異変の兆し(笑)
リルフィリアが大樹の時に見た村での出来事です。
「た、大変だぁ!グリュネの森林の浅層中部辺りでデッカい木が突然発生しやがった!」
ここは精霊が住まうとされているグリュネの森林に一番近いオルバレストン王国の最辺境の村、グルン村の冒険者組合の支部だ。今、斥候の格好をした男が入り口から受付まで走りこんできてそんなことを言った。
「えっと、その木はどういったものだったのでしょうか?」
「近づこうとしたんだが、急にトレントやらサボテンランナーやらが多数現われたもんで逃げるので精一杯だったんだ」
冒険者組合には登録者をランクで分けており、F、E、D、C、B、A、S、EXの8段階になっているのだが、ここは世界全体で見れば中規模でしかない国の、その中でもとりわけ人が少ない最辺境なのだ。せいぜい高くてもDランクまでしかいない。
さらに冒険者組合では魔物を危険度に応じて冒険者と同じランクがつけられており、有名どころだと、ゴブリンはE、スライムはD、オークはD、ホーンラビットはF、ワイバーンはB、ドラゴンはA~EXとなっている。
トレントもサボテンランナーもランクはDだが群れで出てきたのでランクがEの斥候の彼は逃げざるを得なかった。
「多数ってどれくらいいたのですか?」
「合わせて20匹以上はいたと思う。まるで同じ群れの仲間かとでもいうかのように異種族なのに連携して追ってきやがったんだ」
「な!?もしかしたらスタンピードの可能性があるかもしれませんね。至急調査しなければ」
斥候の彼の情報に驚くが流石受付。すぐに取り繕って対応を考えた。その後、調査隊としてDランクの冒険者を多数送り込んだのだが、得られた情報は特になく、全員が全員トレントやサボテンランナーたちに追い返されたのであった。
α
β
γ
δ
ε
「た、大変だぁ!グリュネの森林の浅層中部辺りにあったデッカい木が突然消えやがった!」
どこか聞き覚えの、既視感のあるセリフでグルン村の冒険者組合の支部に3年前と同じ斥候の男が3年前とほとんど同じように入り口から受付まで走りこんできた。
「あの気が消えたんですか!?」
「あぁ、その上にアルラウネやらケサランパサランとかも多数いてヤバい感じだった」
斥候の彼は木が消える瞬間を目撃したので、調査に行こうとしたら異常な量の魔物を見たため、急いで来たということだ。
「もしかしたら本格的にスタンピードになる可能性が出てきましたね」
「しかも魔物の中にはイビルトレントやサボテンスプリンターとかもいたぞ」
イビルトレントはトレント、サボテンスプリンターはサボテンランナーの上位種でランクはB⁺とB。この村での対応は最早無理だと言えた。
「そ、それでは、村落を移動しなければいけませんね。村長と領主様に連絡を入れなければ」
1ヶ月後、1つの村がオルバストレン王国の地図から永遠に消滅した。
誰のせいでこうなったんでしょうね(棒)。植物系の魔物ばっかりで他の系統が一切見えないなぁ(棒)。
ちなみに斥候の彼が頭がおかしいくらいに速いサボテンたちから逃げきれたのは彼のQUIが異常なまでにあったのと(あくまで人族基準)、サボテンたちが見逃してあげていたというのがあります。
あ、あとこの斥候の彼はかなりあとに出すかもしれません(作者の気分次第です。もしかしたら存在忘れるかもしれないので、出てきてほしいと思った方は私に教えてください)
作者とこの作品の質の向上のために評価と感想が欲しいです。どんなものでもいいのでまず送ってください。かなり真面目にお願いします。




