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32コマ目 人助け

昨日のじりゅー「もうむりねむい…ちょっと休んでから書こう…」


熟睡しました。

 俺の名前は高壁守。色々あった人だ。


「お前毎回ナンパの度に俺を呼ぶのなんなの?」


「友達で恋愛経験者っていうと守以外に居ないからね…」


 今日も火太郎のナンパに付き合わされている。

 俺は基本的にナンパが嫌いだ。強引な奴はもちろん、そうじゃない奴も印象が悪い。

 そろそろ火太郎をそういう奴らの仲間と判断して殴り倒すのはありかもしれない。火太郎と一緒に女子に声かけてる場面を津瑠が見たらどう思うか…

 ………もう次は断ろう。親友のよしみだと思っていたが限界だ。


「………ん?」


 不意に服の裾を引っ張られる。

 火太郎はその反対側に居るし、他の知り合いも絶対とは言わないがこの辺りにはいないはずだ。

 振り向いても誰も居ない…と思ったが、視線を下に向けて気付いた。


「…ちがう。」


 俺の服を掴んでいたのは小さな女の子だった。

 今にも泣いてしまいそうな目でこちらを見ている。察するに母親か誰かと見間違えたか…


「どうしたの?」


 聖母のような笑みを意識しつつ柔らかい口調で女の子に話しかける。


「守がただの優しいお姉さんにしか見えない…!?」


 ちょっと後で裏に来い火太郎。

 とは思いつつも女の子が怖がらないよう心に留めておく。


「ママ、いなくなっちゃって…」


「お嬢ちゃん、迷子? 良かったら一緒にママ探してあげようか?」


「ほんと!?」


 こういった心細い状況において味方が増えるというのは大きく、精神を安定させるのに効果的だ。

 なんて打算的なことはともかく、純粋に困ってるようなので力になってあげたい。泣かれたらバツが悪いというのも無くはないが。


「守、大丈夫なの?」


「大丈夫だ。気配察知を使って焦ってる女性を探せば良いんだろ?

 自分の子供が居なくなったら慌てるし、もしかしたらその辺の人に聞き込みをしてるかもしれない。

 そうだな…ちょっとこの子に特徴を訊いて上から探すから、その間この子を頼む。」


「分かった、じゃあ頼んだよ守。」


「ああ。

 …お嬢ちゃん、ママってどんな人?」


「怖い時もあるけど、優しいの!」


「…そうじゃなくて、こんな色の服着てたとか、長めのスカート穿いてるとか。」


「えっとね、たしかピンクいろのふくだったかな…?」


「ありがとう。じゃあちょっと探してくるから、お兄さんと待ってて。」


「え…? おねえさん、いっしょじゃないの…?」


「大丈夫、その人も優しい人だから。」


 なんかちょっと懐かれてるところを見るに、女の子を連れて行った方が良いのかもしれないが…

 …流石に女の子を抱えて屋根から屋根(着地は障壁創ってその上にする。前にうるさいって怒られた…)に飛び移るのは危険だし怖がられるかもしれないからな。なら火太郎に預けた方が良い。


「じゃあ、行ってくるね!」


「おねえさん!?」


 飛び上がって気付いた。地面から屋根に飛び上がるのは良いのかと。

 …一応塀とか他の屋根とかも経由してるので良いとしよう。女の子だから真似はしないだろうし。







「こっちです!」


「あ、舞!」


「ママ~!」


 予想はしていたが、女の子の母親はそう遠くない場所で娘を探していた。

 気配察知と女の子から訊いていた特徴を照らし合わせ、あっさり特定出来たので待っていた女の子…舞と合流させることが出来た。


「ありがとうございました、守さん。」


「いえ、当然のことをしたまでです…」


 名前は母親に話しかけた際に行った。名乗る程の名ではない…とはちょっと行ってみたかったが我慢した。

 素直なお礼ってちょっと顔がにやける。嬉しい。


「それと、火太郎さんですよね? 娘を保護してくださってありがとうございます。」


「いえ、僕はあんまり…舞ちゃんもとてもいい子だったので。大人しく待ってくれましたよ。」


 火太郎もちょっと照れながらお礼を受け取る。


「ありがとー! おねえさん、かたろー!」


「「どういたしまして。」」


 やっぱりいいもんだな、感謝されるって。

 恐らく俺も火太郎も同じような顔をしているだろう。多分火太郎も同じことを思ってるだろうし。


「あたし、おおきくなったらかたろーみたいなおにーさんとけっこんするー!」


「舞!? ご、ごめんなさいね、子供の言うことだから…」


 ああ…その手にあるソフトクリームに買収されたか。

 いや火太郎にそんな意思は無かったんだろうけど。ぐずられて買ってきたと見た。


「い、いえいえ…それより、もうはぐれないでくださいね。」


「はい、ありがとうございました。」


「ありがとー!」


 大きく手を振る舞ちゃんと、何度も頭を下げながら去っていく母親を見守る。

 2人の姿が遠くなり、前を向いたら俺たちも視線を外す。


「…良かったな火太郎。女の子に好かれたぞ?」


「流石にあの年はちょっと…せめて同年代か1、2個下にさせて?」


「まあまあ、分かってるけどさ…本気にするなよ?」


「しないよ!!」


 この後も粘ったけど、結局火太郎が運命の人を見つけることは無かった。

 …もう断ります。次回以降はありません。

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