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リリアナお嬢様の命令よ!~転生伯爵令嬢は自分に素直に生きると誓いました~  作者: 如月 燐夜
二部一章 伯爵家当主学生準備編
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合同誕生日会~後編~

遅くなってしまいました、申し訳ございません。


クライシス公爵が壇上に上がり、私とリビーに挨拶をする。


橙色の髪と同色のドレスを着飾ったリサーナちゃんも一緒である。


クライシス公爵はカイゼル髭のナイスミドルだ。


「誕生日おめでとう。細やかながら贈り物を用意した。気に入って貰えるかは分からないがな。」


見た目に反して口調は荒い。

けど、大貴族の一角を担う公爵ならそれくらい普通なのかな。


「いえ、嬉しく思います。本日はお越し下さってありがとうございます。幾つか催し物を準備していますので、楽しんで行ってくださいね!」


「センティス伯の催し物か、それは楽しみだ!私は戻るがリサーナは残って話していくといい。だが少ししたら戻ってくるのだぞ?」


「はい、父上」



「リサーナちゃん、久しぶり。元気だった?」


「うん!リリーちゃんおひさ~!なんか前見た時よりめっちゃ可愛くなってるしー!髪型も結構似合ってるじゃん?」


「うーん、そうかな?リサーナちゃんも相変わらず可愛いね!少し背も伸びた?」


私はもう140㎝半ばを越えたあたりで、リサーナちゃんは私の肩より少し高いくらいだ。


130㎝後半に差し掛かっているだろう。


五年後のプロフィールを鑑みれば高身長、モデル体型になるので今から少し楽しみだ。


この世界に栄養という概念がないせいか女性の平均身長は165㎝で、リサーナちゃんは171㎝まで伸びるはず。


クライシス公も背が高く、その横に立つ女性(多分リサーナちゃんのお母さん)も背が高いので納得である。


私も平均身長までは伸びそうだな…それ以上も有り得る…まぁ、考えるのは止めておこう。


「それじゃまた後でね!お茶会メンバー集めて喋りまくるっしょ!そろそろオヤジんとこ戻らなきゃ…」


そう言ってリサーナちゃんは私たちに手を振り壇上から去る。



次に来たのはパーシアス公爵家、ユグドラファミリーである。


真っ赤なドレスに身を包んだユグドラが恥ずかしそうに此方へと歩いて来るのが見える。


ユグドラたんかわゆすなぁ…!


「よ、よぉ!来てやったぞ?」


「ありがと!ユグドラちゃん可愛いドレスだね!凄く似合ってるよ!」


「そ、そうか?リリアナに言われても全然嬉しくなんかねえし…でも有り難く受け取ってやる、感謝しろよ?」


「素直になればいいのに」


ボソッと呟くリビー。最近毒を吐くようになったリビーはそんな所も可愛い。


「う、うるせぇ!オリヴィエは黙ってろ。」


「こら、ユグドラ!お前は招待された身で何を言っているんだ!すまない、センティス伯、オリヴィエ嬢。娘は気持ちを表現するのが苦手なんだ。私はセンティス伯には個人的に感謝の念で一杯だ。」


え?どういうこと?


「パーシアス公に感謝される覚えなど私は有りませんが…」


「そうか。フフ…心当たりが無いのも無理はないかも知れない。だが、娘と友達になってくれたこと。通商協定を結んでくれた事。そして何より呪いの件にも熱心に取り組んでくれているだろう?諸々の理由で私はセンティス伯に感謝している」


あぁ、その事か。


私が勝手にやりたいことをしているだけでパーシアス公に恩着せがましくする為にやった事じゃない。


その辺は後々誤解を解かなければ。


「そうだな。娘は普段こんな風にしか接していないが、家ではセンティス伯の事ばかり話していてね。それがまた楽しそうに話すんだよーー」


「わー!わー!父上、それ以上は止めてー!」


興が乗ったのか、口を滑らせ暴露するパーシアス公に、大声を上げ話を止めさせようとするユグドラ。


可愛いなぁ、ユグドラたん。


「そ、それじゃまた後で話してやらないこともない。顔を洗って待ってろよ!」


ユグドラたん、それを言うなら首だよ、首。


突っ込もうとしたがそのままユグドラはパーシアス公の背を押し壇上から去った。


続いて訪れたのはエンディミオン公爵家、ルル達だ。


紫の髪を揺らし、白のドレスで着飾ったルルとその隣には良く似た顔の少女が私の開発した車椅子に乗っている。


数名のジェネシス公家の家臣が持ち上げ壇上まで上がってきた。


「同志、久しぶり…って訳でもないけど、お祝いに来たわよ。こっちは姉のクトゥリカ、会うのは初めてよね?」


「ルルちゃん来てくれて有り難う!クトゥリカさん、初めまして。リリアナ・アルデン・センティスです。」


「貴方がリリアナさんですか!噂の聖女様にお会い出来るなんて光栄ですわ!初めまして、クトゥリカ・エンディミオンです。」


ルルよりも痩せ細ってはいるが、きちんとした挨拶や仕草は公爵家の娘その者だ。


然るべき教育を受け、妹よりも溌剌としていて好感が持てる。


友達になれるかな?


あと、噂の聖女様って何だろう?


「私如きが聖女の名を冠するなど、烏滸がましい限りです。クトゥリカさんの容態も回復しているようで何よりです。」


「そんな事は有りませんわ。貴方が私を不治の病から…呪いから救って下さったのです。正に聖女と冠するに相応しいでしょう。それもこれもリリアナさんが助けて下さったからですわ。自分を過小評価するのは美徳ですが、行き過ぎては嫌みになってしまいます。もっと自信をお持ちなさいな!はっ、すみません…私の悪い癖が出てしまいました…お恥ずかしい…」


私の手を取り、優しく語りかけるクトゥリカさん。私の為を思って真摯に受け答えてくれる姿は女神の様に神々しかった。


「女神様…はっ、ごめんなさい。つい思った事が口を付いてしまって…えっと、ルル共々仲良くしてくれたら嬉しいかな、あはは」


照れ隠しに笑っては見たが、クトゥリカさんは驚いた顔で固まっている。数秒のちにお上品に笑い、

「それは此方の台詞ですわ。ルル共々仲良くしてください。私とリリアナさん、似た者同士なのかも知れませんね?思った事を口にしてしまう所なんてそっくり!私の体力が回復したら是非センティス領に行きたいですわ!梟の塔やマルセム大聖堂なども見てみたいですし!」


「勿論、是非お越しください!最大限のおもてなしをさせて頂きます!」


クトゥリカは花咲く笑顔を見せ壇上から降りていった。


その後公爵家の人が沢山来て、アンちゃんとソラージュ宰相をしているお爺さんがやって来る。


嬉しいサプライズでタニアちゃんの手には額縁らしきものとレインの手には花束を持って一緒に来てくれた。


「リリ、リビー、おめでと!プリン作ったー」


「リリー、オリヴィエさん、お誕生日おめでとうございます!お祝いの私が育てた花束です。慎ましいものですが、受け取って貰えると嬉しいです。」


「リリーちゃんオリヴィエちゃんおめでとうー!これ、私の描いた二人の似顔絵!お部屋に飾ってね!」


「三人とも有り難う!」


それから五分程談笑して伯爵家、子爵家、男爵家と順番に挨拶を受け取った。


全ての招待客からの挨拶を終え私は別室へと移動する。


これから剣舞を披露するためだ。大丈夫、私ならやれる!自分をそう励まし鼓舞した。


「センティス伯、時間です。ご準備下さい!」


「今行きます。」


よし、行くぞ!

今週の土曜日はお休みです。


次回は8日更新です!

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