デート
どうも、あいさつなくてすみません...。はじめまして、とろみどーるです。
当方学生で時間があまりないので、周一のペースで投稿できたらなぁと思っています。
素人ですので、読みにくいとこなどあるかもしれませんがよろしくお願いします。
さて、河部さんと俺は今近くのカフェで食事をとっている。俺はコーヒーとサンドウィッチ、彼女は紅茶とマフィンをいただいている。
「明石さんって、なんのお仕事されてるんですか?格闘技強かったから、もしかして軍隊とか?」
こんなにばれちゃ、スパイ失格なんじゃ...。とか思う。
「いや、ただのフリーターですよ。昔柔道部だったもので。軍隊なんか性に合いませんって。」
実際部活なんか入ったことない。ので友達も少ない。
「ふぅーん。フリーターですかぁ...。」
彼女はがっかりしたような様子を見せる。
「河部さんは、働いているんですか?」
「私は、まだ大学3年です。」
ってことは俺よりも少し年下か...。長身で大人びてるが、あどけなさが残っているのもうなずける。まあ、それにしても、かわいくて物わかりのいいお嬢さんだなぁ。
「就職とかはしないんですか?」
突然の質問に結構戸惑う。現状フリーターと本職でやっていけてるからな...。
「自分のペースで働きたいんですよ。痛い若者みたいになってますけど。」
「そうですかぁ...。」
そうこうしているうち、結構長い時間がたってしまった。会計は彼女が払ってくれるらしい。払うとは言ったのだが、聞いてくれなかった。
「いやぁ、本当にすみません。なんか払わせちゃって。」
「いいですよぉ。お礼です、お礼。また会いましょう!」
そういって別れる。河部舞、アグレッシブな女性だ。また一人で歩きはじめる。スーパーで当分買い物しなくていいほどの食材を買い込み、エコバッグを下げ、家に帰る。こう見えても意外と俺は環境に配慮している。食材を冷蔵庫の中にきれいに入れ、買っておいた缶チューハイを取り出す。やっぱこれだよね。
20インチテレビをつけると、ニュースがやっている。
「陸軍は、東アジアの不穏な状況を反映し、新たに機甲化師団を...。」
"日本国防軍"。6年前、韓国と北朝鮮は、再び戦火を交えた。そして、武器輸出三原則を事実上安楽死させていた日本政府は、同盟国である韓国に兵器を売りつけた。それで日本経済は一気に飛躍したわけだが...。北朝鮮は、それを良しとしなかった。日本に...。福岡に...。核ミサイルが撃ち込まれた。この時、国論は真っ二つに割れた。憲法改正、報復派と、憲法維持、平和主義者たちだ。
だが...、1か月もしないうちに、平和主義者たちは謎の死を遂げる。平和主義活動は一気に下火になり、あっけなく憲法は改正された。
自衛隊は、日本国防軍となった。俺も、自衛隊員から、陸軍兵士となった。
日本国は、その有り余る国力を軍事力に注ぎ込み、世界有数の軍隊を作り上げた。破竹の勢いで北朝鮮へ進撃、わずか3か月で北朝鮮全土を占領してしまった。
俺もその軍事行動に参加した兵士の一人だ。もう今は、やめさせられた身だが。
あれから、もう6年もたったのか...。爆撃から必死に逃げ惑う人々、炎上する戦車、腕を失った戦友...。戦争っていうのは、いつの時代も気持ちのいいものではない。
憲法改正前は、戦争反対とかほざいてた国民も、戦争が儲かると知ると、途端に容認派になってしまった。実際、敵軍に比べて自分の損害は圧倒的に少なかった。それもまた一つの原因だろう...。マスコミも煽る煽る。本当に現金な奴らだ...。
室内の植木鉢の"ミント"は感傷的な自分とは裏腹に、青々と生い茂っていた...。