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3コマ目 彼女

 俺の名前は高壁守。

 色々あって(ry


「なあ、お前彼女とはどこまでいったんだ?」


「開口一番なんなんだ。」


 突然妙な質問をしてきたのは早木はやき俊太しゅんた。俺の親友の一人だ。太郎や光と違って中学の時に知り合い、なんやかんやでつるみ続けて今に至る。


「だってお前、彼女いるだろ?」


「ああ。」


 俺には彼女が居る。

 津瑠というのだが、出会った時に最低野郎から助けて以降ずっとアタックされ続け、折れてというか執念に負けてと言うか、そんな感じで付き合い始めた。

 元々彼女が嫌いと言う訳でもないし、一緒に居る時間は嫌じゃない。最初はややしつこめだと思っていたアプローチも、時間が経つにつれてなんだかいじらしく感じ始めたというのが付き合った理由だったりする。


「そうなりゃどこまでしたのか気になるだろ?」


「なんでだよ。」


 飛躍しすぎだ。重要な部分の説明がさっぱりなってない。

 俊太は所謂トラブルメイカーというやつだが、もしかしてそう言う論理を跳び越えてくるところに原因があるのだろうか。


「守は友達だし、津瑠も知り合いだし、そんな二人が付き合ってるんだろ?

 友達同士の付き合いだから気になるっていうのもあるけどよ、純粋に高校生ってどれくらい進むのかなって思ってさ。」


「…なるほど。」


 ただの飛躍じゃなくて、まあまあ納得のいく理由ではあった。

 それを面と向かって訊くあたりどうかとは思うが。


「隠すことでもないか、どうせ何も無いし…休みにデートしたり、一緒の時間を作ったりするくらいだよ。後は手を繋いだりとか。」


 聞く限りだとそんなんで良いの? と思われそうだが割とそれで充実する。少なくとも俺の場合は。


「はぁ!? お前、付き合って最低でも一年は経ってるだろ!? チューとかは!? もっと先の事とかは!?」


「黙れサル。

 俺たちはそういうので充分なんだよ。津瑠はそれ以上を求めてこないし、津瑠がそうなら俺だってそうするってだけだ。」


「えぇー…? お前ら健全過ぎない?」


「他の奴らに言ったら同じこと言われそうだな…なんか変に揶揄ってきたり面倒なことになったりしそうだから言わないでおくか。俊太、もし話したらキッツイ罰食らわせるからな。」


「へっ、そう言われたら話したくな…」


 ヘラヘラ笑う俊太の頭を思いっきり鷲掴みする。

 力を加えていくにつれて俊太の表情から余裕が無くなり、純粋な苦悶の色に染まっていった。


「いだだだだだだだ! やめろ化けもいーだだだだだ! ごめんなさい! 話しません!」


「…ならよし。」


 パッと手を放すと、俊太は頭を押さえてうずくまった。


「ば、化け物…」


「なんか言ったか?」


「いやなにも!?」

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