぇ、我々はその海域を突破し、ここに来ました。」
「ほぉ...面白い冗談じゃないか...」
「冗談と思いになると思われますが、冗談ではありません。」
「ではここからはアロウ帝国の位置、大きさ等を説明致します。」
...と、この様に先ずは両国の簡易的な説明をした。そして、次は本題の話である。
「なるほどアロウ帝国のことはよくわかりました。それで、あなた方は何をしにここへ?」
「我々はあなた方と同盟、そして国交を結びたく参りました。」
「ほぉ...何故だ?」
「我々は出来れば面倒ごとは避けたいのです。そして我々は平和を望んでいます。」
「平和...か。」
シヴィルの表情は心做しかほっとしたように見えた。
「それとこちらに来る途中に丁度いい無人島を見つけまして、それを頂きたいのですが...」
「ふぅむ...」
シヴィルは髭を触りながら深く考える。結ぶか否か...
そしてシヴィルは決断した。
「分かった。アロウ帝国と同盟を組み国交を結ぶことをここに宣言しよう。そしてその島を貴国に譲ろう。」
しかしここで先ほどアロウ帝国の海域突破を「冗談だ」と言ったシヴィリウス王国の軍務大臣である『ヨネス』が声を上げた。
「王!もう一度お考え下さい!」
「ヨネス。これは決定事項だ。変えることはできない。」
「ですが!」
「ヨネス!これ以上騒ぐならクビにするぞ。相手にこれ以上醜態を見せるな...!」
「...失礼します。」
ヨネスと言われた人物は出て行ってしまった。この後起きることを知らずに...
ブルゥゥゥゥゥゥゥゥヴェリアイアイアイアイアイアイアイ!(崩壊)