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世界滅亡少女  作者: 岩戸 勇太
それは女神か? 悪魔か?
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地震が起こる

 校門を通ったところ、学校のスピーカーがサイレンを鳴らした。

 それを聞いた涼成達は、体を低くする。涼成達がいたのは、ちょうど学校に向かう道で周囲に何もない場所であった。だから、ガラスが割れて、破片が飛んで来たり、物が倒れてきて、その下敷きになったりという事に対する心配はない。

「おこスイッチの効果か?」

 ふいに涼成はそう思い口走った。

「おこスイッチ? お前何を言っているんだ?」

 玲一がそう聞いてくるが、涼成は、首を横に振った。

「まさか……何かの間違いだ……」

 昨日、ノアが押したスイッチの事など、言っても玲一は信じないだろう。そう考えた涼成は首を横に振った。

「おい、俺達に隠し事か?」

 玲一は言う。そういう言い方をされれば涼成だって弱い。だが、あれが原因なんて言ったら笑われるだろう。

「玲一がそこまで言うなら教えるけど……」

 涼成は言う。案の定、熏晴は笑った。

「お前、そんなもんを信じるわけないだろう?」

「玲一がどうしても聞きたいと言うから教えたんだ。お前はだまってろ……」

「まあまあ、そんなに機嫌を悪くするなよ……今の話はかなりウケたぜ、他でも話してみたら?」

 完全に信じていない感じで、熏晴は言う。

「俺は信じるぜ。お前が言うなら」

 玲一はそう言う。このような荒唐無稽な話である。熏晴の反応が、本来の反応なのだろう。

「そう言ってくれるのは嬉しいよ」

 半分本気で涼成は言う。玲一は、こういう場所でこういう事を言うからかっこいいのである。そういうところを、このクズハルにも分かってほしいものだと、涼成は思う。

 熏晴の事を見る涼成。涼成の様子など、まったく気にせずに、腹を抱えて、クスクスと笑っている。

「笑いすぎだろう……いくらなんでも」

 『このクズハル……』そう思いながら熏晴の事を見る涼成。

「まあまあ、熏晴の事は気にするな。その女ってどんな奴だった?」

「おいおい……また熏晴が笑うネタを提供しろってのか?」

 涼成が言う。玲一は、それに真面目な顔をして答えた。

「まあ、その女の事を探してやるって言ってんだよ。俺は、顔が広いからな」

 玲一がそう言うなら信じよう……。

「見た目はふつうの奴なんだ。昨日会ったときは、この学校の制服を着ていた。スタイルがよくて、胸は大きいし、締まるところはきっちりしまってる。顔は童顔で、綺麗っていうより可愛いって感じ。髪はセミロングぐらいで……」

 そこまで言うと、熏晴が、また声をかけてくる。

「お前一度会った美少女の事は、何があっても忘れないんだな」

 熏晴は、涼成の話に茶々を入れた。それで言葉が止まる涼成。それに、玲一は、熏晴の方を向いて言った。

「おいクズハル……話を信じていないなら、余計な口を挟むな」

 そう言い、熏晴に顔をグィッと近づけていく玲一。

「続けていいぜ」

 熏晴が黙ったのを見て、玲一が言う。涼成は、それを聞いて、話を続けた。

「そうだな……まるであの子のような……そう! あの子まんま……」

 そう言いながら、羽を羽ばたかせて空に浮かびながら学校の校庭を歩いている女子を指さした。

「っておい! なんで飛んでいるだ!?」

 熏晴が、彼女の事を見ながら言う。玲一もその様子に驚いていた。

「空を飛ぶ人間が現れても、誰も気にしないな……」

 涼成は周囲を見回しながら言う。浮かんでいるノアを不思議そうにして見るが、特にノアに向けて声をかけたりするわけではない。

「なあ、お前ら、あの羽が本当に見えないのか?」

 涼成が言うが、玲一も熏晴も羽など見えないと言う。

「羽ってなんだ?」

「何も見えないけど?」

 涼成はそれに首をかしげた。

「おー! よく合うね昨日の子! 今日は友達と一緒なんだ!」

 ノアはそう言いながら涼成に向けて飛んできた。

「おはようのギューだよ」

 そう言いながら、ノアは涼成の胸に飛び込んでいった。そして、涼成を強く抱きしめる。

「おおう! いったい何なんだ!」

 熏晴が涼成の様子を見ながら言う。

「もしかしてあれか! 彼女か? 彼女なのか? さっきの不思議ちゃんに絡まれた発言も、このための伏線だったのか!」

「いやいや、そんな事ないって、俺が女子から嫌われているのは、お前だって知っているだろう?」

「しかし、この現状を見るに……」

 メガネをかけ直しながら言う熏晴。玲一は、そのノアを涼成から引き剥がした。

「本当の事を知りたいなら、本人に聞くのが一番じゃないか?」

 ノアの襟首を掴んで、引き剥がした玲一は、ノアの顔を見つめた。

 ノアは、何も分かっていないようで、玲一に対し、ニコリと笑い返した。

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