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短編置き場(異世界以外)

桃太郎ダッシュ!

作者: 蒼稲風顕

 昔々、あるところにおじさんとおばさんの中年夫婦がいました。

 おじさんは山へ薪拾いに、おばさんは川へ野菜洗いに出かけました。

 おばさんが川で野菜を洗っていると、ドンブラコドンブラコと桃が流れてきました。

 直径30cmほどの大きな桃です。



 おばさんは、桃だ大好きだったので、水に濡れるのも構わず川に入って桃を拾い上げました。

 おばさんは、桃を拾い上げると一目散に家に戻りました。

 おばさんは、おじさんを山から呼び戻すとおじさんに頼んで得意のナタで桃を切って貰いました。

 すると桃を半分切ったら、弾力のある物によって刃が弾かれました。



 その弾いた物は、水色のプルンプルンしたとても触り心地の良いものでした。

 ただ、当然斬られかかったプルンプルンした物は怒っておじさんにタックルします。

 おじさんは慌ててあやまって許しを請うと、どうにかどうにか許して貰いました。



 とはいえ、プルンプルンした物体は話すことなど出来ません。

 でも何となく許して貰えたと勝手に思ったのです。

 そして、プルンプルンに野菜を献上して一緒に住むことにしました。



 まあ住むというか居座ったみたいな感じでしたが、おじさんとおばさんには子どもやペットがいなかったので寂しさを紛らわすには丁度良かったのです。

 で、一緒に暮らすにあたって謎の物体プルンプルンをどのように呼んでいいか分からなかったので、桃から出たのだから桃太郎にしようと名前を与えました。

 すると桃太郎という謎生物が光輝き、おじさんとおばさんはなんと年を取ったように生気を吸い取られてしまいました。

 怪しげな物体に名前を軽々しく付けてはいけないのが異世界の常識なのに、それをしらなかったおじさんは名前を付け、尚且つおばさんにも被害をあたえてしまったのでした。



 新生桃太郎は、名前を付けられたことによって、知能レベルが急激にアップし人の言語を話すことが出来ることになりました。

 そしてお爺さんとお婆さんは急に年を取って呆然としてしまいました。

 桃太郎は、そんな哀れなお爺さんとお婆さんのことを気の毒に思い、ある提案をしました。


「悪い奴らから生気を奪えば、お爺さんとお婆さんは若返るよ」


 そういうとお爺さんとお婆さんは手を取り喜んで、最近鬼ヶ島に住み着いた盗賊がいると教えてくれました。

 この最近住み着いた盗賊は、ここいら一帯を荒らし回って領主さまや村人からたいそう憎まれているとの話でした。

 そしてこの盗賊を倒した者は、褒賞だけでなく盗賊が奪った品々も全部やっつけた者の物になるというお触れでした。なぜなら盗賊は品々を奪った際に皆殺しにしてしまったので返す人がいないからとのことでした。



 その話を聞いた桃太郎は早速、盗賊退治に出掛けました。

 心の中で、色々計算した訳では多分ありません。

 正義な心がもしかしたらいっぱいで、退治したかったに違いありません。

 そんな桃太郎の行く道中色々なことがありました。

 例えば美味しそうな屋台を見つけて焼き鳥を食べたり、生意気な猿軍団をやっつけ、遠吠えのうるさかった野犬の集団から生気を奪ったりしながら着々とパワーアップしました。



 そしてパワーアップした桃太郎が鬼ヶ島に上陸です。

 そこには、三十人以上の若々しい盗賊がいました。

 桃太郎は生気だけでなく、存在そのものを溶かして奪いました。



 で、全員をやっつけたところ桃太郎は水色から金色に変わっていました。

 金太郎です。

 桃太郎は金太郎にパワーアップしていたのです。



 桃太郎改め、金太郎はお爺さんとお婆さんのところに着くと、みずみずしい十代の若者に変えてあげました。

 そしてついでに強奪してきた金品を全てあげるとお爺さんとお婆さん改め、兄ちゃんと姉ちゃんは大変喜びました。

 それから二年後、兄ちゃんと姉ちゃんは玉のような赤ちゃんを産みました。



 で、その後の金太郎は、半分殺されかけたけど桃から出してくれた恩と名前を付けてくれた恩を返し、自分をレベルアップする旅に出ました。

 金太郎の次の目標は龍になることだったのです。



 ただ何故、次に浦島太郎になってしまったのかは永遠の謎です。

 そしてその後の金太郎改め、浦島太郎は紆余曲折をし、なんと最終的にお姫さまになって月に戻っていったという話です。

 めでたし、めでたし。


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― 新着の感想 ―
[一言] 金からレベルアップしたらプラチナ プラチナ太郎≒浦島太郎 謎は全て解けた
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