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世界滅亡少女  作者: 岩戸 勇太
望愛を楽しませよう
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望愛が涼成にくっつくワケ

 望愛は、あれから涼成の隣を歩いて学校に向かった。

 涼成が、すぐ近くに女の子を連れているという事実に、学校の人間が、驚愕を覚える。

「あいつに彼女なんて……」「あの子、昨日入ってきた高天原って奴だろう?」「頭が弱そうって女子が噂していたけど、ここまでとは……」

 学校の生徒たちが、噂を始める。その内容の中には、随分失礼なものもあるが、涼成はそれほど注目をされるこの学校の有名人であるのだ。

 熏晴と玲一は、その涼成から離れて歩いていた。

「なんで、そんな所を歩いているんだよ! もっと、こっちこいよ!」

 涼成が言うが玲一は黙って首を横に振った。

「仲間だと思われたくないし……」

「俺たちは親友だろうが!」

 普段は、涼成の事を信頼している玲一でも、事この事になったら、例外らしい。

「そして、クズハル……お前も何で離れているんだ?」

 熏晴はそれに、メガネをかけ直して答える。

「お前の普段からの評判の悪さがあるからな。望愛たんの事を脅して従わせているように見えるだろうな……」

 そう言う熏晴。

「やかましい……クズハル……」

 そんなバカな……と思いながらも、周囲のほかの生徒たちの会話を聞いてみる。

「もしかして、高天原さん、当鳥に脅されてる?」「高天原さんかわいそう……」「当鳥の事をぶちのめす……いや、警察に連絡を……」

 などと、今度は物騒な内容の会話がなされている。それを聞き、背中にピリピリした視線を感じながら、教室に向かっていった。


 教室に着くと、望愛は自分の席に座った。

 そこから、「じー……」っと、涼成の事を見る。涼成が望愛の事を見ると、ニコリと笑う。

 そうすると涼成は、望愛から顔を外した。

 その様子を見て、周囲の男子たちは噂を始める。

「当鳥ぶっ殺す」だの、「望愛ちゃんが転校早々あんな奴に取られるなんて」といった、嫉妬やあり、物騒な内容ありだ。

 そして、望愛の事を心配した、ほかの女子生徒達が、望愛に声をかける。

「あの……高天原さん……当鳥君と、っどんな関係なの?」

 そう始まり、「当鳥とは付き合わないほうがいい」といった感じの話を望愛に向けてする。

「例えばさぁ……目的は当鳥じゃなくて玲一君だとか?」

 そう女子が聞く。確かに、そう考えればなっとくできない事もないだろう。

 いつも一緒にいる涼成にくっついていれば、玲一と合う機会も増える。それを狙って涼成にベタベタしているのと考えれば、理解できないこともない。というのが、女子の考えだ。

 玲一も、また特殊なやつで、この学校の女子達から告白をされても見向きもしない。

 理由は「子供相手に興味はない」と、いった普通の奴には理解できない理由だ。『何が子供だ……お前だって同い年じゃねぇか……』なんて思う者もいる。

 だが、その本当の理由をしっている涼成は、その言葉に深みを感じていた。

 これは涼成達しかしらない事だが、玲一は、年齢を偽ってホストクラブで働いているらしい。

 家の家計が苦しく、今は彼女の事を考えているような余裕は無いというのだ。

 玲一も美形で、ワルっぽい雰囲気を持っているなかなか女から好かれる奴だが、やはり、ホストの世界では、顔がいいだけではやっていけないと言うのだ。

「俺はまだ勉強中の身だ。まあ、死ぬまでホストをやる気もないが……」と、言って愚痴らしき言葉をこぼしていた。

 ホストの仕事をやっているからといって、生活が安定をするというわけでもないらしいし、彼女ができたら、確実に学校に伝わるため、辞めなければならなくなるだろうと思っている。

 玲一も、ワケありの人間なのだ。

 それを女子にでも打ち明けたら、影があるところがカッコイイなどとでも言われるだろう。だが、玲一は他人の同情など望んでいないし、誰の助けも借りる気はないとの事である。

 結局玲一も、いらないところだけ頑固なひねくれ者なのだ。

「あいつに近づいても、いい事はないが……」

 そう思う涼成であるが、そんな事を言っても無駄である。

 どうせ、『モテない奴が、僻んでいるようにしか見えない』などと言われるのが落ちだ。

 玲一と本当に付き合うことになったら、玲一の闇を見ることになる。玲一に惚れている女子達は、玲一の持つ影の実態をしったら、本当に玲一の事を好きなままでいられるか? は、疑問である。

 まあ、そのへんは玲一が一番よくわかっているらしく、自分に告白する女子達は全てフッているのだ。

「違うよ。私は涼成が大好きなの」

「こんなスケベで頭の中がピンク色のクソ男の……」

 女子がそこまで言ったところで、玲一はその女子の肩を掴んだ。

「それ以上言うと、容赦しねぇぞ……」

 玲一は言う。それに驚いた女子は、固まった。返事が帰ってこないのに腹を立てた様子の玲一は、その女子に食ってかかろうとした。

 だが、涼成はその玲一の事を止めた。

「相手は女子だぞ……」

 玲一の肩を掴まれた玲一は、涼成の事をギロリと睨んだ。

「お前のために怒ってやっているんだぞ」

 玲一は言う。これは玲一の気遣いを無視する行動だろう。

「俺のことはいいから、離してやれよ」

 そう言うと、玲一はその女子を掴んでいる肩を離した。

「今度、俺のダチの事をバカにしたら容赦しねぇからな」

 最後に、女子に向けてそう言い、玲一は女子を離した。

「なによ! 本当のことじゃない! 当鳥には、なんど着替えを覗かれたことか……」

そう女子が言うと、またも玲一がギロリ睨んだ。それで、女子達はすごすごと退散をしていく。

「納得のいくように説明してくれるか?」

 玲一がそう言う。

「ああ言われるのはいいって、俺はなんどか迷惑をかけているからな」

「迷惑をかけられているからって、何を言ってもいいというもんでもないだろう?」

 涼成の言葉に、玲一が言う。

「あれくらい、つい言っちゃうのレベルだって」

「そう言われたら、俺の立つ瀬がねぇだろう。俺が怒ったのがバカみたいじゃねぇか……」

 玲一は言う。

「俺のために怒ってくれたのは嬉しいが、あそこまでする事はなかったぞ」

 涼成がそう言う。玲一は納得できていないような顔で、涼成の事を見る。

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