25コマ目 異世界での戦闘
ねっっっっっっむ。
俺の名前は高壁守。色々あった人だ。
「なあ守、異世界で魔物と戦った事あるんだよな?」
今、この前マナと一緒に見ていた狩ゲーをしている。
先行してゲームをしていたマナに追いつくため、ランク上げに協力してもらっているのだ。一人でもやってはいたがやっぱりこの方が一番早い。
プレイヤースキルに関しては問題無い。前作もやっていたため、難易度が上がっても大丈夫なはずだ。
「ああ、数えきれないくらい戦ったぞ。移動中とか度々襲って来るんだよな。
その時割と気配察知が役に立ってさ。先手を取ってあっさり戦いを終わらせることもあった。」
「こんな感じで戦ってたのか?」
こんな感じ、と言うのはゲームと同じような感じでかということだろう。
「んー…ちょっと違うかな。
こんなでかいのはそうそう会わなかったし、こっちの数が数だったし…」
「数? そう言えば何人くらいで旅してたんだ?」
「加わったり減ったりしてるから、一概に何人とは言えないけど…最大で20人弱?」
「多いな!? 何? ツアーだったの?」
「一応非戦闘要員も居たけどな。まあ、このゲームと違って魔法とか能力とかもあるし…」
「ああ…」
逆にボウガンとか槍とか使ってる奴も居なかったが。
そう言う訳なので少しくらいの魔物なら大勢で取り囲み魔法やら能力やらで倒して進んだ。他に特筆して言うことは無い。
…移動中の話だけなら。
「でも、流石に四六時中皆と一緒って訳でも無かったからなぁ…
俺一人とか、限られた人数とかで戦ったこともあった。その時は苦戦したな。」
「守でもか?」
「ああ。特に、異世界に来たばかりの頃はな。
最初は俺だって普通の人間だったさ。目が覚めて見知らぬ場所に居ると思ったら、突然魔物に襲われてな。あの時は能力も使えなかったし身体能力も普通、死んだかと思った。
けど、運よく助かったんだ。それからも色々な幸運に救われた。まあ、同じくらい不幸にも遭ってきたと思うけど…それでも、大事な思い出だよ。」
異世界の旅は辛いこともあったし、嫌なこともあった。
だけど楽しい事もあったし、嬉しい事もあった。なにより、多くの友達と共に過ごせた大切な時間だった。
異世界に行けなくなったから、彼ら彼女らに会いに行けなくなったから、尚更思う。
「……ちょっとだけ、その気持ちはわかる。
俺は異世界に行ったわけじゃないけどさ、リリナに会ってからは非日常の連続だった。」
リリナ。マナの家に住んでいる女神…いや、元女神だったか。
俺はそいつがマナの性別を変えたのではないかと睨んでいる。俺も女神に顔だけTSさせられたし…性格的にありえなくは無いと思うだけだが。
「それで、いろんな奴に会ったり、いろんなことをしたり…大変だったけど、振り返ってみると楽しかったしいい思い出だと思う。
だからかね、さっきの守の話に親近感を覚えるのは。」
「マナ…」
きっとその非日常を与えた者の中に俺も入っているのだろう。
それを聞いた俺は、なんだか温かい気持ちになった。
「なんですかなんですか? お二人して彼女が居るのにチューでもするんですか?」
バッ、と部屋の入口を見る。
そこには元女神――リリナが、開け放たれたドアの前で仁王立ちしていた。
「リ、リリナ!? これは別にそんなんじゃないぞ!?」
「へー? そう言う割には良い雰囲気だったじゃないですか。ほらハグでもなんでもすれば良いじゃないですか。」
「しねーよ。俺とマナはそんな仲じゃないし、お前が言った通りお互い彼女が居るんだからな。」
「………ならよし。
マナさんと守さんのカップリングは軽くBL臭するんですから自覚してくださいね! まあ見た目的には百合ですけど!」
「カップリングゆーな! そもそもそんなんじゃないって言ってるだろ!」
マナが言い終わるが早いか、リリナはバタン! とドアを強く閉めて去って行った。
「…あ。キャンプに戻ってる…」
「俺もだ!? 畜生やっちまった!」
画面から目を離してるうちに2乙してしまい、焦った結果俺がドジ踏んで無事3落ちしましたとさ。




