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女神との出会い
本間健彦。高校一年生、十六歳。
四月の朝はまだ冷たくて、冬の残り香が制服の襟に絡みついてくる。
彼は中学という檻からようやく抜け出したはずなのに、
心のどこかで鎖の音が鳴ってる気がした。
だが、そんなのはどうでもいい。
彼の目的はただ一つ。
「彼女を作る」
黒髪は茶色に染まり変化した。
眼鏡はコンタクトに替え変化した。
毎朝の腕立て二十回で身体には筋肉ついて変化した……ような気がする。
要するに、典型的な『わっかりやすい高校デビュー君』なのだ。
八割は思春期特有の下半身の暴走なのだが、彼は「運命の恋」を求めてるつもりである。
そして、通学路の途中で。
彼は見た。
朝陽を浴びて溶けるように輝く金髪。
まつ毛一本一本が長く、アイラインは鋭く、
頬に計算された赤みが浮かび、唇は濡れたグロスで光ってる。
スカートは膝上大胆カットで、風が吹くたび白い肌が一瞬だけ露わになる。
爪先のラメが小さな光を撒き散らす。
世界の輪郭が、柔らかく歪んだ。
――女神。
健彦の視界が狭くなる。
心臓が喉を突き破りそう。
膝が震える。
息が止まる。
健彦はギャル好きである。




