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14.勇者

芋国セルベスの王様、クロー・イ・セルベスは苛立ちながら臣下にどなる。

ラージ街より王都のほうに魔獣が多く来てしまい被害が増えたからだ。


「王都を守るのがラージ街の使命だろうが!」

「王よ。そうは申されましても魔獣を操作できるわけもなく、たまたまとしか…」



八つ当たりされてラージ街に帰省するアレンの父。

王都の警護から戻って来たロクナシ卿は、息子のアレンが活躍したと聞いて大喜びだ。

二人のギルド長に誉めそやされて、王都の被害が多かったことへの苦情はきれいに忘れてくれたようだ。


ラージ街では絶賛肉祭りが起こっている。

冷蔵技術が発達してないのだからしょうがない。燻製施設も満員御礼。

大量にあるオーク肉は腐らせてももったいないので、あちこちで無料で振舞われている。



ラージ街ギルド長に頭を下げられて礼を言われた。

ここまでするのなら俺だって大人だ。今までの事は水に流してやるか。


「リュウ君。本当に今まで失礼した。君が作戦を立ててくれたそうだね」

「今回はアレンがいなければ成り立たない作戦でした。ですから礼ならアレンに」

「うぐっ。そ、そうか。あの子が」


ギルド長も散々手を焼いてたようだ。

ここはアレンのイメージアップを図っておこう。


「そうです。アレンはこのラージ街の勇者です」

「リュウ君への褒美はなにがいいかね?」話題替えやがったな。


「それなら<シールド>を使っていた子を紹介してもらえませんか?」

「それだけでいいのか?きちんと別に討伐費用は出すぞ」

「ありがとうございます」


褒美なのかは知らないが、アレンは無事にDランクになったようだ。

あとは『成人の儀』を受ければダンジョンデビューできる。


後日、聖女になり損ねたダリアをアレンに紹介してもらう。

ニノ兄弟も入れるとチームに魔法系が3人か。

前衛が弱いか。

斥候欲しいな。



大金が入って懐が温かくなったので、チームの奴らと旅行に行く話が出てる。

新しいダリアが入ったばかりだし、親睦を兼ねるのはいいことだ。

で、その行先なんだが、この国に接する隣国アピオスに聖なる滝が巡礼地としてあるのだ。

とても美しいところで、馬車で行くと一週間はかかるが、船なら河を遡って2日で行けるそうだ。帰りは1日。


この世界の観光をほとんどしてなかったので、俺はよろこんで参加する。

社員旅行と違って純粋に楽しめそうでいいな。

ダリアも友人を誘ってくるとか。

男4いるから女子2はうれしいね。

会うのが楽しみだ。





緑髪のふわふわした髪をゆらしながら、癒しの雰囲気満載なダリア嬢。

もう一人ネメシア嬢と名乗る女性は紫のストレートが似合う。

急に華やかになったな。


「ネメシアと言います。ネメって呼んでください。よろしくです」

「ダリアと申します。よろしくおねぎゃ・・・、あ、おねがいします」


ちょ。噛んでる。

俺は笑いをかみ殺して挨拶をした。

アレンとノニ兄弟はすでに会っていたらしい。

まあ、俺が紹介を頼んだんだけどな。


ダリアは聖女候補生だったが、<浄化>スキルが使えなかったために聖女落ちしたそうだ。

それでも<回復>や<シールド>が使えてものすごく頼りになる。

ネメさんはただのお友達だろうか?

今回は旅行なんだし、楽しんでもらえたらいい。


残り男3匹はまあ適当に遊んでくれ。ストレス発散も大事だからな。



当日。港町の渡し船の桟橋にで俺はあんぐりと口を開けた。

ただの渡し船というより豪華客船だ。

さすが観光地だ。


やたら運賃が高いと思ったがそういうことだったのか。

一人一室。

ゲームコーナーや毎日無料の催し物もあるそうだ。

食事はバイキング。


旅行なんだし、楽しんでも罰はあたるまい。


船上では賭博も合法的なんだそう。

白と黒というルーレットを回して当てるゲームは単純だけど面白い。

やばい、はまりそう。


ネメは賭け事の才能があるらしい。儲けまくっていた。

くそーうらやましいな。

ニノ兄弟は俺と同じく華々しく散ったようだ。



隣国アピオスに到着。

国境には2重構造の門がある。


『浄化の門』犯罪者が魔法で変装してるのを見破るためにある。あと軽微な状態異常もついでに正常になる。

『魔力の門』魔力が一定以上あるものを選別するためにある。力のある人をむやみに国外に出さないようにするためだ。



魔力のない俺は何事もなく通過。ネメとニノ兄弟も普通に通過。

アレンとダリアは呼び止められていた。

あの二人は魔力が高いんだな。


『成人の儀』前の子供だと規則は緩やかですぐ解放される。

職業が決まってないせいだ。

ダリアはあきらかにほっとしていた。


「セルベス国は聖女を絶対異国に出さないような仕掛けがあるんです。聖女じゃなくてよかった。

 聖女になると国の物扱いで、異国に出荷されたりするんです」


芋国セルベスは聖女を量産して他国に貸し出し、外交する国だ。

物扱いとまでは言わないが、「聖女を出荷する」ってひどい表現だ。


あれ?もしかして?

なんとなく嫌な予感がするな。


「私はセルベス国ではなく、ここアピオス国の聖女になりたいんです」


うわああああああ!

フラグ立てるんじゃなかった!

せっかくアレンの回復役を見つけたのに。

がっくり。


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