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プロローグ2 神からの提案

早々と二話目です。


「うう~ん…あれ?確か、何か変な感覚がして意識を失って…まあ、良いか。

こうやって目が覚めたんだし、変わった夢でも見たんだろう。さて、試験に

いかなきゃな…今は何時だ?」


 そう一人呟いて目を開けるとそこは部屋では無かった。そこは白ともピン

クともいえるような雲のような物が一面に広がる不思議な空間であった。


「…どうやら、まだ起きてないみたいだ。さて、もうひと眠り…」

 おそらくこれは夢と思った俺はそのまま再び寝ようとしたのだが…。



『残念、夢じゃないんだな、これが!』


 突然、頭に声が響き渡ったかと思うと、目の前には何やら光った人型の物体

が現れる。


「えっ…何これ?もしかして宇宙人?もしかして俺攫われたとか?」


『宇宙人でもないぞ。何と言えば良いか…まあ何だ、君の分かり易いように言え

ば神と言えば良いのかな?』


 神…神ねぇ。


『何だ、神がこんな姿じゃまずいっていうのかい?』


「いや、こういう場合って、凄い美人の女神が出てきたりとか凄く偉そうな老人

の姿の神だったりするんじゃないのかなぁと」


『残念、そんなのは人の妄想かラノベとやらの世界でのみにしか存在しないから』


 光の物体の神とやらはそう言って首を横に振る。表情は見えないものの、何やら

バカにされたような気がして面白くない感じだ。



「それで、神様が俺に何の用なんです?俺、昇段試験に行かなきゃならないから手

短にお願いしたいんですけど」


『ああ、試験の心配はしなくて良いよ。何せ、君はもう死んでいるから』


 …えっ?今何て?俺の聞き間違いじゃなければ、神の口から世紀末漫画の主人公

の台詞みたいなのが出たんですけど。


「今、何て?」


『だ・か・ら!君は死んだの!ついさっき!自分の部屋で!』


 もしかして寝る前に感じたあの感覚が…でも。


「俺、何処も病気になんてなってないぞ!そもそも生まれてから風邪だってほとん

どひいた事も無いのに!!」


『確かに君は病気にはなっていなかった。でも、君は気付いていたはずだ。身体の

調子が何処かおかしかった事に』


 …それを言われると何一つ言葉は返せない。


『君は少々身体を酷使し過ぎたんだよ。大体、身体の疲れを払拭する為にさらに鍛

錬を増やすとか、正直頭おかしいんじゃないかと思ったよ。そして、結果的に君の

心臓は限界を超えてしまったというわけだ。つまり、死因は極度の疲労による急性

心不全だね』


 

 そんな…俺は一生懸命頑張っただけだというのに、何とこの世は無情なるかな。


『まあ、とりあえず死んでしまった以上、それについて何時までもウジウジと悩ん

でいても仕方がない。今はこの後どうするかを考える時だ』


「どうするかって、死んだんだからあの世に行くんじゃ…もしかして、天国へ行く

か地獄へ行くかって話だったり?」


『君は特に悪行があるわけでもないし、あの世に行くなら一応は天国の方になるか

ら、その辺は心配しなくて良い』


 一応天国って…確かに俺は聖人君子ではないけども、もうちょっと言い方という

ものがあっても良いんじゃないのか?


『こちらから君に提示できる選択肢は二つあってね。一つはこのまま天国に行く。

もう一つは…異世界に転生する事だ』



「異世界?」


『ああ、よく小説とかであるだろう?異世界に生まれ変わってそっちで大活躍みた

いな話だね。幸運にも君にそれが与えられたわけだ!』


 何それ…ネット小説の世界じゃあるまいし、百万歩以上譲って生まれ変わりとか

はあったとしても、そっちで大活躍って話が馬鹿馬鹿し過ぎる。設定作るならもう

少し捻れ。


『さあ、どうする!?もし異世界行きを選んだのなら、今ならサービスで今持って

いる記憶をそのまま持っていけるようにしてあげるよ!さあさあ、どうだいこのお

買い得感!!』


 何か段々と叩き売りみたいになってきている気がするが…本当に異世界に行ける

のかどうかはともかく、此処で何時までも考えていても仕方がない。


「じゃ、異世界行きで」


『はい、喜んで!!』


 本当にこれは神なのか?何処かの居酒屋の店員にしか感じなくなってきたが。


『それじゃ、いってらっしゃ~い!』


 神がそう言った瞬間、俺の足元に大きな穴が開き、俺はそのまま穴の底に落下し

ていく。


『ああ、言い忘れてたけど、そっちの世界に魔王みたいな面倒くさいのはいないか

らね~。のんびり過ごすと良いよ~!』


 神のその声を聞いたのを最後に俺の意識は再び消えるのであった。


次から異世界編です。

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