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掌編小説

3.14

作者: 風富来人

 世界中の誰もが円周率は小数点第二位までの3.14までしか知らない世界。

 円周率は、小数点第三位以下を解明できたら世界をより良い方向へ導くことも、破滅の方向へ導くことも可能だと言われる謎の数字だった。

 世界の有名な数学者達はこぞって解明に乗り出す。しかし、どうしても小数点第三位以下がわからない。

 まるで特殊な暗号がかけられているかのように解明することができない。

 そんな中でとうとう小数点第三位以下、一兆二千億桁以上もの値を解明できる日が訪れた。


 二〇一X年十一月十一日。

 それは、とある動物園に飼育されているオスのジャイアントパンダの脳内だった。

 彼は日々大好物の笹を食べながら黙々と円周率の解明を行なっていたのだ。

 彼にとっては、円周率の解明は単なる頭の体操、暇つぶしに過ぎなかった。


(ふう、円周率とやらは解明できたな。解明できたところでオレには関係ないけど。さて、次は素数でも調べてみるかな。大好きな笹が食べられて、雨風しのげる場所で生活できればそれでいいや。こんな簡単な問題が解けないのは実は人間だけなんだけどな……)


 二一九X年、人類による円周率の小数点第三位以下解明はなされないままに人類は滅亡した。

 円周率、その本当の正体は、円の周囲の長さと直径の比として与えられる数ではなく、人類にしか感染しない数字の形をした殺人ウイルスだったのだ。

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― 新着の感想 ―
[一言] ふぅむ、そうきたか……。 いや、そういう見方をしたことはない。意表を衝かれたな。 自分が普段使うのは、周長を求めるため。しかし、最近まで学校は円周率を3と教えていた。 文部省よ、貴様らは馬鹿…
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