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いつの間にか気絶していました

「嫌です。」


 マッチャロールがとんでもないことを言い出した。


「いいじゃないか。初体験だろ。」


「当たり前じゃないですか。」


 魔族の王たる彼女たちにこんなことをしたことがある人間自体、皆無に違いない。


「きっと気持ちいいぞ。この手でここを持つだろ。そしてこちらの手でこっちを持つ。しっかり持って!」


 こっちは必死に嫌がっているのにこちらの気持ちも考えずにその身体の一部を見せつけてくる。


「気持ち悪いですよ。そこ凄く醜いです。出来れば見たくない。」


 初めてみるソレがあまりに醜い形をしているので目を背けようとするが次々と指示が飛んでくる


「しっかりと腰を固定して、突き出すんだ。場所を間違えるなよ。ここだからな。正確に突き出すんだ。無理そうだと思っても途中で止めるなよ。何度も何度も突き出すんだ突き出すんだ。そうすれば、いつかは逝けるから。中途半端だけはやめてほしいんだ。お願いだ。この通りだ。」


 結局マッチャロールに懇願されたので仕方無く、言われるがままに突き出す。今までの仕返しに焦らしてやろうなんて決して思っていなかったのだけど凄く凄く時間が掛かってしまった。


 苦痛に歪むマッチャロールの顔を見て逸る気持ちばかりが先行してなかなか最後までいけなかったのである。






















「だから、言ったじゃないですか。僕には無理だと。そんな太い枝を切るんでしたら、植木屋を呼んで下さい。」


 そんなに強く押したつもりはなかったのだが、マッチャロールの手がモロにシロさんに触ってしまったのである。当然、手のひらから肘の辺りまで壊死してしまった。見た目はどす黒く歪んでしまって酷い有り様になっていた。


 そこで壊死した部分を枝切りバサミで切り落としてほしいとお願いされた。見た目は完全に人なのにその腕を根元から切り落とせというのだ。


 無理矢理やらされたあげく、こちらは切れないなりに一生懸命言われたとおりやっているというのに枝切りバサミを入れるたび悲鳴をあげて早く早くとせかすのである。


「ほら、ボコボコになったじゃないか。どうしてくれるんだ。これでは、もうお嫁に行けないではないか。」


 1回でスパッと切れなかった所為で腕は再生しても、ところどころに太い部分と細い部分がある状態となっている。


「はあ!? お嫁に行くつもりだったんですか? そもそも、マッチャさんは雌雄同体でしょうが!」


「指を切って土の中に植えれば確かにクローンはできるが、子供はできないんだぞ。雄の体液を取り込んで初めて子供が出来るんだ。さあモーちゃん、私たちの子供を作ろう。」


 体液って。全く下品なんだから。


「えっと血液でいいですか? それとも唾液にしますか?」


 どちらも体液には違いない。


「いいぞ。指先を切ってここに差し入れるか。ここを舐めてもらうことになるぞ。」


 嫌味も通じないらしい。


「はあ。向こうでシロさんが睨んでますよ。」


 またシロさんを頼ってしまった情けない。無言で近寄ってくるシロさんの姿がソコにあった。


 冗談と認識したのか死の恐怖は漂ってきていない。


「またまたぁ、嘘をついても逃げられないよ。・・・ひっ!」


 死の恐怖を出さないシロさんは認識できなかったようで後ろから抱きつかれて、初めてマッチャロールは悲鳴をあげる。


「楽しそう 何を 話して いたの 」


 話していた内容までは聞き取れなかったようである。


「マッチャさんがですね「何も無い。魔族についての単なる質問だよ。なっモーちゃん。」」


 僕が正直に言おうとするとマッチャロールが脂汗をだらだらと流しながら遮った。シロさんから恐怖の欠片も無いというのにまるで恐怖に引きつっているかのように見える。なにを訳わからないことになっているんだか。


「そうそう魔族との子作りの仕方を教えて頂いたんです。」


 僕が正直に言うと無表情だった表情がますます固まっていく。


「えっ 子作り? へえ 私も しりたい 」


 話に興味を持ったシロさんが羽交い締めを止めて、手を離した途端にマッチャロールは腰が砕けるように倒れ込んだ。どうやら、気絶していたようである。


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