百合の花弁は舞い、夜空に咲くは彩りし華
申し訳ございません。
作者風邪の為、投稿が遅れました…。
明日も投稿する予定ですが熱が下がれば…の話です。
頑張ります
貴族達が談話に興じる中、変化は突然訪れた。
風魔法で拡張した声を震わせ、司会役を勤めるジェネシス公家の臣下が前口上を述べ始める。
「お集まりの皆様、お待たせしました。本日一回目の催し物は本日の主役の一人センティス伯爵による剣舞となります!それではどうぞ!」
ジェネシス公爵家の呼び寄せた音楽家達が鮮やかな音色を掻き立てる。
リリアナは二本の宝剣を両手に持ち華麗に踊り始める。
最初は緩やかに、一つ一つの振りを確認するように。
それはまるでなだらかに流れる清流の様にゆったりと。
だが曲は段々と盛り上がりを見せ激しくなっていく。
リリアナは飛んで跳ね、回転し見る者を魅了していく。シャボン玉や花弁が舞い散り、リリアナを彩る。
誰もがほう、と息を呑んだ。
ある者はさながら地上に舞い降りた天使を連想された。
また別の者は女神その者をリリアナに被せた。
曲はどんどん加速していく。
それにつれ深紅のチャイナ風ドレスのスリットから若々しい生足が時折顔を出した。
老若男女誰もがその姿に釘付けとなり、まもなく曲は終わる。
名残惜しそうに思う中会場は最高潮へと達し万雷の拍手となってリリアナを讃えた。
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「ふぇー…疲れたぁ…!」
「リリ、お疲れ。」
「有り難う、リビー。」
リビーに手渡された果実水を飲み一息吐く。
これから会場はダンスの時間となり、所謂自由時間となる。
私はその時間を使ってとある細工をすることになっている。
「じゃあリビー、こっちは頼んだよ?」
「ん!任せる!リリも頑張って!」
両手を握りやる気をアピールするリビーの頭を撫でると私は屋敷の外へと飛び出した。
門前で待機していたジョセフやモガと合流し、馬車に乗り込み西門へと向かう。
予め用意していた為かあっさりと通される。
用意されていた愛馬スタローンに乗り換え魔法で身体強化を掛けてやる。
放たれた矢の如く駆け抜けるスタローンにしがみつき約五分程の道のり、前以て建てていた櫓へと到着する。
屋根の部分はなく、人二人が入る程度の広さだ。
「よし…やるぞぉー!」
魔法で作り出したスピーカーもどきが公爵家からこの櫓に繋がっている。
催し物の第二弾である
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ボクは窓からリリの居る西の方角を見つめる。
リリとお揃いの父様から貰った懐中時計を見るとそろそろ開始時間だ。
『ジェネシス公爵家にお集まりの皆様、リリアナ・センティスでございます。これよりご覧入れますのは音と火の融合、花火にございます!バルコニーからご観覧すると見えるでしょう。それではどうぞ!』
瞬間、ドーンドドーンと音が響く。
ボクは控え室から会場の方へ向かいリリのともだち達と合流することにした。
リリの年の数とボクの年の数を合わせて19発の花火が上がる。
色とりどりの空に咲く花。
ボクとリリのともだちはその光景に見惚れていた。
(リリ…ありがと。)
ボクはこの光景を忘れない。
この花火はリリとボクの絆の証なのだから。
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