表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/16

6.再び遭遇

見た目は中世ヨーロッパですが魔法があるため、割とハイテクなパン焼き機能もあったりする異世界。

翌朝。

昨日は大変だった。

辻馬車の揺れっぷりに尻が悲鳴をあげ、なんとかラージ街へ帰還する。


「ふぅ。あの揺れ、なんとかならんもんかな」

ベッドに倒れこんで眠ってしまった。


今日は休日のつもりだ。

馬車のせいなのかあちこち変な筋肉が痛い。

膝の裏とか、そんなとこに筋肉があったのかよと思うところだ。

ああー朝食のパンがなかった。

買いに行かねば。


よろよろしながら支度をして、ギルド1階に降りていく。

まだ開店してない時間だ。

ふとギルド募集のとこに一枚なにか貼ってある。


☆剣士の先生募集

・薄給である 一か月1銀貨

・絶対に怪我をさせないこと

・剣をあきらめさせる方向でもいい


吹いた。

いやいやいや、一か月1銀貨(一万円)って生活できないじゃん。

いたずらか。

ネタ貼って遊んで怒られても知らんぞ。



俺は焼き立てパンが好きだ。

それはこの世界の人も同じようで皆、朝から開店待ちで並んでいた。

最後列の人に軽く挨拶して並ぶ。


ああー焼き立てパンのいい香りだ。


並んでいる人たちの顔もほころぶ。

この香りをかいだら怒る人なんているわけがない。

楽しみだな。


焼き立てほかほかの熱いパンを買って、我慢できず一口かじる。


うをぉ~生きててよかった。

バターと小麦の甘い香り、ぱりっぱりの耳もうまい。

おっとこれは一週間分だ。大事に食べないと。




一旦家へ戻って、朝食後は図書館で魔物の勉強。

地図をみながら俺でも行けそうなとこを絞り込む。

ダンジョンはランクD以上&成人じゃないと入れない。

そのため、そこまでは地道にがんばらないといけない。


『成人の儀』を受けなくても、職業が決まってる場合は成人として扱ってもらえる。

多分職業がある人は成人だとみなされるんだな。

俺はランクさえ満たせば入れるようだ。

神の使いグッジョブ!


そういえばアレンって戦えるのか?

もしかして戦いかたを教えるとかも入ってるのだろうか?

さすがに貴族なんだから正式な先生を依頼するよな。


先ほどのネタ「☆剣士の先生募集」を思い出して吹いてしまった。




図書館を出て、昼食は屋台を梯子するつもりだ。

ぶらぶら食べて歩いていたらなんかいるぞ!?


「腹減った」


『勇者かも?』のアレンだ。串焼きの店を凝視してる。

屋台の人は邪魔そうにシッシと追い払ってる。

貴族のくせに金がないとか笑えるなと、見てしまった。


「あ!おっさん」


誰だよおっさんって。


「じゃなかった。お兄ちゃん。これ買って!」


やばい。俺は逃げた。追いかけてくる。

こいつやっぱり勇者なのか?足が速い。

俺の高校生並みの体で、全速力で走ってるのに追いつかれそうだ。


「ま、まってぇ~。おにいちゃあああん」


角を曲がり、子供が越えられない植栽を飛び越え必死に逃げる。




ふぅ~。まいたか?

食べてる途中だったから手がベタベタだ。

どうやら公園のようだ。

噴水で手を洗う。


というか、なんで俺逃げたんだ?

関係ないじゃん!

追いかけられたら逃げるウサギじゃあるまいし。


ベンチに腰掛けて一息つく。

疲れたのでギルド2階の部屋へ戻ろう。

俺はそのまま部屋で寝てしまう。


誰かが部屋に来たようだ。

ノックしている音が聞こえるが、休みだし無視するか。




翌日。

さすがにぐっすり寝たおかげで体調がよくなっている。

若い体は復活が速くていいね。


昨日買ったパンとジャムを食べる。

甘すぎないオレンジジャムは俺の好物だ。

今日も上手い。


仕事依頼の掲示板を見に一階に降りていくと何やら騒がしい。

いや、いつも騒がしいか。


受付嬢に一人の子供が絡んでいる。

『勇者かも?』のアレンだ。

あいつ何やってるんだと思いつつ、見つからないように外に出る。


あー依頼受けそこなったな。

しかたない。今日は常時受け付けのワニを久々に倒すか。


常時受け付けは依頼書がいらない。

その名の通りいつでもウエルカムな仕事なのだ。

ワニをもっていけばその数買い取ってくれる。



受付嬢に絡んでいたからさすがに後はついてこないと思いつつ、つい振り返ってしまう。

よし、大丈夫だ。

顔見知りになった門の衛兵さんに「ごくろうさま」と声をかけて出ていく。




しばらくこなかったせいでワニが増えている。

ラッキーと思いつつ、どんどん倒していく。


5匹大ぶりのを倒したので、満足して引き上げる。

ギルド解体場に持っていって、順番を待っていると声が聞こえてきた。


「あの貴族の坊や剣士の先生探してるってしつこかったな。

 なんで貴族がギルド来るんだよ。先生になれる奴がここにいるわけないだろ」

「まったくだ。受付が止まって迷惑したぜ」

「結局ギルドマスターが説得して家に送っていったらしいぜ」


いろいろやらかしてるみたいだ。

勇者かもしれないし、はやくいい先生が決まるといいな。

バカだがまだ子供。修正はききそうではある。



ん?

もしかして俺も探すの手伝ってやったほうがいいのか?

だが教えられるほどの剣士なんて知らないぞ。

しかも貴族だしな。

やめとこう。


俺は換金してそのまま部屋に戻る。

気にはなるが、俺にはどうしようもない。



もし、少しでも面白かったと思っていただけたのなら、

『ブックマーク』と【評価】何卒応援よろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ