38コマ目 遭難
なろうのランキングが追放&ざまぁ一色…
いや、面白いですけど。批判とかじゃないですけど。
俺の名前は高壁守。色々あった人だ。
今日は親友5人と一緒に登山に来ている。
『…守、どうするの?』
(どうするったってな…)
そして、現在遭難中だ。
久々の登山に張り切って進んでいたら皆より先に進んでしまい、ついでに順路からも外れていたようで完全に迷ってしまっていたのだ。辺りには誰も居ない。
(一応上目指してみるか? 山頂まで行けば合流できるだろ。)
『遭難した時って下手に動くの駄目じゃなかったっけ…』
(それは聞いたことあるけどさ…本当にここで待ってたら助けが来るとしてもしばらく後で、最悪数日間このままって可能性もある訳だろ?
だったらもう頑張って山頂行った方が良くないか?)
『一理あるかもだけどさ。』
普通は悪手かもしれないが、俺には能力という反則技がある。
最悪の場合障壁で足場を創って山頂へ行くことは出来る。障壁を滅茶苦茶高く伸ばすことで居場所をアピールし、見つけてもらうことだって可能なはずだ。怪しげな週刊誌のネタになりたくないからあんまりそういうことはしたくないが。本当に最終手段である。
であれば多少ルートから外れても山頂を目指すことは悪い事じゃない気もする。だからこうして考えている間にも向かっている訳だが。他に誰も登ってないから不安になってるだけで、もしかしたらちゃんとした順路なのかもしれないしな。この山あんまり人気って訳でもないし。
(…ん?)
そうして進んでいると、開けた場所に古びた神社のような建物を見つけた。
外観からして中は結構広そうだが、建物と言っても廃墟同然だ。ところどころに苔が生え、何ヶ所か穴が空いている。
鳥居には蔦も這っているし、そんな今にも崩れ落ちそうな場所に入ろうとは思わないが。
『どうしてこんなところに?』
(この山なんか祀られてるとかあったかなぁ…)
山自体は近所…と言っても良いのか分からないがそう遠くない場所にある。
そんな俺でも知らないのだから、調べてみれば何かしらの逸話というかローカルな伝承というか、そういうのはあるかもしれないもののかなりマイナーだろう。
(拝んどいた方が良いのかな…?)
『漫画とかだとそれでなんか起きたりするよね。ゲームだったら調べるとアイテムがあったりとか。』
(放置が一番か…)
非日常は飽きる程体験したので、のんびりと穏やかな日常を送りたい俺としてはそういう事件はノーセンキューだ。
すぐさま立ち去る為、神社の周囲から山頂へつながりそうな道を探していると。
『…待て。』
聞き覚えの無い声が頭に響いた。
(瑠間? なんか言った?)
『…ううん、何も。
誰だか分からないけど、気を付けて。私にも聞こえた。』
瑠間の言葉を聞いて気のせいではないと思い直し、身構えて一応周囲を警戒する。
俺以外に人や動物は居ない。あるのは古びた社だけだ。
『ここに何をしに来た?』
続けて、また聞き覚えの無い声が聞こえる。
最初は不意に話しかけられたのでよく聞いていなかったが、厳かさを感じる声だった。
ずっと前、元女神のリリナから聞いた言葉を思い出す。
『神って言っても色々いるんですよ。
以前の私みたいに世界を管理している神も居れば、何かを司っている神、名前も無くただただ存在しているだけの神だって居ます。』
俺自身、それをいつ聞いたのかは思い出せない。偶然居合わせた時だったかもしれないし、何人かで一緒に居る時だったのかもしれない。
だが、この場に置いてはどうでも良い。
この声がこの神社に祀られている神である可能性が高い事。その一点以外は。
「何しにって…登山だけど。」
『ついでに言うなら遭難だね。』
『この社をどうする気だ?』
「どうするもなにも…何もしないけど?」
『そうか? では何故先刻から辺りをうろついている。社への入り口を探しているのではないのか?』
あー…そう取られたか。通りで妙に喧嘩腰な訳だ。
「違う違う、山頂に行ける道を探してただけだ。」
『…本当か?』
「ああ。」
『では、貴様から溢れる神の力はなんだ?』
「…!」
魔力の代わりに流れてる神の力の事がバレている?
神なら誰でも分かるのか? 俺が人の気配を感じ取れるように。
「たまたま持ち合わせてるだけだ。昔色々あってな。」
『言い訳にしては弱い。さては我の力が目的だな?』
『なんか話の流れがおかしなことになってきたね…』
妙な誤解を確信されているという質の悪い状況だ。
下手に信用させようとしても逆効果だろう。こちらの言動は全て曲解されると考えて良い。
ならばすることは一つ。さっさとこの場から引き上げることだ。
(最終手段を使うか…)
『それしかなさそうだね。まあ、山頂まで行かなくてもここから離れるのに使うなら良いんじゃない? 人気は無いし。』
登るのに適さない急勾配の坂を見据える。
「じゃあな。信じてもらえるかどうかは分からないけど、俺はもう二度とここに来ないし、ここの事は誰にも言わない。」
『待て!』
そう言って能力を使おうとしたところで、体が動かなくなる。
「なっ…何をする!」
誰のせいなのかは明白だ。
口は動くようなので厳かな声の主に問う。
『今、神の力を使おうとしたな?』
「ここから出て行くためにだ!」
『嘘をつくな、社を隠滅しようとしただろう?』
「してない!」
『言い訳は要らん!』
それきり、いくら呼び掛けてもあの声はしなかった。
動けない体に謎の力が働き、意識が遠くなっていく。
最後に俺は能力を使おうとして…間に合わず、そのまま意識を手放した。
新テイストです。
昔はこんなかんじだったかな?




