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序章3

さて、小説序盤でも見所のバトルが始まりましたよ?レモネード片手に観戦と参りましょう。ヒューヒュー!


必要な事前知識。青年は風属性魔法を本能で使う、風属性は使用者こそ多いものの、大抵はアツアツのイモとかを冷ますのに使われる程度。いや、イモじゃなくてもいいんだけどね。つまり、単純な発動だと火力が出にくい風属性で馬車を破壊した彼は、只者ではない。一方の商人さんは、普段は隠しているが実は三節棍の使い手。優男風の見た目に反して筋肉あるんだろうな。かっこいい。今はキレてるけど。


このシーンは好きなので、セリフが聞こえなくても言ってることはわかる。


『俺には、行かないといけない場所があんだよ!』

『おやおや、それならば服を仕立てて差し上げましょうか?いえ、勿論今の服もお似合いですよ』

『こんなボロが俺に似合ってるわけねーだろ!』

『いや、申し訳ない』


「聞こえるのか?」


セリフを思い出して声に出していると、憲兵さんや周りの外を見ている人々の注目を集めてしまった。


「いいえ?」


何も考えずに否定し、食い入るようにバトルを見る。服の隙間からすっと取り出された三節棍、早い。棒の先が全然見えない。商人が戦闘前の素振りをやめ、青年を指差す。


『あなたが行くべき場所に連れていって下さる方々が来るまで、踊ってさしあげましょう』

『どけ…踊りは夜会で十分だ』


私の周りの人々が、そんなカッコつけたセリフ言ってるの?ってこっちを見てくるが、そんなことはどうでもいい。あっちを見なさい。私は見るぞ。青年の周囲の木くず(馬車の破片)が舞い上がり、幾つも商人の方へ一直線に向かっていく。商人はそれらから目を逸らさない。多分。いや、小説にそう書いてあっただけで、今は見えないけど。遠すぎて。多分迎撃の瞬間に、商人の目が見開かれたりしてるんだろな〜。見えないんです。


実際、木片が飛んでは高速で振り回される三節棍に弾かれている。職人技ですね。商人の後ろだけが影みたいに木くずが残っており、他は風で吹き清められている。


この後どうなるのか。埒があかないと思ったのか、青年が馬車馬を吹き飛ばし、自分も上に飛ばして足元に馬を通して、ダービーが始まる。とんでもないよね。ほら、実際に飛び乗って…あれ、こっち来る!?


やばいやばい、来ちゃったよ、どうしよう。私、衝動的にお店の花瓶の花を取っちゃった!青年がこっちに来る!え、目が合った!今目合っちゃったよ!後ろ姿に花を投げます!


「なあ、今俺、目が合った」


憲兵さん、違います。私です。


憲兵と合った合わなかったとモメていると(仕事はどうした)、青年が捕まったらしいという話が聞こえてきた。やっぱり墓参りには行けなかったか〜。彼の再登場(釈放)は一年後くらいかな?小説ならそうだった。


え?なんかもう釈放されそうなの?


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