第十四話 勝負!ジュン視点
遅れてすみませんでした
どうする?ここはスキルがよく分からないから様子見に徹するか?いや、相手は成長の呪いにかかってる。何やってくるか分かんないなら、先にしかけてすぐ終わらせる!ここで使うぜ!まず、【強化】そして、
【魔法ストック解放】
【風弾5.7】!!
風の球が宙に舞い、主目掛けて射出される。
少し主の身体をその球がかすった。鮮血が滴り落ちる。
今のでどんぐらいHP減った!?
――――――
HP??/??
――――――
そうだ、わかんねぇんだった!不味いぞ、相手がどのぐらいでやられてくれるのかが分からないと作戦がたてらんないぞ。主の外傷から見るにはちょっと切り傷があるぐらいであんまダメージをくらってるようにはみえない。エコー!HPの表示ってできる?
《3分かかります。よろしいですか?》
はい。っと
おけおけ、じゃあ、3分間はこの調子で攻撃仕掛けまくるぞ。
《【危険察知】発動。危険です。》
は?って、おいおいおいおい!
あいつ!分身し始めたぞ!
10、20……どんどん増えていく!
と、とりあえず【鑑定】!
――――――
種族 フォレストスパイダーロード (分身体)
ランク D
名前 なし 状態異常 成長の呪い
魔法適性 風、土、無、結界
スキルポイント ??
Lv:1/60(固定) 経験値0/350(固定)
HP:130/130
MP:135/135
SP:140/140
攻撃力 178
防御力 186
魔法攻撃 162
魔法防御 191
素早さ 184
固有スキル
【全通常スキル共有Lv__】
――――――
はぁ!?分身!?こいつ分身したのか!?
……かなりまずい。あいつ俺に広範囲の攻撃がないことを知っててやったな?しかも1匹1匹がDランク!どうする……?一応、まだ【魔法ストック】はあるが……どうしたものか。
そう思った次の瞬間、
アイツらの危険度が一気にぐんとました気がした。
はぁ!?今度は一体何が起こってるんだよ!?
《フォレストスパイダーの分身体のステータスが約30%上昇しました。フォレストスパイダーの分身体に状態異常「冷静」が付与されました。視認できるフォレストスパイダーの全てが分身体です。本体を見失いました。》
やばいやばいやばいやばい!ステータスの上昇?本体が見つからない!?
……このままだと、負けるのは確実にこっちだ!
こ、こんな時こそ、冷静に考えるんだ。
「「キシャアアアア!」」
っ!【土壁】!
痛っ、土壁の後ろから攻撃しやがった!てか、そんなことを考えてる暇はない!分身体に対応するので精一杯、というか負ける!
【純精霊樹】を自分の下に出して、上からチクチク攻撃するしかない……か。そこで考えを練るしかねぇ!
【純精霊樹】!!
ズゾゾゾゾと自分の下に樹が生えてくる。
「「キシャアアアア!」」
分身体が樹に噛み付いたり、魔法を撃ってきたりして、樹を倒そうとしてくる。
チッ、【純精霊樹】全体に【盾】、【魔法盾】!
さらに、【魔法ストック解放】!【嵐4.2】!
竜巻が分身体たちを蹴散らす。が、時間稼ぎにしかならない。
どうする?本体がいないなら分身体をいくら倒したってムダだ。……マジでどうする?本体がいないんだから分身体を倒しても意味が無いんだよな。だからどうする?だから意味が無いことはしたくないけど本体が見つからないからって……あぁ!もう!ずっと堂々巡りだ!考えがまとまらない!
っもう!エコーさん、なんかある!?
《ひとつ、方法があります。進化の眠りを無視した強制進化です。現在分身体をかなり倒しているので、経験値は足りています。》
それをすればなんとかなるんだな!?
《はい。しかし、10分以上進化したままでいると、体の崩壊、及び消滅が起こります》
………短期決戦ってわけか。崩壊は止められるのか?
《崩壊前に【退化】を使うことで崩壊を防げます。……ですが、そうするとマジックシードまで戻ってしまうでしょう。それでもいいですか?》
ほぼデメリットはないな。あいつを10分以内に倒せばいい訳だ。今は打開策がなにも無い。考えても纏まらない。
するよ!進化!
《了解しました。勝率の高い方へとこちらで勝手に選択し、進化します。…………完了しました。種族名 「カルミア」へと進化しました。》
《【変形】、【純森林操作】、【生命感知】、【弱点看破】、【超・風魔法】を獲得しました。強制進化なので、この他の通常獲得するはずのスキルの獲得、及びスキルレベルの変化はありません。》
なんとなくでスキルの使い方は分かる。だから、さっさと決着をつける!
【生命感知】を早速使用する。……いた。ひとつだけ、分身体の弱い生命とはちがって、いる。でかい生命が。あそこだ。結界があったから気づかなかったのか。
《【隠蔽結界】を張っていたようです。》
『……ばれテしまったようだナ。しかし、強制進化したとしてモ、ステータス差は依然としテこちらノ方ガ上ダ。』
確かにあいつの言う通りだ。こっちはスキルの多彩さでしか多分勝っていない。でも、あいつのMPはもう、
_________________
種族 フォレストスパイダーロード ランク B-
状態 成長の呪い MP:39/834
_________________
ほぼ残っていない!対してこちらはまだ、9分ぐらいの猶予がある。が、このまま耐久しても、ステータス差であいつのMPが尽きる前に殺されてしまう。
こちらから一撃必殺の攻撃を打つしかない。
……その方法はもう頭のなかにある。
残っていた分身体が俺に襲いかかるが、【純森林操作】で防ぐ。【純森林操作】は【純精霊樹】の上位互換のようなスキルだ。かなり使い勝手がいい。分身体の攻撃を防ぎつつ、必殺の攻撃の準備を進める。
まず、【変形】を使って槍の様な形になる。【弱点看破】でもう弱点は分かっている。中心にある丸いコアのようなもの(魔力源と呼ぶらしい)を俺自身が槍となり、そこを貫く。勝負は一瞬。
【森林操作】で自分に木々を寄せ集めて自分の体積を大きくする。細く。そして長く。貫きやすいように。
『なにか準備しているようだガ、もう遅いゾ。【硬糸】!』
今、準備をしているから、この【硬糸】は防げない……終わった……。というとでも思ったか?エコーさん!
《【魔法ストック解放】【土壁3.9】》
ガキン!と、剣と剣がぶつかり合うような音がして、【硬糸】が【土壁】に阻まれる。
エコーさんは、魔法の発動は出来ないが、【魔法ストック】の解放はできるんだ。このことは前から薄々分かっていた。やっと、これが役に立った……。
《お役に立てて光栄です。》
いや、元からずっと俺の役にたってるよ。ありがとう。
こっちも準備が整いつつある。
もう、決めるぞ。
【風圧加速】!
風の力で【風加速】とは比較にならないぐらい加速する。
これで終わりにする!
【石楠花・急進】ォ!!!!
『クッ!!!【多重魔法】!【物理結界】×5!』
残念だが、【石楠花・急進】には物理だけじゃなく、魔法で創造されたものだから魔法の特性ももっている。だから、【物理結界】はほぼほぼ意味を成さない。
それが分かったのか、あいつも、『ッ!【多重魔法】!【魔法結界】×10っテ……ア、』
やっぱり!あいつはもうMP切れだ!もう魔法は使えないんだ!
俺の【石楠花・急進】が【物理結界】をどんどん貫く。やつは逃げようとしているが、もう遅い。
ズシャッ!!!…………パリンッ!
……どうなった?そう思うと同時にフォレストスパイダーロードが喋り始める。
『クソッ…この森ヲ守れなかっタ……、ここハお前ノせいデ崩壊していっテ、この森ハ忘れ去られてしまウだロウ。……いや、最初カラ私ガ「お前ガこの森ノ生態系ヲ壊さぬよう二改心してクレ」と頼めば良かったのカモしれないナ。もう遅イことダガ…おい、種、お前、改心する気ガあるならラどうかこノ森を大切二してくれ…私からハそれだけダ。頼む。』
そういうと、フォレストスパイダーロードはバタンと地面に倒れ込んだ。
……そうか、あれは魔力源の砕ける音か、勝った……のか?いや、勝っただろう。残っていた分身体がどんどん倒れていく。
あぁ、俺ももう限界だ……。
《【退化】を開始します。………………》
小話
【精霊化】は使いませんでした。【精霊化】では勝てないと判断したからですね。
ってか【精霊化】の存在忘れてた…




