到着は当日、時間ギリギリ
遅くなってしまいましたが、大精霊会議編開始です!今まで通り不定期投稿になります(いつも書きあがってから投稿しているのでどうか容赦お願いします)。
セフィロもフィアも移動速度はとても速いのだけど、それでもグリュネの森林を出て6日、出発したのは朝で今は夕方だからプラス半日。やっと今回の大精霊会議がある闇の大精霊の住処であるノワル鍾乳洞に着いて入ったのだけど、思ったより広くてビックリした。
「え、ここほんとに鍾乳洞?広くない?」
私が知っている(と言ってもあの部屋には情報メディアは一切なかったので本の知識だけど)鍾乳洞はもっと狭くてこんなドラゴン状態のティアお姉ちゃんが軽々通れるところではないのだけど。
「ふふ、リア、ここを普通の鍾乳洞と一緒にしてはダメよ。なにしろここは闇の大精霊の住処なのだから。大精霊の住まうところはどこもだいたい広くて大きいわよ」
なんと!この鍾乳洞もおかしいくらいに広いけど、他の大精霊の住んでいるところもここと変わらないくらいに広いってことね。
「それよりもお母様、セフィロは迷う素振りもなく入り組んだ道の中から道を選んでいますが、大丈夫なんですか?」
「えぇ、私もセフィロも永い間生きているから、ここに来るのも1200年くらいぶりなだけで、何回も来ているから慣れているの」
へぇ、じゃあ私も帰るときにでも探検して道覚えようかな。でも、愚者の瞳でマップは分かるからやっぱいいや。
実はこんな風にのんびり移動しているけど、進路上の魔物たちを片っ端から排除していっている。正直これ以上強くなる必要はない気もするけど、手札が多いに越したことはないから狩っている。
「そういえば、お母様、大精霊会議では何を議題に話すものなの?」
「特に決まってはいないわ。大精霊会議間のここ100年のできことだったり、お互いの愛し子だの気に入った子、加護を与えた子の話だったりするわ」
「え、それって会議っていうより、集会とか交流会っていうんじゃないの?」
「リア、そこはね、暗黙の了解ってヤツよ。たぶんみんな同じように思っているのだろうけど口には出さないの」
衝撃の事実!大精霊会議とは完全に名ばかりで、その実態は大精霊同士で開かれる集会や交流会であった。なんか夢が壊れていく時と同じような感覚だなあ。
α
β
γ
δ
ε
しばらくすると、大きな広間に出た。その広間の中心には氷でできた一目でわかる綺麗で立派な円卓があって、1席を空けて11席に男女がすでに腰かけていた。あれ?もしかしてこれ遅刻しちゃった?
ちょっと慌てていると、おじいさんのような見た目の茶色の髪と眼の男が口を開いた。
「大樹の、いつもなら開催3日前には来ていたお前さんが今回は当日のしかも開始ギリギリに来るとは珍しいな」
「ちょっとした用事があってね。ギリギリになちゃったのはごめんなさいね」
茶色のおじいさんに軽く謝るお母様。いつも早めなのに今回ギリギリってことはもしかして私のせいかなぁ。
それでお母様は円卓の空いた席の椅子を引き座わ…………………………らずに私を座らせて後ろに下がる。そのことに11対22個の色とりどりの眼が私とお母様の間を行き来している。
あぁ~もう、居心地悪い!前途多難だなぁ。
豆情報!全大精霊の住処は以下の12か所になります。
・グリュネの大森林 —大樹の大精霊—
・ルージュ火山脈 —火炎の大精霊—
・パレント天空殿 —天風の大精霊—
・マロンの枯渓谷 —大地の大精霊—
・オロンジュ荒原野 —灼熱の大精霊—
・ブランの鏡明湖 —光輝の大精霊—
・グレイの大砂漠 —錬鉱の大精霊—
・ヴィオラ湿地帯 —酸毒の大精霊—
・ジョーヌの高原 —万雷の大精霊—
・ノワル鍾乳洞 —冥闇の大精霊—
・ブラウの深海域 —流水の大精霊—
・クレール氷雪山 —凍氷の大精霊—
大精霊会議は100年ごとに以上の場所で交互に変えながら開かれています。同じところで開催されるのは1200年後になります。
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