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40コマ目 隙自語

三人称なのでいつもの定型文はありません。

 

「「「「「守!」」」」」


 瑠間を除く光、俊太、移図離、太郎、火太郎が大声で呼びかけたがそれに答える声は無かった。

 少なくとも彼に意識は無いことを確認すると、次に彼の様子を調べる。


「怪我は無いみたいね。」


「多分、意識を持って行かれてる感じだと思う。今の体は抜け殻みたいになってるみたい。」


 外傷が無い事を確認すると、全員安堵の息を漏らす。


「とりあえず死んでるわけじゃないんだな。心臓も動いてる。」


「触るとこおかしくない? セクハラ?」


「なんでそうなる!?」


「だって普通手首とかで脈を取るよね。」


「………その手があったか。」


 守の胸に手を当てて心臓の鼓動を確かめた太郎が瑠間に文句を言われた。

 本当に彼に他意は無いのだが、訝しむ視線は止めてくれない。守の見た目が見た目なだけに確かにセクハラに見えなくも無いからだろう。


「…こうして見るとヒロインっぽくてムカつく。」


「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!?」


 またも見た目による弊害が。

 女性陣…と言うより移図離から非難の声が上がる。


「………ん? 皆? 来たのか?」


「「「「「「守!?」」」」」」


 誰も何もしていないのにあっさり目覚め、起き上がった守に6人は驚く。


「……なるほど、瑠間が呼んできてくれたのか。ありがとな。」


「それは良いけど、どうしていきなり目を覚ましたの?」


「ああ、それはな…」


『我が許したからだ。』


「「「「「「!?」」」」」」


 脳内に響いた声が守が意識を失っていた原因である神…もしくはそれに類する存在であることを察する。


『この者の記憶を見せてもらった。どうやら本当に無実らしいので解放してやったと言う訳だ。』


 自分が悪いのにこの尊大さである。これが神か。

 …と守は思っているが決して口に出さない。何故なら本当にお詫びが貰えたとして、それが呪いじみた変な祝福とか妙なものだったら困るから。

 彼の経験上なんとなくそうなるのは読めていたので、ここはそそくさと退散しもう関わらないのが一番だと思ったのだ。


「そう言うことだから、早く行くぞ。今ので結構遅れたし、暗くなる前に山を下りたいからな。」


『まあ待て、せっかく来たのだ。少しは昔話を訊いて行くと良い。』


(寂しがり屋…)


 面倒だという様子は隠し、とりあえず話に付き合う姿勢を見せる。


『そこで楽にしているとよい。あれは今から数百年前――――』


 …この後神社や神の過去について延々聞かされ、神社を出た時にはもう真っ暗になっていた。

「ヒロインっぽくてムカつく」が書きたくて書いた。後悔はしていない。

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