私はただの植物じゃなくて精霊でした
これでやっとサブタイトル回収できますね(と言ってもまだ7話目ですけど)。
私は頭の中が非常に混乱している。馬を見て思わず牛と言ってしまいそうなくらいに混乱している。説明が欲しい。三歩歩くと忘れる鶏でもわかるくらいの(あれ?あんまり関係ないかも)説明が欲しいです。
——すみません。取り乱してしまいました。ちゃんと詳しく説明いたしますので落ち着いてください——
セフィロ(私が主なのだから呼び捨てでと言われた)の説明を簡潔にまとめると、私はこの森――グリュネの森林というらしい——の最奥にいる大樹の大精霊の子供で、自機大精霊候補だったらしい。だったらしいというのは、今さっき私が次期大精霊で確定したからだそう。
決め方は大樹の大精霊の子供の中で一番早くセフィロを呼べたものが次期大精霊になるそうだ。今までもこの決め方だったようで、それじゃあ大精霊より力を持った通常精霊が現われないのかと言えば、それは無いらしい。精霊は力の強さ=成長の早さだからだそうだ。
ちなみに他の候補は、と言うとほとんどがまだ自我を確立できておらず、中にはもう草食の魔物にパックんちょされてご臨終になったのもいるみたい。一部は私のように自我を確立できているが、まだ成長状況が芽だったり、草食魔物を撃退できずに(省略)。私運良くてよかったぁ~。
あと、私はセフィロ以外にも眷族を5種類呼べるらしい。マンドラゴラ、トレント、ケサランパサラン、サボテンランナー、アルラウネだそうだ。それぞれ呼んでみると、セフィロの時とは違って群れで出てきた。1種類につき約30体ずつくらいいるらしい。なんとも壮観な光景だった。急に群れで出てきたことには驚いたが、それぞれの種族のリーダーに名前を付けた。その方が連絡が回りやすいとはセフィロ談。
α
β
γ
δ
ε
そんなこんなではあるが、私はまだ若木なので、人型をとれるようになるまでは(人型になれると聞いて私は歓喜した。思わずルドウィグ・ヴァン・ベートーベン作曲の交響曲第九番第四楽章を口遊むくらいには。まぁ口なんてないんだけどね)大精霊を継ぐことは無いらしい。普通、精霊が人型や動物型をとるようになるまでには自我を得てから100年以上は少なくともかかるらしいけど私は少し特殊だから早まるかもしれないとセフィロが言っていた。
でも私はとりあえず人型になれるようになったら、大精霊を継ぐよりも先にこの世界をいろいろ見て回りたいと思っている。これについては唯一私の事情を話したセフィロも賛同してくれているので実現可能だろう。
まぁどうするにしても人型になる必要があって、そのためには少しでも多くの(たぶん実際には途方もないくらいの)EXPが必要。そのEXPを可能な限り得るためには魔物を倒して養分にするのが一番効率がいい。でも私は全く動けない。ならば、と私は考えた。私からいけないのならこっちに向かわせればいいじゃない(マリー・アントワネット風理論)と。
ということで私はセフィロを除いて(万が一の時のための最終防衛ラインとして必要だから)魔物たちを追い立てることができそうなサボテンランナーたちに頑張ってもらっている。もちろん草食魔物限定で。そしてのこのこやってきた草食魔物たちにシード→グロウ→吸収+変換の脳死コンボで跡形も無くEXPに変換している。
できれば早く人型になりたい。動けないのってホント嫌だから。
私は単純なのでブックマーク登録や評価、レビューや感想が入っているとテンションが上がってやる気が上がります。ですので、是非是非くださると歓喜します。思わず部屋でガンガン交響曲第九番を流すくらいには。
私に質問がある方はネタバレ以外ならある程度受け付けますよ。