16話 雪之亜竜と暴走龍鯱
開いてくださりありがとうございますm(_ _)m
『亜竜領域に初のプレイヤーを確認しました。これよりイベント【変異種雪之亜竜】を開始します。』
無機質な音声がなったかと思うと俺達は辺り一帯が雪景色のフィールドへ転移した
天候は晴れ?曇り?でサンサンと太陽の光が雲の隙間から降り注いでいる
『ガァァァァァァアァァァァァァアァァッ‼‼‼‼』
太陽の光が遮られ、大きな影が現れた
おそらくワイバーンだろう
そのワイバーンは全身が灰色だが、額にある一本の角が蒼白い光を放っている
あ、なんか近づいてきたぞ
「って⁉遠距離攻撃かよ‼」
蒼白い光を放っていたのは攻撃の予兆だったらしい
咄嗟に避けて、ギリギリ躱すことができた
俺のもと居た場所は縦に割られ、その跡には氷の柱が威圧感を放って存在していた
「…うわぁぁぁぁ…っと、とりあえず《天魔の槍+1000》《圧縮》でいいか…あ、濃縮激毒薬も用意しとかないとね」
氷のブレスに戦慄しながらもとりあえず槍を容器に纏わせて構える
『ガルルルルルルルゥ……』
どうやら避けたことと天魔の槍を恐れているみたいだ
「まずは様子見ってな‼蕾雅!潜水を頼む!いけっ‼」
蕾雅の潜水に槍を投げ入れる
「分裂‼分裂‼分裂ゥ‼」
雪の中に潜水した槍を分裂させ、コントロールする
初の試みのためマニュアル制御にしてある
『ブァァァァァァァァァァ』
痺れを切らしたのかワイバーンは雲の上に急上昇したあと、真下に急降下する
「《天魔分裂‼》ver.激毒‼」
『ギャァァアアァァァァァ‼‼』
ワイバーンの顔面にまともに天魔分裂が炸裂し、雪が爆発をおこす
「蕾雅‼俺らも潜水‼」
念のため、自分の影に潜水をする
ズバッァァァァァンッ‼‼
俺らの元いた場所がワイバーンによって踏み潰される
よく見るとワイバーンの片目はなくなっていた
そして、灰色の顔が毒々しい紫に染まっている
ワイバーンの頭の上にあるゲージは10本もあるというバグかというくらいの量だが1秒に1/50くらい減っている
…激毒薬恐ろしい子(恐怖
ワイバーンは俺らをまだ殺れていないとわかっているのか、辺りをキョロキョロしている
そして一瞬、一瞬目があった気がした
人間がニタァと嗤うかの如くその大きな顎を開き白い焔が揺らめく
「《天魔分裂》ver.激毒‼其の弐と其の参‼からの《飛行》‼」
俺は焦って天魔分裂を二つ放ち、そのまま飛行して上空へ上昇する
ワイバーンはというと、その口内に激毒薬が広がっていき、一気にゲージが5本まで減る
しかし、体力が半分になった途端に毒々しい紫が消えさった
そして、その眼を紅く紅く染めて俺を睨んだ
「うわっ‼《天魔の槍+all》‼《圧縮》‼《天魔一撃》ィィィィィィィィィ!!!!!」
もろビビった俺は焦りすぎて天魔の槍に全てMPを使ってしまう
そしてその槍と腕を一本の線になるように構えて飛べなくなった翼で加速し、一筋の流れ星の如くワイバーンへと突っ込んでいく
『ガォォオォオオォォォオオォォォ!!!!!』
ワイバーンが吼えると周囲の雪が、雲が、とけてできた水がワイバーンの角へと収縮され、それは大きな大きな角へと変貌した
そしてワイバーンも地を蹴り俺に向かって一直線でくる
シュゥゥゥゥゥゥゥゥンッ‼
ドッッッッ!!!!!ガァァァァァァァンッ!!!!!
互いに空気を斬り裂きながら衝突してワイバーンは遥か上空へ、俺はワイバーンの影響によって地が見えている場所へかなり荒い着地をする
俺が振り返ると、ワイバーンは片翼がなくなり、そのまま落下していた
そこで俺は勝ったと思い自身のゲージを見た
そして…0という数字を見ながら倒れ、転移した
side 蕾雅
あるぢが…あるぢが…ちんぢゃった…
わたちのだいすきなだいすきなあるぢしゃまがめのまえでたおれて、どっかにいっちゃった
そして…わたちは…なにかが…はじける…おとを…きい…た……
『グガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!』
side運営AI00
意味のわからない運を持つ天魔であるプレイヤー【蓮=カーボン】が死に戻りをし、AI03が残されている
流石にあの者でも変異種のワイバーンには負けた
初日からωテストでもトップクラスのイベントを次々と引き起こし、ゲームを進めていたプレイヤー
聞けば、αテストの時にも散々やらかし、かつかなり助かるデータが取れたとかなんとか
運営陣には結構好かれていたりする
さらに03、19と20と21にも好かれていた
そんな奴に興味がわいた私はそいつが新たなイベントを引き起こしたと聞き、終始観戦していた
そこで奴は流石に勝てず、死に戻りした
しかし、03は残っていた
03はぶるっと震えたかと思うと絶叫をあげながら身体が光を放ち、成体に成長した
いや、あれは一時的なものだろう
たしか…03ら龍鯱含む龍系統は激昂すると一時的に成長するらしい
03もその状態だろう
あれは結構負担もあるという
本当なら止めたいが、私の役目は世界の監視…残念だが見ることしかできないだろう…
そんなことを思っているうちに03は変異種を蹂躙していく
片翼のない変異種は飛べずに地を這いずっている
そいつを色々な空間から現れては捕食していく03
03の体力ならすぐに尽きるかと思ったが、どうやら捕食によって賄えているみたいだ
『グルァァァァァァァ!!!!!』
へぇ…変異種もあと一撃でやられるまで喰らわれているか…
しかし…03もあと一歩届いておらんようだな…もとの幼体にもどっている…
あとはいかに速く彼が帰ってくるか…だな…
ふふ…楽しいね…やはり観察者は楽しいね