31コマ目 寛容?
俺の名前は高壁守。色々あった人だ。
「光、この前逢ちゃんに会ったんだけどさ…」
「え? 逢ちゃん? 懐かしい名前ね、元気だった?」
光は俺の幼馴染で、小学校ではクラスも一緒だったので逢ちゃんの事は知っている。太郎も知ってたはずだ。
せっかくなので一応話しておこうかと思い、話題に出してみた。
「ああ、あんまり変わってなかったな。」
「守は変わったって言われた?」
「……まあな。」
「でしょうね。」
「………」
反論は出来ない。異常なパワーアップをしたし、何より外見が真逆のベクトルに突っ走っている。
男らしい…とまではいかないが、もう少しモブっぽい顔を想像していただろう。いやこの顔も元の面影あるんだけど。
「それにしても、まだ“逢ちゃん”って呼んでるのね。津瑠に怒られても知らないわよ?」
「いや、怒られなかったぞ。」
「もう話してたのね。」
「ああ、俊太や移図離が変な伝え方する前にな。普通に世間話って感じで。」
「…なるほど。何でもないように話すのもポイント高いわね。」
「一応彼氏になってそれなりに経ってるからな。多少は気遣いを心得るさ。」
「成長したわねー…津瑠の気持ちにさえ気付けなかったあの頃とは大違いだわ…」
「光ママ…」
「ママは止めて。津瑠に言いつけられたい?」
「じゃあ急に親目線みたいなこと言うな。」
「だって感慨深いのは本当だし。」
「お前は俺のなんなんだ…」
「幼馴染だけど?」
「そうだけど。
あ、逢ちゃんの連絡先はいるか? 一応確認して良かったら送るけど。」
「え? 連絡先あるの?」
「あるけど…なんだ? 何がまずいんだ?」
「てっきり津瑠に消されてる物かと…」
「それだったらお前の連絡先とかも消えてるだろうな。
そもそも津瑠は俺の携帯なんて見ないし、見ても本当に浮気でもしてない限りは追及してこない。
津瑠曰く、彼女だからって彼氏を縛りすぎるのも良くないと思ってるんだってさ。」
「それでも女の子の連絡先が増えたら警戒すると思うけど…」
「……光、俺の女子の知り合い何人いると思う? 1人2人増えたところで今更だぞ。」
「あー…そういうこと。」
自慢じゃないが女友達はたくさんいる。
もちろん津瑠以外の女子とはそういう関係ではないし、そういう目で見たことも無い。津瑠だって最初はそんな目で見ることは出来なかった。
…今は異世界に行けないためそのほとんどの友達が会えない訳だが。旅路が長かったのでその分出会いが多かった感じだ。
そういう事情もあってか、津瑠は俺の交友関係についてはかなり寛容だ。なんせ最初は自分すら対象外だったからな。一筋縄じゃ俺が振り向くことは無いと思われているのかもしれない。気付いたら難攻不落になっていた件について。
…もちろん光も一緒に異世界に行っていたので、俺の異世界での交友関係は知っている。
「……守の見た目が女の子っぽいから、絶対女の子から異性として見られないって思われてるのかもしれないけど。」
「おいやめろ。」




