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13.集団暴走(スタンピート)

俺も一応先生としてアレンに成人のお祝いを贈りたいが何がいいだろうか?

港町をブラブラ歩いてみる。


この異世界ならではの便利グッズがあるのかと店を覗く。

アレンが独り立ちした後に山に住むのも悪くないなと考える。


異世界だと雨の日はマントを羽織るようだ。

結構重い。

移動だけで狩りは無理そうだ。


レインコートや登山靴、バックパックもない。

登山に絶対必要なルートすらないのかもしれない。

いつぞやの先輩と行った山は『修行の山』と言われていて、ほぼ崖なので魔物すら寄り付かないそうだ。

ベースキャンプにしていた山の中腹、川のある平らなところは削って作ったという話を聞いた。

すごいな。


合間に食べられるキノコや植物の講習も受ける。

アレンに勉強しろと言っておきながら、我ながら恥ずかしい。





そうこうしてるうちにギルド緊急招集がかかる。

またあいつらかと思ったが、今回は集団暴走スタンピートが起こりそうなんだとか。

ラージ街を通って王都に向かう可能性が出てきたそうだ。

アノマラドギルドに集まった冒険者たちと話してみる。


集団暴走スタンピートの起こる原因はわかってるのか?」

「ガルーダという強い魔物が住み着いたらしい。そのせいでこちらに魔獣どもが押し出されてくる」

「そのガルーダって倒せないの?」

「馬鹿いえ!Sランクの王国騎士団とまともに戦える魔物だぞ」


王国騎士団もラージ街に来るのかと思ったら、あくまで王都を守るだけらしい。

聖女も王都に集められている。


「あれ?ラージ街は?」

「ラージ街は冒険者と衛兵で対処するようにと指示があった」


ラージ街で倒し損ねた残党だけを倒すってことですね。

俺よりずる賢い王様だな。


「なあアレン。光魔法使えるよな?」

「まぶしいってだけだけど。役に立つのかな?」


魔物に追い出されるのなら魔獣もいい迷惑だろう。

よし、ここはひとつ。

ギルドにいたヒマシ先生にこっそり話を持ち掛ける。


そしたらアノマラドギルド長が出てきてくれて、話に乗って来た。

俺の話は街に来る前に魔獣の方向を変えられないのかって話だ。


「全部は無理でも多少方向を変えたらラージ街直撃はないよね?」

「だがそうなると王都に向かうのでは?」

「王都は『聖女』や王国騎士団が大量に集められているのでしょう?せっかくいるんですから、ね?」

「こちらだけ犠牲になるのもあれだしな」


俺はにやりと笑う。

アノマラドギルド長もにやりと笑う。

気が合いそうだ。


失敗しても当初の予定通りだからなにも損はないのだ。

そのときはラージ街ギルド冒険者にがんばってもらえばいい。

アノマラドギルド長が選抜したチームで先にガルーダのいる森に向かう。

それぞれの魔法特性を確認しながら、ギルド長と案を練る。


本当はアレンを出したくないが、魔獣に好かれるアレンは必須だ。

もしアレンが死んでもそのときはあの白い部屋に戻って巻き戻してもらえるだろう。

アレン、すまん。



当日に向けて俺たちは森の傍で練習を重ねた。

今でも森から飛び出してくるオークが多い。

少し方向転換するように俺も<威圧>の練習をする。


チームには聖女にはなれなかったが<シールド>という魔法障壁スキル持ちもいる。

この子はアレンと仲良くなってもらいたいな。


離れたとこにアレンが待機。

魔獣はこちらにくるよりも、本能でアレンのほうに向かうだろう。

竜馬と呼ばれるとても速くて丈夫な馬に騎乗して、王都に向かって逃げてもらう予定だ。




集団暴走スタンピートはいきなりはじまった。

魔獣はどこに向かっていいのかわからずに、お互いぶつかったりしながら森を飛び出してきた。

最初はワイルドボアというイノシシ型の魔獣だ。


小さな岩場に隠れながら、

まずは先頭の小さな塊に魔法を横からぶつけていく。

火、水、風、氷とそれぞれの特性だ。

魔獣はひるんで方向転換し、アレンのほうへ逃げていく。

先頭が向かったほうへ他のオークなどの魔獣も向かっていく。


あれ?ずいぶん多いな?


それでも俺たちの嫌がらせを上手く避けてラージ街に向かう魔獣もいるので、半々くらいかな。

ラージ街に向かった魔獣は予定通り冒険者にお任せしよう。

幸か不幸かアレンがちょくちょく魔獣を引き連れて門に向かっていたため討伐に慣れてる冒険者が多い。



暴走は初めて見たけど、向こうは狙ってこちらに来るわけではない。

あくまで逃げてこちらにくるのだ。数日それが断片的に続いた。


アレンは上手く逃げて、頃合いを見て戻ってくる。

光の反射を利用して途中で消えたように見せてるためだ。

アレンが消えても魔獣の走る勢いは止まらない。王都までまっしぐらだ。


馬を交換しながら頑張ってる。

アレンの無駄にある体力に感謝せねば。




やがて飛び出してくる魔獣の数も減って来たので、あとは普通に狩りをする。

豚肉わっしょい。

昼夜構わず魔獣が飛び出すせいで俺たち一団はへとへとだった。


よろよろしながら口を開く元気もない俺たちはラージ街に帰還する。

ラージ街のギルド長がアノマラドギルド長に感謝して硬く手を握っていた。


どうやら街は死者もなく、ある程度の被害で済んだようだ。

壊れてる箇所を修復する復興作業が始まっていた。



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