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世界滅亡少女  作者: 岩戸 勇太
素晴らしい世界
39/40

サラの、占いの館

「あなた……結婚について悩んでいますね……」

 サラが言う。

 サラは、満のブースに座って、凛子に向けてそう言った。そうすると、隣でサラの占いを見ていた涼成はそれを止める。

「いきなり核心を付くんじゃない……」

 涼成が言う。

「そこは、『人間関係で悩んでいますね?』で、いいんだよ。とにかく、ぼかした言い方をして、相手の興味を引くのが一番だ」

 熏晴も言う。サラは、それを聞いて、頷いた。

「凛子……もういちどお願い」

「わかったわ……」

 どうも腑に落ちない顔をしている凛子。それでも、凛子はサラに付き合って客の役を続けた。

「あなた、人間関係で悩んでいますね」

 それを聞いた凛子。

「そうですー……私人間関係で悩んでて……」

 演技が、雑な凛子が言う。

「それでは、人間関係について占ってみましょう」

 そう言い、サラは、自前の水晶玉を使って未来を見始めた。

「前回の男性は数ヶ月で別れましたね……」

「……はい……」

 サラの言葉に、凛子は小さな声で答えた。

「あなた、部屋が汚いでしょう?」

「……はい……」

 お客の役をしている凛子は、小さな声で言う。

「そこだね」

 そこまできて、熏晴が言い出す。

「質問が直球すぎる! もっと言い方を考えて……」

 熏晴がそう言うのに、サラが頷く。

「ちょっと……私だけが、いらない事実を暴露されてない!?」

 凛子がそう言うのに、涼成と熏晴が言い出す。

「さっき、逃げたんだし、これくらいの事を付き合ってもいいんじゃないか?」

 涼成が冷たい目をして言い出す。

「わかったわよ……続けて……」

 凛子がそう言う。それで、サラは遠慮なく続きを言い出す。

「あなたは、几帳面さに欠けるところがあるようですね?」

 サラは言う。

 それから、サラは占い師の心得を叩き込んでいった。


「なんでこんな事ばっか晒されるのよ……」

 涼成達の前で、自分の事をいろいろバラされた凛子は、すっかり意気消沈をしていた。

「男の前で、バラされなくてよかったじゃないか。サラの役にも立てたんだし、男が寄ってくるようにアドバイスだってもらえたんだろう?」

 サラの占いは、本当にピタリピタリと当たる。

 凛子はサラになにか言われるたびにショックを受けていたようだ。

「サラ。相談者を勇気付けるように話すんだぞ……」

「うん……がんばる」

 そう言い、サラはみんなに背を向けていった。

 その背中から、サラの決意を感じ取った涼成達は。サラが上手くいく事を願っていたのだ。


 次の日、涼成は、起きだして、食パンを齧りながらニュースを見た。

 そこで、最近有名になった占い師の事を報道していた。

『これを見たら、サラにとって助けになるだろう……』

 そう思った涼成。今、サラはテントを張って、道端で占い師をしているはずである。

『この、なんも変哲もないテントの中で、少し前に占いを始めた女子中学生が、今人気になっています……』

 テレビの中で、アナウンサーが説明をする。

「サラも、あやかって欲しいもんだな……」

 涼成は言う。涼成は、その続きを見た。

『……では、評判の占い師のサラさんに話を聞いてみましょう』

「え……? サラ……?」

 続きを見ると、何の間違いもなくサラであった。

『ど……どど……どうぞ、私は占い師のサラです!』

「緊張しすぎだぞ……」

 そう思いながら、サラがテンパっているのを見ながら、笑う涼成。

『あの……紹介は私達でやりますので……』

 アナウンサーからたしなめられて、サラは座り直した。

 サラは、カメラ目線で、カチンコチンになった顔でカメラを見ていた。

『この子が、今評判の占い師さんです。彼女は、話し方がとても丁寧で、アドバイスも親切でなんども、来たくなると、噂になっています』

 そう言うと、サラは引きつったかおをして、一生懸命に笑顔を作った。

 だが、それは、柔らかい笑顔には見えず、ひきつった顔で、何かに覚えて苦笑いをしている顔にしか見えなかった。

「サラの笑顔……なにこれ……」

 涼成は、それを見て、クスクスと笑った。

「これはいい……」

 これは、サラの事をからかう、いいネタになる。

 そう思った涼成は、家を出て学校に向かっていった。


「これで君に会うのは最後になります」

 涼成が、家を出て、最初に会ったのは凛子だった。いきなり、業務的な喋り方で、そう言い出した。

 望愛は無事に天界に帰ったらしい。メシアも一緒に帰り、メシアはあれから世界を崩壊させようなどとは、言わなくなったのだという。

「別れの挨拶もなしかよ……」

 涼成が言う。

「挨拶ならあるわよ」

 凛子は一枚のディスクを取り出した。涼成は、それを受け取った。

「ビデオレターよ。ここで見るかしら?」

 そう言い、凛子は、ノートパソコンを取り出した。

 ディスクの中に入っている映像を、そのノートパソコンで撮した。

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