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リリアナお嬢様の命令よ!~転生伯爵令嬢は自分に素直に生きると誓いました~  作者: 如月 燐夜
二部一章 伯爵家当主学生準備編
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二公令嬢と談笑、今後の動向

本日同時刻に二話更新しております



私はルルイアと風呂から上がり着替え屋敷を出ると梟の塔へと足を進めた。


ルルイアは食事と休息という大事な仕事が有るため置いてきた。


あのままでは倒れてしまう…それだけは避けたいのだ。


梟の塔…エンディミオン家とパルコシア家の支援によって実現し、私が手掛けたこの魔法研究施設の研究は多岐に渡る。


例えば、誰もが使える【生活魔法】の開発といったものから魔道具の生成、実用的な戦術級魔法の開発などそれこそ様々だ。


ここで開発されたものは王都に報告書レポートが送られ上層部により吟味され、有用と判断されたものは魔法省から発表され国民に知らせるか、あるいは軍事転用といった方法で陽の目を浴びる。


例えば、簡易的な着火イグニッションの魔法や暗い場所を明るくする灯光ライトの呪文は、正式に国内に普及することになった。



逆に私の使う結界魔法や泥沼男スワンプマンなどは難易度が一般人には高すぎ、発動しても五秒も持たない。


私の魔力っていつからおかしくなったんだろ?



そんな事を頭に浮かべながら歩いていると道の向こうから見覚えのある姿がこちらに歩いてきた。

というか完全に私をロックオンしてるんじゃないかってくらいの速度で近付いてくる。


「よ、よう…奇遇だな?」


「ユグドラたん…じゃなくてちゃん!どうしたの?」


桃色の長い髪を一纏めにしてポニーテールを揺らしながら私の前に現れたのはユグドラ・パーシアス。


【大食】の呪いをその身に受けた少女である。


二年前の茶会にて出会い、仲良くなってからは別荘をプレゼントし、それから時間があれば何度もセンティス領都マルセムを訪れてくれた。


最近では食事制限や体重管理もしているので一緒に居る時間は長い。


ユグドラは頬を掻きながら私の前に立ち、此方をチラチラと見ている。なるほど…大体理解した。


「べ、別に!たまたま通り掛かっただけだよ!お前は…どこ行くんだ?」


「私はこれから梟の塔に向かう所だよ。良かったらユグドラちゃんも来る?」


私のことはお前とかあんたと呼ぶことの多いユグドラたんではあるが、運動でへばったり精神的に落ち込んだ時はリリアナ…と呼んでくれるので私は気にしてない。


「は、はん!そう言ってわたしに着いて来て欲しいんだろ?」


「そうだね!来てほしいなぁ…でもユグドラちゃん、あまり魔法には興味無かったよね?暇しちゃうかもだけど大丈夫?」


わたしはお前と居られれば…何でもねぇ!とりあえず着いて行ってやる!勘違いすんなよ?ただの暇潰しだからな?!」


「よーし!じゃあー行こー!」



ふふん、ユグドラちゃんてば寂しがりなんだから!仕方ないなぁ…!


素直になれない所もいじらしい。


ユグドラちゃんの手を掴んで私は梟の塔へと駆け出した。


何か戸惑う様な声や嫌がる声が聞こえるけど気のせい気のせい。


そういえば、ユグドラちゃんやルルは来年の九月から学園に入学するんだったな。


そうすると暫く会えなくなりそうで寂しいな…


今のうちに思い出を沢山作っておこう。


まぁ王都までは一日の距離だし会おうと思えば会えるか。


▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼


梟の塔での用事を済ませユグドラと共に屋敷へ戻るとルルが起きており談笑を始めた。


この二人、意外に仲が良い。

同い年で同じ格の公爵家令嬢というのもあるが、二人とも中二病を既に発症しているのでその辺で意気投合したのだろう。


私もそっち側の人間なので一緒に居て心地良い。



「ーーという事なのだけど、ユグドラ嬢は分かるかしら?」


「あぁ、バカにすんなよ?えっと…要するにすげーって事だろ?」



「その通りよ。同志、ユグドラ嬢に説明してあげてもらっても良いかしら?」


急に話を振られ振り向くとどうやら魔法についてユグドラがルルに習っているようだ。


「んー…魔法の開発についてだよね?例えば炎属性で説明すると火はどうやって燃えるのかって話をするけど、実際見せた方が良いかな。大気…目に見えない魔力の粒子や私達が生きる上でとても重要な酸素ってものを体内に取り込んで人は生きています。これを少し魔力で動かすと火が強くなったり、弱くなったりと調整することが出来るの。ここまでは良い?」


私は指先に火を点し酸素を送り込み大きくしたりして見せる。


ユグドラは目を白黒させ驚いている。


まだ10才の少女には難しい知識だったか…反省。


けどルルは理解してるみたいだし、科学とか教えればのめり込みそうだな。


白衣を来て研究室に籠るルルを想像する。


マッドサイエンティストって単語が一瞬だけ、頭に浮かんだが頭を振って霧散させる。



「火にも温度があって、それを火力と言うんだけど。赤、オレンジ、青、最終的には紫になって目では視認出来なくなるんだよ!風に火力が上がれば色も変わるんだよ!」


中空に火を浮かべると温度を上げていく。赤熱した炎はやがて色を変え火力を増していく。青くなりやがて目には捉えられなくなる。所謂紫外線というやつだ。


「お前すげぇな!どこで覚えたんだ?」


前世です。とは流石に言えないので本で読んだ事があると返し誤魔化した。


「リリお姉様、そろそろ日が暮れて来ましたので屋敷の中に行きましょう。直に冷え込みだします!」


ちょうどいいタイミングでモガが提案してくれたので私達は屋敷の中へ移った。

数え7才になったモガはしっかり者に拍車がかかりメイド見習いを卒業した。

そして他の者…特に男性へ向ける視線が鋭くなった。


既に伯爵家当主の私の選任として常に後ろを付いて来る。髪も身長も伸び始めたかな?


ジェシカはモガに私の選任を任せた後、屋敷の一切を取り仕切る家宰に抜擢した。

我ながら良い判断だと思う。


今夜は二人に泊まって貰い、私は日課の鍛錬をジョセフにホセ、新たに雇用したジョセフの従姉妹で女騎士の細剣使いのパルメラの三人に付けて貰いヘトヘトになりながら終え汗を流して就寝する為に部屋へ戻った。


それから今朝届いたセバスからの手紙を読み返す。

なんて事ない近況報告や二年前のセンティス領での生活を懐かしむような内容である。


セバスは公爵領へ戻りバリバリ働いているらしい、たまに私とジェシカ宛に手紙が届く。


そういえばもうすぐリビーの誕生日だ、何か送ってあげよう。

いや、私の誕生日がその二日後だから王都の別宅に招いて合同パーティでも開こうか!


アレの披露もしなくちゃ!皆びっくりするだろうなぁ!


久しぶりに他のメインヒロインの子達にも会いたいし、レオンハルト陛下の即位式もある。

ナーナともしばらく会えてないから気になる。


あぁー、忙しくなりそうだ!!


火の強さって実際調べてみるまでよく分からなかったのですが、紫が一番高いんですね、白だと思ってました!笑


学の無さが露見してしまう…笑


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