第十四話 勝負!主視点(読みやすい版)
読みやすい方です
(カタカナを平仮名にしたバージョンです)
…………最近あいつのせいでこの森の環境が荒らされて、食物連鎖が崩れている。それもあいつがメタリックワームなどの魔物をどんどん倒してしまっているからだ。
あいつの成長スピードは異常だ。このままでは私も倒されてしまうかもしれない。
そうしたら統制者がいなくなり、この森は終わりだ。その前にやつを倒してこの森の平穏を取り戻すしかない。確実にやつを倒すには……こちらもレベルアップしかない。
そのために多少の犠牲は致し方ない。ゴールデンワームを狩る。そしたら成長の呪いにかかると思うが、【退化】を使えばなんとかなる。
あいつのバックにいるプリマヴェーラ様は厄介だ。どう足掻いても勝てない。だから、【隔離結界】を使うしかない。そのためには、やはりレベルアップしかない。
ゴールデンワーム……すまない。【硬糸】
「キェエエエエエエッ!」
やつを倒すには仕方の無いことだ……。
早く倒さないとここの崩壊は早まるばかりだ。
そうしている間にも、縄張りを広げておいた。
フォレストスパイダーロードになってからは、私は縄張り内の魔物しか攻撃出来なくなった。元々縄張りの外の魔物は攻撃する気がなかったからあまり変わらんが。
――ッ!入ってきたか、……行こう。平和のために。
出会って早々やつは【風弾】を撃ってきた。
ッ……これは普通の【風弾】じゃない。……そうか、【魔法ストック】での【長文詠唱】。大体6倍の威力と言ったところか。
やつはさっきのような強力な魔法を使ってくるかもしれない。あちらも短期決戦がお望みのようだ。それは私もおなじこと。ならばこちらからも行かせてもらう!
【蜘蛛の子散らせ】
これで分身体を作った。25体。私よりステータスは落ちるが、1匹1匹がDランク。やつにとっては重い。あと、本体のステータスは少し減っただけで、あまり変わっていない。
そして、仕上げだ。
【紫紺野牡丹】
この技は分身体が全てこの技をやることで初めて効果を発揮する。分身体1匹1匹がステータスの30%の上昇効果がある。そして状態異常「冷静」を獲得する。これで、怒りに任せた結果負けることは無くなった。そして、分身体のステータスがやつを上回った。
全ての戦闘を分身体に任せ、今私は【隠蔽結界】、【回復結界】、【HP高速回復】でなんとか成長の呪いに抗っている。スキルポイントで取得したスキルだ。
【隠蔽結界】を使っているから早々に見つかるということはないだろう。
樹を使っての高所からの魔法……あれは【嵐】か?いや、大したことはない。分身体がいくらやられようと私にダメージはない。
このまま、勝ってくれ……。しかし、不安要素は分身体にも成長の呪いがかかっている事だ。そこだけが不安だが……。
……しかし、その不安などは吹き飛ばされてしまった。
やつは進化した。強制進化。ありえない。いくら強制進化と言っても進化の眠りは必要なはずだ。進化の眠りなしで進化出来るとなると、まさか異界の者か!?いや、冷静になれ。異界の者だからなんだと言うのか。倒す敵、ということには変わりは無い。
ッ、しかも感知されたようだ。こちらの位置がバレた。
こうなったらもう隠れている意味は無い。【隠蔽結界】
を、解除するか。そして、
『……バレてしまったようだな、しかし、強制進化したとしても、ステータス差は依然としてこちらの方が上だ。』
これは、最後の注意喚起のようなものだ。「さっさと負けを認めて抵抗はやめて大人しく死んでくれ」といっているつもりだ。
いくらスキルを獲得したからって、私を殺せるようなスキルをピンポイントで獲得できる……ということはほぼない。
まぁ、やることは変わらない。自分を回復しながら分身体に戦闘を任せるだけだ。あいつはなにか大きな技の準備をしている。一応【鑑定】しよう。バレないようにこっそりと…
――――――――――
種族 カルミア ランク C+
名前 ジュン 状態異常 進化の呪い
魔法適性 風、土、光、闇、無、空間、精霊
スキルポイント 3100
Lv:1/48 経験値0/19000
HP:567/567
MP:586/594
SP:109/411
攻撃力 283
防御力 296
魔法攻撃 472
魔法防御 486
素早さ 452
通常スキル
【無属性魔法Lv4】【闇魔法Lv3】【土魔法Lv4】【光魔法Lv3】【空間魔法Lv4】【超・風魔法Lv1】【長文詠唱Lv1】【魔力(整頓)Lv8】【HPMP自動回復Lv8】【危険察知Lv6】【魔法合成Lv__】【精霊(整頓)Lv2】【魔法ストックLv5】【変形Lv1】【生命感知Lv1】【弱点看破Lv1】
耐性スキル
【魔法物理耐性Lv6】【毒耐性Lv4】【混乱耐性Lv3】
固有スキル
【―――の声(整頓)Lv__】【純森林操作Lv1】【漆黒Lv1】【純白Lv1】
称号スキル
【異世界(整頓)Lv__】【魔物殺しLv8】【同族殺しLv__】【――Lv__】【忌み嫌われる者Lv__】
――――――――――
どうやら、カルミアと言う種族に進化したらしい。が、こんな種族は聞いたことがない。ステータスがレベル1のくせして高いのも謎だ。
……多分だが、希少種族、もしくは固有種族なんじゃないかと考える。それよりもおそらく進化のせいだと思うが、全回復されている事が不味い。
幸い、やつは大技の準備で無防備。ここで決める!
『なにか準備しているようだが、もう遅いぞ。
【硬糸】!』
残っている分身体と同時に【硬糸】!やつは避けられないはずだ!魔法は使えない!
当たる!と思ったその時、ガキン!と剣と剣がぶつかり合うような音がした。何があったんだ。
やつの周りに茶色い壁…どうやら、土壁を使った様だが、どうやって使った?あいつは大技の準備をしていて【魔法ストック】を使えないはずだ。……となると【並列思考】とかか?整頓されてて分からん…もしかして、固有スキルの欄にあった【―――の声】ってやつか?それなら出来るのか?【多重魔法】なしであんな芸当が……
あれこれ考えすぎていた。もうやつは準備が出来ていたんだ。樹の槍のようなものが私に向かってものすごいスピードで迫ってくる。
『クッ!!!【多重魔法】!【物理結界】×5!』
無意識に声に出ていたようだ。これを防いで、次のチャンスを……いや、あれは物理じゃない。正確にいうと物理ではあるが、魔法の属性も含まれている!まずいっ、
『ッ!【多重魔法】!【魔法結界】×10って……あ、』
MP切れ……そうか、もう限界だったのか。
ズシャッ!!!…………パリンッ!
私の魔力源の壊れる音……負けた……?
いや、負けた。やつの異常な成長スピードに負けた。かなり、いや、凄く悔しい。クソッ…
『クソッ…この森を守れなかった……、ここはお前のせいで崩壊していって、この森は忘れ去られてしまうだろう。……いや、最初から私が「お前がこの森の生態系を壊さぬように改心してくれ」と頼めば良かったのかもしれないな。もう遅いことだが…おい、種、お前、改心する気ガあるなららどうかこの森を大切にしてくれ…私からはそれだけだ。頼む。』
どうやら、思っていることがそのまま【念話】に出てしまっていたらしい。
最後に言いたいことが言えてよかっ…………
バタン、とフォレストスパイダーロードの巨体が地面に衝突する。
次回、第1章終了です




