表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/16

2.異世界に慣れよう

ここはセルベス国というらしい。

山から吹きおろす風が気持ちいい。今は初夏なのだろうか?

初めに転移した先はお城の中でも魔物の群れの中でもなく、街のすぐそばの林だった。


服装はこちらの世界にあわせてあるのか、黒っぽい服とベルト、小さなナイフ。

靴は丈夫そうな布で出来てる。荷物は麻袋だ。

金貨数枚と日用品かな?


街に入って身分証明書がいることに気が付くが、門番の衛兵さんに作り方を教えてもらう。


「ラージ街にようこそ。

 おや?旅人かい?

 なら身分証明書ギルドカード作っといたほうがいいぜ。

 あちこち街を歩きたいなら冒険者登録がおすすめだ」


ギルド場所を聞いてさっそく行ってみる。

名前はリュウにした。魔力測定をうけて「魔力なし」判定をうける。

やっぱりか。ちょっとは期待したが、やっぱりないか。

最低のFランク。街中で仕事を受けられるレベルだそうだ。

FランクからAランクまではギルドで扱う。それ以上のSは国扱いだ。

登録料は1銀貨。一万円くらいかな?



「ギルドカードにはランクが記入してあり、そのランクに合わせて受けることができる仕事が変動します。

 ランクがあがるごとにギルドカードを更新しますので、その際には受付までお立ち寄りください」


「自分のステータスってどこで見るんだろう?」

「スキルのことですか?それは神殿で有料で見ることができますよ」


受付お嬢さんにお礼を言って神殿に向かう。

途中で美味しそうな焼き肉の店があったので寄っていく。

一食3銅貨。三千円か。ちょっとお高めの店だった。


周りを見回したら屋台が多く出ていて、皆そこで買ってるようだった。

たくさん買っても1銅貨。銅貨以下はクオータという一枚250円くらいの小さな貨幣だ。



神殿に迷いながら到着。


「すみません。ここでステータス確認できると聞きました」

「あ、はいできます。こちらに寄付お願いします」

「金額って決まってます?」

「一応1金貨以上ってことになってます」


「あの、1金貨って10銀貨ですよね?」

「はい、よろしくお願いします」そういって募金箱を差し出してきた。

30万円か。思った以上に高い。

銅=千円、銀=一万円、金=十万円。

この調子で使っていくと早々に金がなくなるぞ。



◆◆◆

名前:リュウ

種族:人族

性別:男

年齢:17


職業:なし

ランク:F

スキル:剣術、言語取得、身体強化

称号:勇者を守るもの

◆◆◆



えええ?これだけ?

ぼったくりだな。騙された。

あの神の使いって、大して力がないんじゃね?

ちょっとだけ若返っていたから良しとするか。


ギルドで宿屋を聞いて、一泊1銀貨を見つけて泊まる。

ラージ街は王都に近いため割高なんだそう。

一週間予約したら朝食はサービスしてもらえることになった。


で、やっぱりというか風呂がない。

タライらしきものにお湯を入れて入るのだそうだ。


食事はありきたりなスープとパンだ。

サラダもないのか。

まあ、前の食生活にくらべたら食べられるだけましだ。


ブラック企業なんて夜中の3時ごろまでこき使われるのだ。

朝食なんて眠すぎて食べないのが普通だ。

風呂も入らずシャワーだけのことも多い。



じゃあ早速ギルドお仕事引き受けてくるか。

街の仕事を3回こなすとEランクになれる。

Fランクは子供のお手伝い用、街中の仕事だからな。

Eランクで初めて外の仕事ができるようになるんだ。


1つ目。

お決まりのこぶし大スライムを足で踏みつぶす。

地下倉庫で増えすぎて困るので踏みつぶして数を減らすのだそうだ。

2つ目。

この世界にも四季っぽいものがあるみたいだ。

子供たちが落ち葉を掻き集めてくれるので、俺はそれを運んで燃やすのが仕事。

3つ目。

馬車で運んでくる荷下ろしを手伝う。



で、俺って戦えるんだろうか?

初めてEランクになった人用に講習会があるので、剣の扱いを教えてもらう。

木刀だけどな。

近場にいる獣が魔獣になった奴と、薬になる植物の基本も教えてもらう。


お金はまだあったので銅の剣を安く買ってみる。


「お客さん、その剣すぐダメになりますよ」

「いいんだ。初めての練習で角ウサギでも倒そうかと思ってる」

「それならぴったりで。それに慣れたらまた見に来てくださいよ」


この世界に慣れてから聞こうと思っていたことを俺はやっと聞いた。


「そうえばオヤジ、勇者ってどこいるかわかる?」

「あ?この国は聖女排出の国ですぜ。勇者と言ったらフローリア国あたりかな」

「なにいいいい」


あの神の下請けめ、つぎ会ったらぶっとばす!




もし、少しでも面白かったと思っていただけたのなら、

『ブックマーク』と【評価】何卒応援よろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ